昨日、「開運!なんでも鑑定団」を見ていると中子真治が出ていた。中子真治と言えば知る人ぞ知る映画ジャーナリストであり、著書に『SFXの世界』や『SFX映画の時代』や『ぜんぶスター・ウォーズ』など、いわゆる80年代の“特撮映画”に関する記事を数多く書いていた人物だ。
僕も子供の頃、中子さんの本を読み漁り、勉強もしないで(笑)ミニチュアとか合成とかのSFX知識を次々と蓄えていったのである。ちなみに、上記に挙げた本はいまだに全部持ってます(笑)。
当時のSF映画は現在と違ってCGなどという便利なものは無く、全て実写で再現するしかなかった。つまり、フィルムとして映し出されたものは確実にそこに“存在”しているワケで、それはまさに“魔法”としか呼べない衝撃映像だったのである。
『スター・ウォーズ』を観て「うわあああ、いったいどうやって撮ったの!?」と度肝を抜かれ、必死になってSFXの秘密を解き明かそうとしたものだ。
そういう意味で、最近の映画は確かに物凄いヴィジュアルだが、そういった“驚き”は無くなってしまったように思う。『エピソード3』を観て「凄いCGだなあ」と感心しても、「どうやって作ったんだろう?」という興味は全く湧いてこない。
モニターの中だけにしか存在しない、実態の無いメカやキャラクターに感情移入することは難しい。どんな映像でもコンピューターで表現できるようになった代わりに、もう昔のようなエモーションを感じる事は出来なくなってしまったのである。
「フルCGのヨーダ」を見た時、確かに興奮はしたけれど、同時に「フランク・オズのヨーダ」を懐かしく思い出していた。ある意味仕方が無い事とはいえ、何だかちょっと寂しいなあ。
などと感慨に耽りながら番組を見ていると、なんと『ターミネーター』に出ていたエンド・スケルトンの実物大プロップが出品されているではないか!しかも、レプリカではなく本物だ!
どうやら、中子さんは映画ジャーナリストを引退した後、地元岐阜県の下呂温泉で旅館を経営しているらしく、日本にスタン・ウィンストンを招いた時に、このエンド・スケルトンを譲り受けたらしい。
気になるお値段はなんと1500万円!ライト・セーバーの2300万円と比べるとやや安い気がするが、立派なコレクターズアイテムと言えよう(と言うか、実際に売りに出したら絶対に2000万円以上の値がつくと思うぞ)。
これにはさすがの鑑定師たちも、「日本の下呂温泉にターミネーターの本物があるなんて、ハリウッドでも誰も知らないんじゃないのか?」と仰天していた。恐らく、ジェームズ・キャメロンも知らないハズだ(笑)。ちなみに、『パイレーツ・オブ・カリビアン』でジョニー・デップが着ていた衣装は195万円ナリ。意外と安い?