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『ソードフィッシュ』ネタバレ映画感想

ソードフィッシュ

■あらすじ『引退した伝説の凄腕ハッカー:スタンリー(ヒュー・ジャックマン)の元に、ある日巨額金強盗の話が舞い込んだ。それは「麻薬取締局の極秘作戦で生じた95億ドルを奪う」、という話である。作戦名は“ソードフィッシュ”!スタンリーはジンジャー(ハル・ベリー)と名乗る謎の美女に誘われ、元モサドスペシャリストだったガブリエル(ジョン・トラボルタ)に会う事になった。やがてスタンリーは、ガブリエルの予測不可能な罠にはまっていく。「マトリックス」のジョエル・シルバーが贈る、驚異のVFXサイバー・アクション超大作!』



本作はジョエル・シルバードミニク・セナが組んだ、異色のテロ・アクションだ。映画が始まるといきなりワーナー・ブラザーズのロゴが上下にブレまくる。画面もノイズだらけで、何だか異常に画質が悪い。「うわ、何じゃこりゃ?海賊版DVDか!?」と一瞬焦るが、単なる演出効果である事が判明。おどかすな!

そしてカメラはジョン・トラボルタの顔をアップで映し出す。「『狼たちの午後』は最高だ。最近のハリウッド映画はつまらない」などと映画オタクみたいなうんちくを延々としゃべりまくる異常に長いシーンだが、実はここで話しているセリフはストーリーとほとんど関係が無い。しかし、このセリフは『ソードフィッシュ』という映画自体を暗示しているのだ。

長ゼリフが終わって画面が動くと、辺り一面警官だらけ!なんと人質を取って銀行へ立て篭もっていたのである。実はこの映画、ストーリーのクライマックスから物語が始まるという、とんでもない構成になっているのだ。そして、巻き起こる大爆発!爆死する人間の周りをカメラがぐるりと回りながら、建物の壁や車まで突き抜けて一回転するという、前代未聞の驚愕シーンだ。

マトリックス』の“ブレット・タイム”をさらに進化させた30秒にもおよぶ“マシンガン・ショット”は、600台のカメラを駆使して1.5秒を30秒に引き伸ばしたド迫力の爆発シーンである。まさに、観客の度肝を抜くには十分すぎるほどの壮絶なオープニングであると言えよう。

しかし出だしは何やらシリアスだが、スタンリーの冗談みたいなハッキングぶりや、トラボルタのマシンガン二挺撃ち、ラストのオチに至るまで、その派手さと強引さはまるっきりマンガである。この作品の凄いところは、ムチャな話を力技で乗り切ろうとした事だ。

「アレは何?それはどうして?」と観客が疑問を持つ前に次から次へと派手な仕掛けを繰り出して、考える隙を与えない。このあたりのテンポの良さは、さすがドミニク・セナである。勢いだけで最後まで押し切る強引な演出手腕は、見事としか言いようが無い。

中でも特筆すべきは、ハル・ベリーのおっぱいであろう。ヒュー・ジャックマンとの会話中に一瞬だけおっぱいを見せるのだが、ストーリー的な必然性は全く無い。噂によるとドミニク・セナが、「ギャラを100万ドル上乗せするから、おっぱい見せて♪」と三流ヌードカメラマンのようなくどき文句でこのシーンを撮影したらしい。片乳50万ドルか。つーかオスカー女優に、なんて事させるんだよ!


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ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-04-21)