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『ゼブラーマン』映画感想

ゼブラーマン

■あらすじ『市川新市(哀川翔)は、児童から醒めた目で見られ、家庭は崩壊気味の小学校教師だ。唯一の楽しみは、昔7話だけテレビ放映された特撮ヒーロー「ゼブラーマン」のコスチュームを着ること。その格好でこっそり街へ出たある夜、新市は偶然出会った怪しい男と乱闘に。「こいつはいったい何者なんだ?」実は、人間に寄生した宇宙人が地球侵略を目論んでおり、新市が倒したのはその宇宙人だったのだ。やがて新市は、本物のヒーローとしてエイリアンに立ち向かうことになる!Vシネマの帝王:哀川翔が、記念すべき主演100本目の作品として挑んだのは、なんと被り物ヒーロー映画だった!監督に三池崇史、脚本に宮藤官九郎という、組むべくして組んだ2人の売れっ子が、哀川翔の魅力を存分に引き出した新感覚エンターテイメント!』



いや〜凄い映画です。あの哀川翔“シマウマ男”になっちゃってるんですから、タダ事ではありません。でも監督があの三池崇史と聞いて納得しました。というより、三池監督作品としてはむしろ「かなり普通な映画」と言ってもいいぐらいです。

「信じれば必ず願いは叶う」という王道パターンを時にシュールに、時にピュアに、正々堂々と描き切った“正統派エンターテイメント”と言えるでしょう。脇を固める俳優たちや、ちょっとだけ顔を出すゲスト出演者たちも、豪華なメンツがずらりと揃っていて楽しめます。難点はテンポがやや遅いという事でしょうか。特に、前半の展開が妙に間延びしているのが気になりました。

しかし、後半に突入してからは一気にドラマが加速します。特に、宇宙人につかまった子供を助ける為に、ゼブラーマンに変身するクライマックスは圧巻です。体が光った瞬間、マントを「ズバババ!」とひるがえしながらジャンプし、地面に着地してキメポーズを取るゼブラーマンのなんたるかっこ良さ!これぞ特撮ヒーローモノのカタルシス!大げさにバサバサと動くマントが、アメコミ映画の『スポーン』を彷彿とさせます。

そして、ゼブラーマンのコスチューム自体もかなりアメコミ映画を意識していると思われ、クールなデザインが素晴らしい。また、ゼブラーマンの見事なアクション・シーンも見所の一つと言えるでしょう。哀川翔本人がほぼ全てのアクションを演じたという事で、相当の気合を感じさせます(しかし、顔が見えないのだからスタントマンでも同じじゃないの?という気もしないではありませんが)。

そして全編を埋め尽くすCGの嵐にも圧倒されました。特に戦闘シーンにおけるエフェクト効果のかっこ良さは尋常ではありません。三池監督作品には、いつも本編とは不釣合いなほどの高度なCG技術が惜しげも無く投入されていて驚かされますが、『ゼブラーマン』も呆れるほどに贅沢なヴィジュアル・イメージが炸裂しています。

中でも、最後の“巨大宇宙人”を倒すシーンは必見です。いったいどうやってでかい敵を倒すのかと思ったら、まさかあんなモノが出てくるとは・・・常人には思いもよらない前代未聞の必殺技に目が点になりました。まったく、三池監督の人間離れした発想力には感服するしかありません。

全編を支配するナンセンスな雰囲気と、ワケの分からないキャラクターたちになじめない人もいるかもしれませんが、コレが三池映画のテイストなのです。頭をカラッポにしてご鑑賞ください。ちなみに最もインパクトもあるキャラクターは、ゼブラーマンでも怪人でもなく、ゼブラーナースです。

巨乳を思い切り強調したセクシーなコスチュームに身を包み、無意味にフェロモンを撒き散らすゼブラーナース。はっきり言ってストーリーに全く関係ありませんが、こんな役を堂々と演じ切る鈴木京香の恐るべき女優魂には脱帽せざるを得ませんでした。いくらなんでもエロ過ぎます。