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ぶっ飛びSFアクション!『女子高生ロボット戦争』映画感想

女子高生ロボット戦争

■あらすじ『ブリトニーとアリーは小学校からの親友同士で、同じ高校に進学してからも変わらなかった。そして、ブリトニーは天才的な頭脳、アリーは運動神経抜群の身体能力と、それぞれ人並みはずれた才能を持ち合わせていたのだ。二人は親友であると同時に、お互いの才能を尊敬し合っていた。そんなある日、キュートなハンサムボーイのクリスが転校してきたことによって二人の友情に亀裂が入ってしまう。クリスに一目惚れしてしまったブリトニーに、恋の相談を受けたアリー。しかし、アリーもまたクリスに一目惚れしていたのだ。そして、二人のクリスに対する猛烈なアピール合戦が始まる。さらにはお互いの才能を駆使し、恋のライバルのジャマをし始めた。ブリトニーは巨大ロボットを出撃させ、アリーは得意のカンフーで対抗。ついに、学校中を巻き込んだ大戦争が勃発してしまった!二人の恋の行方はいったいどうなる!?キーワードは「恋」と「友情」と「巨大ロボ」!乙女の恋路を邪魔する者は、ミサイル標的ロック・オン!アルバトロス・コアが贈る、超スペクタクル・ロボットアクション・青春学園ブコメディ!!!!!



「なんて頭の悪そうなタイトルなんだ!」
レンタルビデオ屋でこのパッケージを見つけた時は我が目を疑ってしまった。「女子高生」と「ロボット」という、オタクのハートを鷲づかみにするような2大キーワードをそのまんまくっつけただけの、シンプルかつ身も蓋も無いタイトルに思わず立ちくらみが(笑)。

『Xtracurricular(特別授業)』という原題の痕跡は影も形も存在しないが、タダゴトではないネーミングセンスにド肝を抜かれる事間違い無し。もしかすると、このタイトルを考えた人はもの凄い逸材なのかもしれないが、残念ながらその才能が何に生かせるのかは見当もつかない。

しかも、パッケージの写真を見てさらに仰天!メガネを掛けたかわいい女子高生がザクのような巨大ロボットをリモコンで操縦し、バックには大量のミサイルが縦横無尽に飛び回っている!もう、このタイトルとパッケージだけで既に十分過ぎるほど危険な香りが漂っているのだが、こんな美味しそうな“ネタ”を見つけてしまっては観ないわけにはいかんだろう(笑)。というわけで、危険を承知であえて借りてしまった(自ら地雷を踏みに行くにも等しい愚かな行為。危険なのでマネしないで下さいw)。

ストーリーは上記の通りなんだけど、キャラクターについて少し補足。まず、ブリトニーは優等生タイプの地味な女の子である。一応メガネっ娘なんだが、これも「萌え」の属性を満たしているんだろうか(笑)。そしてアリーの方は、カンフーからアメフトまで何でもこなすスポーツ万能少女で、ブリトニーとは全く正反対のキャラ設定となっている。

しかし、だからこそ親友でいられるというのは実際に良くある話。この2人が美少年クリスをめぐって壮絶な恋愛バトルを繰り広げるワケだが、基本的には「天才少女ブリトニーが、自分で発明した色んな道具を使ってアリーの邪魔をする」という展開だ。

最大の見所は、ブリトニーがバズーカ砲や小型ミサイルランチャーなどの最新兵器を駆使して、学校中を破壊しまくるクライマックスであろう。2人の女子高生の壮絶なバトルによって、どんどん校舎がボロボロにされていくのだから凄まじい。挙句の果てには、校長先生の顔面にも飛んできたミサイルが直撃する(死にませんが)。

しかし、残念なのは肝心の巨大ロボットがほとんど登場しないという事だ。やっと出てきたと思ったら、一撃でアリーにぶっ壊されてされてしまうのである(アリー強過ぎ!)。しかも、パッケージのロボットはザクぐらいでかいけど、実際はパトレイバー程度の大きさしかないんだよね。もちろんパッケージに映っている「学校を破壊するロボット」という描写も無い。タイトルに“ロボット”と入れるんなら、もっとロボットを出してくれよ〜。

と、ここまで書いて気付いたんだけど、これってプロジェクトA子』にそっくりじゃん!プロジェクトA子』とは、もちろんジャッキー・チェンの映画とは何の関係もなくて、1986年に公開されたパロディ・ギャグ満載の劇場用長編アニメーションである。

西島克彦もりやまゆうじのタッグが贈るこの映画は、元祖ドタバタアクションアニメというだけでなく、緻密な銃火器系の描写や細かい設定など、創り手のパワーを存分に感じさせる作品としていまだに評価が高い(この劇場用作品のあとオリジナルビデオ作品として続編数本も作られた)。ちなみに、キャッチフレーズは「時代は今、天下無敵の女子高生!」。う〜ん、かっこいい!

『女子高生ロボット戦争』のキャラクターは、明らかにこの『プロジェクトA子』を意識している。パワー全開のアリーはA子で、様々な武器を使うブリトニーはB子、ということはクリスがC子!?ミサイルを発射する描写や巨大ロボットなども完全にパクっているとしか思えん。でも、どうせパクるなら巨大な宇宙船も登場させて欲しかったなあ。

さて総合評価としては、ふざけたタイトル同様、“猛烈にくだらない映画”だと言うしかない。飛び交うミサイルや、闘うロボットや、カンフーアクションなど面白そうな要素はたくさんあるのに、どれも中途半端に終わっている。

どうせバカバカしい事をやるなら、もっと徹底的にハチャメチャな展開にした方が、絶対面白い映画になっただろうに。出演者の熱演がストーリーのアホらしさをさらに強調しているのも、残念な結果だと言わざるを得ない。まあ、大体想像通りの内容だったので、ある意味“観る者の期待を裏切らない駄作”と言えるかもしれないが(笑)。

ところで、こんなバカバカしい映画を堂々と売っている「アルバトロス」とは、一体どんな会社なんだ?と思って調べてみたら、さらに驚愕の事実が発覚!なんと、『女子高生チェーンソー』とか『チアリーダー忍者』とか、正気を疑うようなタイトルばかりがズラリと並んでいるのだ!

チアリーダー」と「忍者」という、全く接点の無いキーワードを無理やりドッキングさせた規格外のタイトルに震撼させられる。どんなストーリーなのかは想像もつかないが、観たら確実に後悔しそうだ(笑)。どうやら、『女子高生ロボット戦争』はこの会社が企画した“女子高生シリーズ”の中の一本だったらしい。どんなシリーズなんだよ!?