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宮崎駿監督、ついに劇場用長編アニメの制作へ復帰か?


どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

先日、NHKでドキュメンタリー番組NHKスペシャル 終わらない人 宮崎駿という番組が放送されたので見てみました。宮崎監督と言えば、2013年に長編アニメ制作からの引退を宣言して以来、ほとんどメディアに登場していませんでしたが、同番組では宮崎さんが短編アニメ『毛虫のボロ』を制作する姿を約700日にわたって完全密着。さらに、長編アニメ制作への復帰を目指している様子も映し出していました。

『毛虫のボロ』とは、宮崎監督が『紅の豚』の次回作として「一匹の毛虫が街路樹から街路樹へ旅をする物語」を90分かけてじっくり描きたい、と考えて立てた企画です。ところが、プロデューサーの鈴木敏夫さんが「あまりにも内容が地味すぎるし、宮崎さんの年齢的にも今は活劇映画を作るべきだ」と猛反対。その代わりとして提案したのがもののけ姫だったのですよ。

元々『もののけ姫』は、『ルパン三世 カリオストロの城』の次回作として宮崎監督が考えた初のオリジナル企画で、宮崎さん自身も非常に力を入れていました。しかし、当時は「宮崎駿」の知名度は無きに等しく、様々なテレビ局や映画会社に売り込んでみたものの、「こんな映画、ヒットするわけないだろ」と全く相手にされなかったそうです。

でも鈴木さんは、「『紅の豚』が大ヒットした今ならネームバリューも高まっているし、絶対に勝算があるはずだ」と考え、必死で宮崎さんを説得しました。結局、悩んだ末に宮崎監督も鈴木さんの提案に従ったのですが、それでも『毛虫のボロ』を諦め切れなかったらしく、その後も企画書をまとめ直していたとのこと。そんなこんなで20年以上が経過した現在、ようやく念願の映画に取りかかれることになったわけです。

しかし、宮崎さんが引退宣言した後、ジブリのスタッフは解散し、今はスタジオにアニメーターがいません。宮崎監督が新作アニメを作っていた頃は、全体で300名を超える社員が在籍していたのですが、”宮崎駿の後継者的な人材”は現れず、『思い出のマーニー』制作終了後に制作部門は解体。ただし、ジブリを去ったアニメーターはその後、他社の作品でも目覚ましい活躍を見せています。

特に、新海誠監督の君の名は。では作画監督安藤雅司さんを筆頭に、黄瀬和哉さん、橋本敬史さん、稲村武志さん、田中敦子さん、賀川愛さん、井上鋭さん、本間晃さん、箕輪博子さん、廣田俊輔さんなど、過去にジブリ作品に関わったベテラン・アニメーターたちが多数参加し、その見事な作画技術が話題となりました(『君の名は。』には元ジブリの動画マンも多く関わっているらしい)。

でも、そういう凄腕アニメーターを全員手放してしまったせいで、今のジブリは手描きアニメを作れる環境ではなくなってしまいました。そこで鈴木さんは「CGで作ったらどうですか?」と勧めたそうです。ただ、宮崎さんとしてはCGで作ったキャラクターがどういう動きになるのか分からない。

ここで登場するのが、CGディレクターの櫻木優平さん。過去に岩井俊二監督の『花とアリス殺人事件』や『009 RE:CYBORG』などに関わり、自身もCGアニメの監督を務めるなど、CGに関してはエキスパートだそうです(ちなみに凄いイケメン…つーか美形ですねw)。


そんな櫻木さんがジブリへやって来て、フルCGで作った『毛虫のボロ』を宮崎監督に見せることになりました。いや〜、これは緊張したでしょうねえ。なんせ相手は世界の巨匠:宮崎駿。長年、一枚一枚の絵を自分の手で描き続けてきた宮崎さんですから、「ふざけるなッ!人の心を感動させられるのは手描きのアニメだけだ!お前はアニメのことを何もわかっていないッ!」と海原雄山ばりに激怒する可能性もあるわけですよ(無い)。

ところが意外や意外。CGで作られた毛虫の動きを見て、「なるほど、面白いね」と満更でもなさそうな反応を見せているじゃありませんか!特に、毛が一本一本自然に動いている様子に感心し、「これは空気抵抗とか全部計算して処理してます」と説明されると、「はあ〜、さっぱり分からん(苦笑)」「でも凄いね!」とかなり気に入った様子。

こうして、短編アニメをCGで作ることに決めた宮崎さん。最初は出来あがっていくCGを珍しそうに見ていたので順調にいくのかと思いきや、案の定、次第にこだわりが炸裂し出します。特に、生まれたばかりのボロが初めて世界を見回す冒頭シーンが気に入らないらしく、容赦ないダメ出しが次々と(笑)。

「振り向き方が大人になってる」「こんなに”キッ”と向かない」とダメな個所を指摘しますが、微妙なニュアンスが上手く伝わりません。自分で原画を描いて「こういう動きにして欲しい」とスタッフに見せても、CGに変換する過程でそのニュアンスが失われてしまうのです。

しまいには、宮崎監督が自らタブレットを使ってCGを修正し始める始末。でも、使い方が分からないので「あれ?画面が真っ赤になっちゃったぞ?」とアタフタしまくり(笑)。この辺を見てて思ったんですけど、もう宮崎さんが手描きで全部描いた方が早いんじゃないですかね?


原画を自分で描いて、動画はどこかに外注して、その他の工程をデジタルで処理すれば、12分ぐらいの短編なら十分に作れそうな気がするんだけど。新海誠監督は25分のアニメをたった一人で作ったわけだし、宮崎監督なら余裕じゃないのかなあ。

そんな感じで、もどかしい気持ちを抱えたまま何度も何度も修正を繰り返し、CGディレクターの櫻木優平さんやスタッフたちは宮崎さんの要望に応えようと頑張って作業を続けていました。しかし、とうとう櫻木さんが体調を崩して病院へ…。宮崎さんは「気の病です」とか言ってるけど、あんたのせいやろ(笑)。

まあ、幸い櫻木さんはすぐに現場へ復帰したようですが、毎日宮崎監督から厳しい指導を受けるスタッフたちのストレスは相当なものだったでしょうねえ(苦笑)。そんなある日、「IT企業でCGを開発している人たち」がやって来ました。そして、ドワンゴ会長の川上量生さんが宮崎さんの前でプレゼンを始めたのです。

それは、「人工知能で行動を学習させたキャラクターが画面の中を動きまくる」というもので、非常に不気味なキャラが映し出されていました。川上さんは「この動きが気持ち悪いんで、ゾンビゲームの動きに使えるんじゃないか」などと得意げに解説してるんですけど、それを見ている宮崎さんの表情がどんどん曇ってきて…。そして、ついに宮崎さんの怒りが爆発!

「僕には身体障害者の友人がいるんですよ。体の筋肉がこわばってて、ハイタッチするだけでも大変なんです。その彼のことを思い出してね。僕は、これを面白いと思って見ることができないですよ。これを作ってる人たちは、痛みとか何も考えないでやってるでしょう?極めて不愉快ですよね。そんなに気持ち悪いものをやりたいなら、勝手にやっていればいいだけで、僕はこれを自分たちの仕事と繋げたいとは全然思いません。極めて、何か生命に対する侮辱を感じます!」


そして、このシーンがテレビで放送されるとネットを中心に物議を醸しました。「あれしきのことで怒るなんて大人げない」「人として無礼だ」などと批判する人や、「自分が不愉快だと感じたものをハッキリ伝えただけで、宮崎さんは何も間違っていない」「さすが俺たちのパヤオさんや!」などと称賛する人まで、様々な意見が飛び出したようです。




なお、個人的にこの場面を見て思ったのは、「どうしてこんな映像を宮崎駿に見せようと思ったんだろう?」ってことでした。宮崎さんが言っているように、「気持ち悪いもの(ゾンビゲーム)をやりたいなら勝手にやればいい」だけの話で、わざわざ宮崎監督に見せる意味が分かりません。

ましてや、川上さんは鈴木敏夫さんのところへ「プロデューサー見習い」として弟子入りしていて、普段から宮崎監督に接する機会が多いはずなのです。であれば「どういう対応をすると宮崎さんの機嫌が悪くなるか」ということも推測できそうなのに…。などと疑問に思っていたら、なんと川上量生さんがネットに記事を投下、「この時の状況を詳しく解説する」という前代未聞の事態が勃発したのですよ。すげえ!


めっちゃ怒られているのがテレビで放送されてしまった


この記事を読むと、宮崎監督にあのCGを見せた理由は、「CGの世界でどういう技術が開発されようとしているかを知って欲しかったから」だそうです。もしかすると鈴木さんか、あるいはスタッフの誰かから、「今、宮崎さんがCGアニメを作っていて非常に悩んでいる」みたいな話を聞いたのかもしれません。

そこで、「何らかのヒントや刺激になれば…」という気持ちと、さらに「否定的な反応だろうというのは事前から予測して…」とも書いてあるので、どうやら「怒られることを覚悟した上で、敢えてあのゾンビ映像を宮崎監督に見せたのだ」ってことらしい。

なるほど、そういう事情なら理解できなくもないですね。ただ映像では、宮崎監督に怒られた川上さんがもの凄く困って動揺してるように見えるんですけど、事前に予測していたなら、どうしてあそこまで困った表情になっていたのでしょうか?川上さんは以下のようにコメント↓

想定していたよりも、かなり、めちゃくちゃ怒られた。


なんと、”宮崎監督の怒り”が川上会長の想定を遥かに上回ってた!そりゃあんな顔になるわ(笑)。しかも、放送では短くカットされていますが、どうやら現場ではもっと長く宮崎さんから説教を食らっていたようです。う〜ん、良かれと思ってやったことが、まさかこんな結果になってしまうとは…(^_^;)

ところが、この一件の後、どうやら宮崎監督の中で何らかの変化が起こったらしく、ある日、鈴木さんのところにやって来て一つの企画書を差し出しました。その表紙には「長編企画」の文字が…!うわあああ!ついに宮崎監督が新作アニメーション映画を作る気になったの!?もしかして川上さんの件も「計画通り」だったりして(笑)。


宮崎監督が復帰する気になったのは、意外と川上さんのおかげかも(笑)。ただし、そのスケジュールを良く見ると、2017年の6月頃までには絵コンテを完成させて、2019年の前半には公開するという、かなり厳しい計画になっているようですが…。しかもCGじゃなくて「手描きでやる」との文字まで!あんなにスタッフを働かせておいて、結局、CG使わないのかよ!さすが宮崎さんだなあ(笑)。

というわけで、この放送直後には「宮崎駿監督、長編アニメ制作に復帰か?」と話題沸騰。もし事実であれば2013年の引退宣言を撤回することになるわけで、「わざわざ記者会見まで開いたのに、あの時の発言は何だったんだ?」と言わざるを得ませんが、個人的には観てみたいというか、公開されたら絶対に観るでしょう。たとえ「辞める辞める詐欺」と言われても、いつまでも映画を作り続けていただきたいと思います(^_^)


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