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香港映画『BLACK CAT黒い女豹』感想

BLACK CAT黒い女豹

■あらすじ『米国地方都市の郊外。キャサリン(ジェイド・リョン)は国道沿いの停留所でトラブルを起し、警官を撃ち殺してしまう。逮捕された彼女は、留置所でも法廷でも暴れまくるが、CIAはその凄まじい闘争本能に目をつけた。CIAの手を逃れようとまたもや乱闘を起すキャサリンだったが、力つきた彼女はCIAに連行され、頭の中に潜在能力を引き出すマイクロ・チップを埋め込まれる。上司アレン(サイモン・ヤム)から特殊訓練を受けた彼女は、“ブラックキャット”というコードネームの殺人マシーンとなり、法の網目をくぐるテロリストたちを抹殺する任務を与えられた。“美しき暗殺者”と化したキャサリンの壮絶な闘いが今、始まった!』



この映画を一言で言えば香港版『ニキータである。世界中で大ヒットしたリュック・ベッソン監督の『ニキータ』は、ハリウッド版の『アサシン』をはじめとして各国でリメイク版が作られたが、『BLACK CAT黒い女豹』は香港でリメイクされた映画なのだ。ただし、全く許可を取らず勝手に作ってますが(笑)

元ネタ『ニキータ』のベニス旅行のシーン(恋人と訪れたベニスでニキータは殺人の指令をうけ、バスルームから標的を撃つ)が、この映画では日本旅行になっていて、温泉につかりながら標的を殺す、というシーンに変更されている。

しかも、実際に日本ロケしているのだ。いささかチープではあるものの、「パクるならとことんパクれ!」と言わんばかりに、ストーリー展開は見事なまでに『ニキータ』そっくり。さすが香港、実に気合の入った盗作行為だ(いやダメだろw)

主演のジェイド・リョンは、ファッションモデル出身で、三ヵ月の特訓でこのキャサリン役をものにした。製作元のD&Bは、当時バレーリーナ出身で今や世界一のアクション女優となったミシェル・ヨーを売り出していたが、ジェイド・リョンはミシェルに次ぐアクション女優として、この映画のオーディションで映画界入りを果たしたのである。

ニキータ』に比べるとストーリーもキャラクターの描き込みも大雑把ではあるものの、ジェイド・リョンの存在感は十分で、この映画で彼女は第11回香港電影金像奬の最優秀新人賞を受賞した(この賞で候補になっていた一人が、『ザ・ミッション 非情の掟』の主演のひとりジャッキー・ルイ。作品は『拳王』)。 また、オリジナルでチェッキー・カリョが演じていたヒロインの師の役を、サイモン・ヤムが好演している点も見逃せない。

ちなみにこの映画、香港では結構人気があったらしく、パート2が作られている。そのサブタイトルはエリツィン暗殺指令」(時代を感じるなあ)。ただし、一作目が「香港版ニキータ」だったのに対し、二作目は「香港版女ロボコップになっている所が最大の変更点だろう。

前作で重傷を負った彼女は、再びCIAによって大掛かりな改造手術を受ける。その結果、“不死身のサイボーグ戦士”として甦る事になったのだ。目にも止まらぬスピードでパンチやキックを繰り出して悪人どもをなぎ倒すキャサリン

さらに、驚異的な跳躍力で高いビルもひとっ飛び!この為、前作よりも“アクション性”は高まったものの、“人間性”は逆に薄まってしまった。彼女の視点も『ターミネーター』のような“モニター表示”になっており、もはや完全に人間ではない。

挙句の果てに、リモコン操作で彼女は機能停止してしまうのである(サイボーグと言うよりロボットだ)。話の面白さでは、やはり一作目の方に軍配が上がると思う。しかし、どっちにしてもこんな映画誰も知らないだろうなあ(苦笑)