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ネタバレ解説『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』って面白いの?


どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

さて本日、金曜ロードSHOW!スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が放送されます。
シリーズの新作としては10年ぶり、「物語の直接的な続き」という意味では前作『ジェダイの帰還』から実に32年ぶりの”続編”になるわけで、製作が発表された時は大騒ぎになりました。

なぜなら、2005年に公開された『エピソード3/シスの復讐』でスター・ウォーズのシリーズは一旦完結しており、ジョージ・ルーカス監督も「続編はない。元々6部作だ」などと述べていたからです(昔は”9部作”って言ってたのに…)。

(画像はアサイ著『木根さんの1人でキネマ』より)

なので、「続きが観られる」と知ったファンは狂喜乱舞!日々更新される新情報を貪るようにチェックし、予告編がリリースされたらハン・ソロの姿を見ただけで泣き出す人まで現れ、実際に映画が公開されると世界中で爆発的な大ヒットを記録しました。

『エピソード1』が公開された時はファンの期待とは裏腹にかなり微妙な空気が流れてたんですけど(笑)、本作は世間の評判も悪くないようで、「素晴らしい!」「これぞまさしくスター・ウォーズだ!」と絶賛の声も多かった模様。

というわけで本日は、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』について、友人の江須田君(仮名)と対談形式で色々と検証してみたいと思います(なお、僕も江須田君も過去の『スター・ウォーズ』シリーズは全て鑑賞済み)。


■あらすじ『帝国の崩壊から30年。帝国軍の残党“ファースト・オーダー”の台頭により、銀河は再び恐怖に支配されようとしていた。カイロ・レン(アダム・ドライヴァー)らは、消息が分からない最後のジェダイルーク・スカイウォーカーマーク・ハミル)の行方を追っていた。そんな中、砂漠の惑星で家族を待ち続けている孤独な少女レイ(デイジー・リドリー)は、謎のドロイドBB-8と、ストームトルーパーの脱走兵フィン(ジョン・ボイエガ)と運命的な出会いを果たす。やがてハン・ソロハリソン・フォード)やレイア(キャリー・フィッシャー)らも仲間に加わり、ついにファースト・オーダーとの熾烈な戦いが幕を開けた…!』


※以下の文章はネタバレしてます!


管理人:さて、この『フォースの覚醒』って2015年の公開当時は僕ら別々に観たんだよね?

江須田:そうそう、ちょうどタイミングが合わなくて一緒に観れなかったんだよな〜。

管理人:後で感想は話し合ったような気がするけど……改めて振り返ってみてどんな印象だった?

江須田:ん〜、まあ最初に観た時も感じたんだけど、『スター・ウォーズ』の続編としては良く出来ていると思う。ただ、ストーリーがいき当たりばったり過ぎて全然入り込めなかった。

管理人:いき当たりばったり?

江須田:そう、例えばポー・ダメロンからデータを渡されたBB-8が主人公のレイに出会う場面とかさ。

管理人:それは1作目の『新たなる希望』も同じでしょ(笑)。R2-D2だってルークと偶然出会ったんだし。

江須田:いや、R2-D2はレイアから「オビ=ワンにこのデータを渡して」という指令を受けて、自分の意思でオビ=ワンを探しに行ってるから、キャラクター同士が出会うシーンに必然性があるんだよ。でも、レイやフィンやポーが出会う場面って、全部偶然ばっかりじゃん。シナリオがいい加減すぎるんだよね。

管理人:う〜ん、でもそういう部分に突っ込みを入れ出したら「レイアはルークの双子の妹だった」とか、ご都合主義な展開はきりがないような気がするんだけど。

江須田:確かに(笑)。じゃあご都合主義には目をつぶるとして、キャラクターに魅力が無いのはマイナスじゃないかな〜?と。この映画って、1作目のルークとハン・ソロとレイアをイメージさせる「三人組」の構成じゃん?でも、レイはいいとして他の二人が上手く機能してないような気がするんだよな。特にポー・ダメロンはあまりにもキャラが薄すぎて、全然印象に残らない。

管理人:『フォースの覚醒』はハン・ソロの活躍シーンが多いからねえ。ポー・ダメロンはその影響をモロに食らったんだろうね。

江須田:あとフィンはさ〜、「何でお前がライトセーバーで戦ってるんだよ!」っていう(苦笑)。あいつ元ストームトルーパーじゃんか?そんな一兵卒がジェダイの武器を自在に扱えるなんておかしいだろ?スター・ウォーズ好きならなおさら、あのシーンは違和感があるんじゃないかなあ。

管理人:いやいや、もしかしたらフィンは凄いフォースの素質があるのかもしれないよ(笑)。この後、訓練を積んでジェダイになるとか…。あ、エピソード8のサブタイトルの『最後のジェダイ』って、実はフィンのことだったりして(笑)。

江須田:それだけはやめてくれ!

管理人:キャラに関して言うなら、僕はむしろカイロ・レンやキャプテン・ファズマの方が気になった。特にキャプテン・ファズマの”肩透かし感”が酷すぎる。

江須田:ビックリしたよな〜。あんなに煽っておいて出番あれだけかよ?みたいな(苦笑)。カイロ・レンも強いんだか弱いんだか良く分からないし、顔が個性的すぎてアップのシーンで笑いそうになるし…。

管理人:やめて差し上げろ(笑)。

江須田:カイロ・レンといえば、ライトセーバーのアクションも微妙じゃなかった?映画の公開順でいうと、EP4からEP6のアクションに比べてEP1からEP3のライトセーバー戦は明らかにグレードアップしてたじゃん?でも今回はそれよりもかなりグレードダウンしててガッカリだわ。

管理人:EP1からEP3は、ジェダイが絶大な勢力を誇っていた時代の話だから、ライトセーバー戦も迫力があったんだよ。EP4からEP6はジェダイの数が激減し、かつての勢いが失われたせいで、ああいうアクションになったわけ。で、『フォースの覚醒』ではいよいよライトセーバーの正統な使い手がいなくなり、技術の継承も成されないままレイもフィンも我流で戦ってるから、いまいち迫力が無くなったと。個人的には、”洗練されていない荒々しさ”が出ていて良かったと思うけどね。

江須田:う〜ん…だとしても最後の戦いで、「何の訓練も受けていないド素人のレイに苦戦するカイロ・レン」ってシーンはやっぱり萎えるよ。ルークからライトセーバーの指導を受けてるはずなのに、何でそんなに弱いんだカイロ・レン!?

管理人:僕は今回の新しい三部作って、ある意味「カイロ・レンとレイの物語」だと思ってるんだよね。レイの素性はまだ明かされてないけど、まあ恐らくルークの娘でしょ?で、レイは『エピソード8』でフォースの修業を積んで、レンはダークサイドに堕ちてるから悪事を働く。この二人はどちらも強いフォースを持っているせいで、今は互いに戦わざるを得ない状況だけど、カイロ・レンはソロとレイアの息子だから、心のどこかにまだライトサイドが残っていて、内心は凄く葛藤してるんだよ。その精神的な弱さが戦いにも現れていて、だからこそ純粋なライトサイドを持つレイにフォースのパワーで押されてしまう。でも、やがてレンは自分の過ちに気付き、そして多分、この二人が最終的に結託して、完結編の『エピソード9』でラスボスのスノークを倒す…という流れになるんじゃないかな。

江須田:ダース・ベイダーが最後に改心したように?

管理人:そう、スター・ウォーズのお約束としては、そういう展開になるのが一番自然だと思うよ。何よりも「かつて敵同士だった者たちが様々なドラマを経た結果、一致団結して一番強い敵をやっつける」ってすげー燃えるじゃん!

江須田:あ〜、それわかるわ(笑)。

管理人:むしろカイロ・レンの立ち位地としては、そうしないと話が終わらないような気がするんだよね。つまりEP1からEP6までが「一度はダークサイドに堕ちた男が長い年月の末に再び善の心を取り戻し、最後は自らの手でダークサイドの呪縛を断ち切る」という物語で、EP7からEP9もその路線を辿るんじゃないかと。

江須田:なるほどね〜。

管理人:他は何かある?

江須田:あと気になった点といえば、メカも微妙だったなあ。

管理人:メカ?

江須田:『スター・ウォーズ』の魅力って”メカ”じゃん?いや、俺がメカ好きだからってのもあるだろうけど(笑)、「様々な架空のメカが魅力の一つ」であるのは間違いないだろ?で、俺の中では『エピソード1』のメカはガッカリしたんだよ。「求めてたのはこういうのじゃない!」って。

管理人:うんうん。

江須田:で、『フォースの覚醒』のメカって……何て言うんだろう……方向性としては間違ってないんだけど、微妙に「コレじゃない」感が漂ってるみたいな…。ミレニアム・ファルコンとかXウイングとかスター・デストロイヤーなんかは結局、前作(EP4〜EP6)のデザインを踏襲してるだけじゃんか?その辺は「お気に入りのメカがまた見れる」ってことでいいんだけど、それ以外の新しく登場したメカがどうもピンと来なくて…。

管理人:レイが乗ってたスピーダーとかは?

江須田:くそダサいよ!ルークが乗っていたランドスピーダーは今見てもカッコいいのに、何で新作はあんなデザインになっちゃったんだろ?せめてEP6に出てたスピーダー・バイクをリファインすれば、もう少しマシなメカになったかもしれないのに〜(怒)。

管理人:企画の初期段階ではそういう案もあったみたいだけどね。ちなみにこんな感じ↓

江須田:おお〜!いいじゃんコレ!こっちの方が全然カッコいいよ!これを採用してくれれば良かったのになあ!

管理人:まあ、向こうのスタッフも色々考えた結果じゃないの?『フォースの覚醒』のメカに関しては…個人的にはBB-8が可愛かったのでOKかな(笑)。

江須田:BB-8はどっちかっつーと「キャラクター」だろ。そうじゃなくて、例えばEP5ではAT-AT(スノーウォーカー)とか、EP6ではAT-STとかスピーダー・バイクとか、旧三部作は続編を作る度に必ず印象的な新メカを登場させてたじゃん?同時に、「新メカを駆使した新しいアクション」にも俺らは夢中になったわけで、どうしてもそれを期待しちゃうんだよ。そういう意味では、『フォースの覚醒』で斬新なメカアクションが見られなかったのは残念だった。ファルコン号とタイ・ファイターの空中戦もいいんだけど、「それ前に観たことあるよ」って話でさ(苦笑)。

管理人:旧三部作はラルフ・マクォーリー(マッカリー)やジョー・ジョンストンみたいな優秀なデザイナーがいたからねえ。もちろん、プリクエル・トリロジーにも本作にも優れたデザイナーが関わってるけど、やっぱり「過去作の世界観を引き継ぎつつ新しいデザインを作る」のは難しいってことじゃないの?あまり斬新すぎると「これはスター・ウォーズじゃない!」って言われるだろうし。カッコ良くて斬新なメカは僕も見たいけどね(笑)。

江須田:まあスター・ウォーズに関しては、俺はどうしてもメカを主体に観ちゃうんでちょっと評価が厳し目なんだけど、お前はどうだった?

管理人:さすが”スター・ウォーズ好き”を公言してるJ.J.エイブラムス監督が撮っただけあって、全編にスター・ウォーズ愛が溢れまくった「壮大な二次創作」って感じだったよ(笑)。「ジェダイ訓練用リモート(シーカー・ボール)」や「モンスターチェス」など、旧シリーズに登場したアイテムをさりげなく見せる場面とか、オリジナルへのオマージュが満載なところもグッド。

江須田:確かに、ファンに対するサービスが行き届いてる感じはあったな。「過剰接待」って気もするけど(笑)。

管理人:あとCG全盛の今の時代に、ミレニアム・ファルコン号やXウイングやタイ・ファイターみたいな巨大メカを、CGじゃなくて実物大のセットを作って撮影してるのが素晴らしい!クリストファー・ノーラン監督も実物大セットやミニチュアを多用してるけど、やはり出来上がった映像の臨場感が違うよね。非常に説得力のある世界が描かれてて大満足。まさか”でかいブタ(ハッパボア)”まで実物大を作るとは思わなかったけど(笑)。

江須田:雰囲気が旧三部作に近かったもんなあ。やっぱその辺が高評価された理由なのかな?

管理人:結局、J.J.エイブラムス監督がやりたかったのは、「自分たちが観て感銘を受けた最初のスター・ウォーズを再生すること」なんだよ。そのために、オリジナルキャスト(マーク・ハミルハリソン・フォードキャリー・フィッシャー)を再集結させたり、脚本にローレンス・カスダンを起用したり、ジョン・ウイリアムズの音楽を使ったり、旧三部作のスタッフを揃えることにこだわってるんだよね。

江須田:あ〜、そういうことか。

管理人:その他、『帝国の逆襲』でミレニアム・ファルコン号を手掛けたマーク・ハリスがアート・ディレクターとして参加し、本作でも完璧にファルコン号を再現してるし。ちなみに、エイブラムス監督はルーカス・フィルムの倉庫を漁って、ラルフ・マクォーリーが描いた「未使用のデザイン画」を集めてたらしい。で、そのうちのいくつかが『フォースの覚醒』で再利用されたとか。つまり、メカやクリーチャーやガジェットなどを含め、本作の映像は可能な限りオリジナルに忠実に作られてるんだよ。

江須田:それって要するに「昔のスター・ウォーズ・ファンたちが好きな要素を片っ端からぶち込んだからヒットした」ってこと?

管理人:それだけじゃなくて、「昔のスター・ウォーズを知らない世代の人にもスター・ウォーズの魅力を伝えたい」という思いがあり、それがきちんと伝わったからじゃないかな。

江須田:でも、そのせいで「過去のシリーズと同じような話になってる」のはマズいんじゃないの?

管理人:ん?どういうこと?

江須田:『フォースの覚醒』を観てて一番気になったのは、「あれ?これって前にも観たぞ?」って場面が異様に多いことなんだよね。特に後半の展開なんて『新たなる希望』のリメイクか?と思うぐらいそっくりなんだもん、参ったよ。

管理人:う〜ん、それは確かに否定はできないけど(苦笑)。

江須田:捕らわれたヒロインを救出するために、ハン・ソロと主人公たちが敵の巨大施設に侵入してさ、ストームトルーパーたちを相手に銃撃戦を繰り広げて、敵が惑星をぶっ壊すほどの強力な兵器を準備中だから早く破壊しなきゃいけないんだけど、シールドが張ってあって多数のXウイングも攻撃できず、「シールドはまだ解除できないのか!」みたいな展開を何回見せられるんだよ?ってスゲー言いたいわ(笑)。

管理人:でも、今さらそんなこと言ってもしょうがないじゃん。そもそも『スター・ウォーズ』シリーズってだいたいそんな感じのストーリーなんだから(笑)。『ジェダイの帰還』もそうだし、スピンオフの『ローグ・ワン』だってそうだったろ?

江須田:いや、だからスター・ウォーズ・ファンって、何度も何度も似たような話ばかり観ててよく飽きないな〜って…。

管理人:それは言ったらアカン(笑)。


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