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SF超大作映画『復活の日』はここが凄い!

映画『復活の日』より

映画『復活の日』より

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
さて先日、無料動画サービス「GYAO!」で復活の日が配信されていたので久しぶりに観てみました。

本作は1980年に公開された日本のSF映画で、雑にあらすじを説明すると「軍が開発した細菌兵器をスパイが盗み出したものの、セスナ機で郵送中にアルプス山中に墜落。世界中にウイルスが拡散し、ほぼ全人類が死滅したが南極のわずかな人々だけが生き残った」というストーリーです。

原作:小松左京、監督:深作欣二、カメラマン:木村大作、主演:草刈正雄、製作:角川春樹といった錚々たるスタッフが結集した本作は、当時『人間の証明』や『戦国自衛隊』などの超大作を連発していた角川映画の8作目として公開されました。

しかし、スケールのでかい映画ばかり作って大ヒットを狙う「ハイリスク・ハイリターン」な手法がエスカレートしすぎて「当たっても製作費を回収できない」という状況に陥ったため、この『復活の日』を最後に大作一辺倒の路線から撤退せざるを得なくなったのです。

ではいったい、『復活の日』はどれぐらいのレベルで超大作だったのか?今では考えられないような”破格”とも言える制作の裏側を解説しますよ。


●製作費が日本映画史上最高額!

映画『復活の日』より

映画『復活の日』より

本作の当初の予算は約15億円と想定されていましたが、南米・アメリカ・ヨーロッパを90日かけて回ったロケハンだけで5000万円もの費用が掛かり、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽とジャニス・イアンが歌う主題歌に8000万円。

そして劇中で使用する潜水艦や駆逐艦、豪華客船(出演者とスタッフの宿泊用)のチャーター代として3億円が吹っ飛び、40日に及ぶ南極での撮影になんと6億円を注ぎ込むという凄まじさ!

さらにアラスカ・トロント・ワシントンDC・ロサンゼルス・マチュピチ・サンチャゴなどの海外ロケに200日以上かけ、総移動距離14万km、撮影フィルムは驚異の25万フィート!その結果、製作費はどんどん膨れ上がり、最終的には当時の日本映画史上最高額となる24億5000万円にも達したのです。

しかし、配給収入24億円の大ヒットを記録したにもかかわらず、費用がかかりすぎて大赤字に…。その後、角川映画では超大作の企画は中止され、低予算で作った『セーラー服と機関銃』が大ヒット!以降、「アイドル映画」の路線がメインになっていくんですよね(^^;)


●チリ海軍の全面協力で本物の潜水艦を使用!

映画『復活の日』より

映画『復活の日』より

本作には多くの場面で潜水艦が登場しますが、そのほとんどが本物を使って撮影されました(一部ミニチュアを使用)。チリ海軍から潜水艦シンプソン号をチャーター出来たからこそ可能だったのですが、撮影は困難を極めたそうです。

なにしろ耐氷構造を全く持たない潜水艦で氷の張った海を航行するわけですから、容易なことではありません。しかも当時、世界で南極航海に成功した潜水艦はゼロ!耐氷駆逐艦を先導させているとはいえ、これはかなり危険です。

しかし、チリ海軍に協力を要請したところ、なんとあっさりOKに!こうして「世界初の潜水艦南極到達」となったのです。

ちなみにヘリコプターからの潜水艦撮影は非常に難しく、カメラマンの木村大作を機体にくくり付け、何度も海面スレスレまで降下したらしい。その時の様子を木村さんは以下のように語っていました。

潜水艦が浮上してくるシーンを空撮で撮るなんて、洋画でもやってないんだよ。それぐらい難しいんだから。神経がおかしくなりそうだった。海面のどこへ上がって来るのか分からないから、勘で撮るしかないわけよ。ヘリのパイロットがもの凄く操縦が上手くて助かったけど、何回撮り直したか分からないぐらい大変な撮影だったなあ。

結局、木村さんは計13回もヘリでの撮影を繰り返し、ヘトヘトになったそうです(笑)。


●海外の俳優も多数参加した豪華キャスト!

映画『復活の日』より

映画『復活の日』より

本作には主演の草刈正雄を筆頭に、渡瀬恒彦、夏木勲、千葉真一森田健作、永島敏行、多岐川裕美、丘みつ子緒形拳小林稔侍など名立たる俳優・女優が参加していますが、オリビア・ハッセーチャック・コナーズロバート・ボーンなど海外の俳優が多いことも特徴です。

しかも、映画が始まってから30分以上は外国の風景しか映らないため、日本語が全く聞こえません。日本映画なのに延々と字幕スーパーを読むという、当時としては(現代でも?)極めて異質な邦画だったと言えるでしょう(なお、字幕は戸田奈津子さんですw)。

ちなみに、ヒロインのマリト役には当初マリリン・ハセットという女優がキャスティングされていましたが、アラスカでの撮影中に、走るシーンで上手く走れなかったり、水に入るシーンを嫌がったり、日本側のスタッフと衝突したため深作欣二監督が激怒。

「あいつを降板させろ!」とプロデューサーに怒鳴り込み、急遽オリビア・ハッセーに交代することになりました。幸いオリビア・ハッセーが好演してくれたので良かったんですが、このニュースはハリウッドにも伝わり、「撮影が始まってすぐに女優を降板させるなんて、日本人はすごいな!」と評判になったそうです。


というわけで、当時「飛ぶ鳥を落とす勢いの角川映画」が製作したとはいえ、本物の潜水艦をチャーターしたり、1年近くもロケで海外を回ったり、今ではちょっと実現不可能なことをやっていたのは凄いですねえ。