どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
さて、皆さんは『レジェンド&バタフライ』という映画をご存知でしょうか?
本作は東映70周年記念作品として大々的に公開された時代劇で、木村拓哉さんが織田信長、綾瀬はるかさんが濃姫を演じたことで話題になりました。
他のキャストも宮沢氷魚、市川染五郎、和田正人、斎藤工、北大路欣也、音尾琢真、伊藤英明、中谷美紀など非常に豪華で、しかも総製作費は20億円!
東映の手塚治社長が「稟議書にハンコを捺す時、少し手が震えた」と製作発表会見で語ったそうですが、まさに東映の威信をかけた破格の超大作といえるでしょう。
そんな『レジェンド&バタフライ』が、なんとアマゾンPrime Videoで5月12日から見放題独占配信されることが決まり、SNS等で話題になっている模様。なぜなら、つい先日(4月23日)まで映画館で公開していたからです。
まぁ確かに、近年は映画が劇場公開されてから配信されるまでの期間がどんどん短くなっており、作品によっては上映終了後わずか3ヵ月程度で配信開始になることも珍しくありません。
しかし『レジェンド&バタフライ』の場合は上映が終了してから1ヶ月も経ってないわけですから、「え、早くない?」「もう見放題で配信するの!?」ってなるでしょう、そりゃ(笑)。
一体どうしてこんなに早く配信するのか?
もちろん東映側の都合であり、最初からこのタイミングで配信することが決まっていたのかもしれませんが、「もしかしたら興行成績が影響しているのでは…」と勘ぐってしまうんですよね。
『レジェンド&バタフライ』の最終的な興行収入は24億4691万350円で、観客動員数は188万8742人でした。これだけ見れば十分に大ヒットなんですけど、問題は総製作費が20億円もかかっていることなんですよ。
「でも売り上げが24億円以上あるんだから、4億円の黒字じゃないの?」と思うかもしれませんが、興行収入の約50%は映画館の取り分になります。つまり製作者サイドが受け取れる金額は12億2000万円ぐらいなんですね。
しかも、ここからさらに「配給手数料」として約20%が差し引かれてしまうのです(※パーセンテージは配給会社や契約内容によって異なる)。すると、最終的に製作者サイドの手元には9億8000万円ぐらいしか残らないんですよ(概算ですが)。
完全に赤字じゃん!
もちろん、映画の利益は興行収入だけではなく、今後発売されるであろうDVD・ブルーレイソフトの売り上げやテレビの放映権料なども見込めますが、少なくとも現時点では赤字確定でしょう。
だから製作者サイドとしては「出来るだけ早く回収したい」との思いが強まり、そのせいで配信が早くなったのではないか…と(これは完全に僕の想像なので事実かどうかは分かりません)。
ちなみに、「じゃあ『レジェンド&バタフライ』の採算ラインってどれぐらいなの?」というと、だいたい45億円ぐらいの興行収入があれば収支トントンと言われているようです。
45億円といえばかなりの大ヒットですが、木村拓哉さんの場合は『HERO』(2007年)の興行収入が81億5000万円、『HERO』(2015年)が46億7000万円、『マスカレード・ホテル』(2019年)が46億4000万円など過去の実績があるので、恐らく東映も50億円前後の興収を見込んでいたのでしょう。
「あのキムタクが主演するんだから、最低でも40億は超えるだろう。上手くいけば100億以上…」みたいに皮算用していたのかもしれません。
しかし、思ったほど成績が伸びず厳しい結果に大慌て…というのが実情なのではないでしょうか(いや~、映画をヒットさせるのって難しいなぁ…)。
ただ、今の東映は『ONE PIECE FILM RED』が興行収入197億円、『THE FIRST SLAM DUNK』が132億円の超特大ヒットを飛ばしてメチャクチャ儲かってるんですよね(東映の歴代記録を更新したらしい)。
しかも『THE FIRST SLAM DUNK』に関しては韓国や中国など海外でも爆発的なメガヒットを記録中で、中国では公開からわずか5日間で早くも4億元(約78億円)を突破し、さらに成績を伸ばし続けているそうです(勢いが凄まじい!)。
なので、もしかしたら『レジェンド&バタフライ』の赤字分ぐらいはリカバーできるのかもしれませんねぇ(^.^)