ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

キアヌ・リーブス主演『コンスタンティン』ネタバレ映画感想

コンスタンティン

■あらすじ『悪魔を見分ける特殊能力を持ったジョン・コンスタンティンキアヌ・リーブス)は、人間界に潜む悪魔を地獄へ送り返し続けている。だがその体は末期ガンに冒され、余命は1年。ある日、悪魔祓いの最中に不穏な空気を感じたジョンは、地上を成立させている天国と地獄の均衡が崩れかけていることを知った。同じ頃、妹の自殺に不審を抱く女刑事アンジェラ(レイチェル・ワイズ)が、ジョンに協力を依頼。妹イザベルの手首には、サタンの子ルシファーの印が刻まれていたのだ。天使・悪魔・人間の壮絶な戦いが幕を開ける…!』



映画『コンスタンティン』の原作は1988年から連載が始まったDCコミックスの漫画『ヘルブレイザー』だが、内容は全く異なっている。映画版のコンスタンティンは神の庇護のもとにパワーを行使する”白魔術師”。しかし『ヘルブレイザー』の主人公は悪魔や呪いのパワーを源とする”黒魔術師”なのだ。

さらに、原作のコンスタンティンリヴァプール生まれでロンドン在住の”生粋のイギリス人”という設定である。なぜなら、この漫画はアメリカン・コミックでありながら、作者が英国人だったからだ。まあアメコミの作者がイギリス人というのは珍しくないが、ここまで英国的な内容にもかかわらず、アメリカで人気が高い漫画は他に例が無いだろう。

さて、映画版の冒頭、ある少女が悪霊に取り憑かれる。ベッドに縛り付けられたまま、激しく暴れまわる少女。困り果てた神父が呼び寄せた悪魔祓い師こそ、ジョン・コンスタンティンだった。このあたりの展開は、『エクソシスト』そのまんま。だが『コンスタンティン』が凄いのは、その悪魔を素手でぶん殴ってやっつけてしまうところである。

十字を切ったり、聖水を振り掛けたりといった従来の悪魔祓いとは一線を画す、非常にアクティブな(乱暴な)エクソシストなのだ。当然その戦闘シーンもド派手で、様々な“神がかりアイテム”を駆使して襲い来る悪魔どもを片っ端からブチのめしていく!

火炎放射器のように炎を吹き上げる”ドラゴンの息”。十字架と銃をドッキングさせた”聖なるショットガン”。そして「父と子と精霊の御名において」と刻印された”純金のメリケンサック”など、見た目にもカッコいいアイテムが満載だ。


「アーメン!」と叫びながらメリケンサックで悪魔をボコボコにどつき倒す姿は、どう見ても単なるヤンキーとしか思えない。だがヨレヨレのトレンチコートやだらしなく垂れ下がったネクタイといい、肺ガンと知りつつタバコをプカプカ吸いまくる図太い神経といい、既存のヒーロー像を大きく逸脱した独特のスタイルからは、”新世代のアンチ・ヒーロー”を強く感じさせる。

また、主人公以外のキャラクターもそれぞれ個性があって魅力的だ。マフィアのボスみたいに怪しさ満点なルシファー(ピーター・ストーメア)、なぜかビンテージ物のジーンズを履いているガブリエル(ティルダ・スウィントン)、意外と弱いバルサザール(ギャビン・ロスデイル)。特にバルサザールはコンスタンティンに「天国へ送ってやろうか!?」と脅されて、「それだけはカンベンして!」と尋常でないヘタレぶりを見せ付ける。

そして最大のポイントは、お色気担当のアンジェラ(レイチェル・ワイズ)だ。ただでさえセクシーなヒロインなのに、中盤以降は常に服が濡れていて下着がスケスケ状態という大サービスぶり!映画を観終わった後でも、レイチェルの黒いブラジャーが脳裏に焼きついて離れない。なんてこった!


逆に残念な点は、意外とスケール感が無かったということだろうか。せっかく悪魔王ルシファーや大天使ガブリエルまでが登場し、クライマックスでは神と悪魔が激突するという大風呂敷を広げているにもかかわらず、案外あっさりと終了してしまうのだ。物凄い大戦闘シーンを期待していた僕としては、ちょっとがっかり。

また、序盤から何度も思わせぶりに登場していた”運命の槍”(ロンギヌスの槍)も結局意外性の無い使用法で終わってしまい、「え、それだけ?」という感じでもったいない。さらに、全体的にテンポが遅い点も気になった。アクションよりも、オカルトとしての側面を強調した結果なのかもしれないが、この辺にもう少し工夫が欲しかったところだ。

しかし、終盤の二転三転するドラマの急展開ぶりは、なかなか見応えがあって面白い。天使や悪魔といった圧倒的に強大な力を持った連中を相手に、人間のコンスタンティンがいかなる方法でピンチを切り抜けるのか、まさに手に汗握る最大の見所と言えるだろう。絶体絶命の危機に追い詰められても、決してふてぶてしさを失わないコンスタンティンが実に天晴!

こうして、全ての問題が解決したコンスタンティンは、アンジェラと二人きりでいいムードになる。普通、こういう映画で若い男女が出てくれば、最後はキスの一つでもして終わるというのがセオリーだろう。だが『コンスタンティン』では1回もキスをしないで終わってしまうのだ。潔いまでのストイックさであり、こういうところにも作品の個性が表れていると思う。

そしてラストシーン、アンジェラと分かれて一人になったコンスタンティンは、おもむろにポケットから何かを取り出し、口に入れる。映画の冒頭からずっとタバコを吸っていたから「どうせまたタバコだろ」と思いきや、実はガムを噛んでいた!えええ!?つまりこの映画は、「肺ガンで死にかけていたヘビースモーカーの男が禁煙を決意するまでの物語」だったのである。意外と道徳的な話なんだなあ(^_^)

ちなみに、エンディングが終了した後でも油断してはいけない。もうひとつのエピソードが始まるからだ。コンスタンティンの助手を務めていたチャズ(シャイア・ラブーフ)は終盤で命を落とすが、なんとラストで天使となって甦るのだ。チャズの墓の上にライターを置き、静かに立ち去ろうとするコンスタンティン。すると、背中から翼を生やしたチャズが出現!


驚くコンステンティンに微笑みかけ、空高く舞い上がるチャズ。その姿を見て、少し嬉しそうな顔を見せる…という具合に、なかなか気の効いたエピローグになっている。映画『コンスタンティン』は、一見すると天使や悪魔と激しい戦いを繰り広げる荒唐無稽なアクション・ホラーと思われがちだが(確かにそういう内容だがw)、実はキャラクター一人一人を丁寧に描いた”いい映画”だったんだなあ。