どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。
いや〜、相変わらずシンゴジラの勢いは凄いですねえ。ふと気づけば新海誠監督の『君の名は。』がもっと凄い勢いで迫って来てますけど(笑)、累計興収60億円を突破し、公開後1ヶ月以上が経過しているのに、いまだに劇場が満席に近く、全国で「発声可能上映」を実施するなど、ファンの関心が一向に衰える気配を見せてないのが凄すぎる!
そんな『シン・ゴジラ』ですが、現在、書店で発売中のテレビ情報誌「TVブロス」(9月10日号)にて、『攻殻機動隊』等でお馴染みの映画監督の押井守さんが、大ヒット公開中の本作を観て感想を語ったとのことで、そのロング・インタビューが掲載されていました。
しかも、知人でもある庵野秀明監督について、「庵野はこういう人間だ!」「あいつは○○○の○○なんだよ!」と独自の視点で鋭く分析・評価するなど、非常に面白い発言が載っていたので、思わず購入してしまいましたよ(笑)。
果たして、押井守監督は『シン・ゴジラ』をどのように評価しているのでしょうか?そして庵野秀明総監督のことをどう思っているのでしょうか?以下、ざっくり記事の内容をご紹介します。
さて、押井守監督といえば、自他共に認める映画マニアで、日頃から映画に関する蘊蓄を語りまくっていることでも有名です。そんな押井監督が『シン・ゴジラ』について語るとなれば、さぞかし厳しい意見を述べているのだろう……と思いきや、意外と高評価でビックリ!
珍しくちゃんと出来た映画だった、という点では褒めてるよ。最近の日本映画の中では、まるで奇跡のようにちゃんと出来た映画だとは思ったから。
(「TVブロス」のインタビューより)
こんな感じで、「とにかく脚本が良く書けている」とベタ褒め!「あれだけ大勢の登場人物がいるのに、無駄なキャラは一人もいない。これは本当に素晴らしいことだ」などと大絶賛しています。
キャスティングについても「今、日本映画に出ているおっさん役者のメインどころはほとんど出てるんじゃない?僕に言わせれば、本当に豪華な顔合わせ。こんなことが出来ている日本映画なんて他にはないよ」と褒める褒める(笑)。
さらに良かった点として、「ゴジラの方に全く感情移入してないところ」を上げていました。なぜなら「怪獣側に感情移入するドラマを作ったことが、日本の怪獣映画をダメにした最大の理由なんだから!」と過去の怪獣映画を全否定(笑)。
それに対して『シン・ゴジラ』は、「初めて日本にゴジラが現れ、それに国家がどう対応するのか?」という物語になっています。なので押井監督は、「庵野が作った『シン・ゴジラ』は初代『ゴジラ』(1954年)の正当なリメイク。だからいいんだよ」と全肯定していました。
他にも、「びっくりするぐらい真っ当に作られている映画だ。僕に言わせれば『ゴジラ』をリメイクするなら、もうこれしかないだろうと言うぐらいだよ」など、称賛コメントが止まりません。う〜ん、これはちょっと意外でしたねえ。まさか押井守監督がこんなに他人の映画を、それも「同業者であり知り合いでもある庵野秀明」の作品をここまで褒めちぎるとは…。
だがしかし!
それは押井守の罠でした(笑)。最初から貶すのではなく、一旦持ち上げておいて、その後に高いところから一気に落とすという、相手により大きなダメージを与えるための巧妙な罠(笑)。というわけで、ここから批判がスタート!
押井監督に言わせると、「『シン・ゴジラ』は仕上げが全然ダメ」なんだそうです。特に酷いのが”音響”で、「一番の見せ場で流れる音楽が全部、伊福部昭なのは有り得ない。その音源はモノラルしかないから、途端に音域が狭まってスクリーンの前からしか音が聴こえて来なくなる」と鋭く指摘。
また、今回の『シン・ゴジラ』で庵野さんは総監督・脚本・編集以外にも、音響設計・コンセプトデザイン・画像設計・画コンテ・タイトルロゴデザイン・プリヴィズ企画・撮影・録音・予告編演出・宣伝監修・ポスター/チラシデザインなど、もの凄く多岐にわたって活躍しています。
しかし、そんな庵野さんの活躍ぶりに対して、「監督というものは監督としてだけクレジットされるのが理想で、他はその道のプロにまかせればいいんだよ」「色んなところに監督の名前がクレジットされるのは、映画としては大変よろしくない」と痛烈に批判!
さらに、実写だけでなく”アニメ監督”としての庵野さんにまで苦言を呈するなど、押井さんの容赦ないダメ出しは止まりません。「『エヴァ』をやってる時だって、日本の特Aクラスのアニメーターが素晴らしい原画を描いてるのに、その画を庵野が自分で修正しちゃうんだよ」と『エヴァンゲリオン』制作時の裏事情まで暴露する有様(笑)。
宮さん(宮崎駿)が紙を乗っけると(修正すると)確実にクオリティがアップするけど、庵野は反対。どんどん下がっていく。だって、アニメーターのレベル、どちらが高いかって、特Aに決まってるんだから。
というわけで、前半は褒めて後半は酷評だらけの「押井守『シン・ゴジラ』レビュー」だったわけですが、最終的に押井さんは庵野さんのことを「コピーの天才」と評しています。「『シン・ゴジラ』は、レイアウトからテーマに至るまで全てが何らかのコピーで出来ている」「初代『ゴジラ』と同じレイアウトが山ほど出て来るし、岡本喜八の『日本のいちばん長い日』とか、数え出したらきりがない」「彼はコピーの天才なんだよ」とのこと。
一応、言っておくけど、否定的な意味じゃなくて、客観的にそうだと言ってるだけだからね。その反射する能力は天下一品である、ということ。コピーの天才であるだけで、本当にたいしたもんだと思うよ。
結局、庵野さんのことを褒めているのか貶しているのか良く分かりませんけど(笑)、少なくとも押井監督の目から見て『シン・ゴジラ』は「非常にいい映画」だったようですね(^_^)
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