ひたすら映画を観まくるブログ

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BSアニメ夜話『新造人間キャシャーン』

となりのトトロ

昨日録画しておいた『BSアニメ夜話』の、「新造人間キャシャーン」の回を見る。ゲストは元アニメーターの飯田史雄と大槻ケンジだ。飯田史雄といえば僕の中では「オネアミスの翼」の作画監督というイメージしか無かったのだが、タツノコ・プロ出身だとは知らなかった。

しかし彼が話の途中でタツノコの絵の特徴について解説し始めた時、いきなりスケッチブックにキャシャーンを描き出したのを見てぶったまげた。メチャクチャうまい!しかも速い!何の下書きもしていない白紙のスケッチブックに、見る見るうちにキャシャーンの顔が浮かび上がってくるのだ!

アニメーターってすげえなあ、と思っていたら横から北久保監督が「彼は特別ですから」とフォロー。なんでも、タツノコ出身のアニメーターは皆、伝統的に絵を描くのが速いらしい。

しかしそれ以上にド肝を抜かれたのが、大槻ケンジの仰天パフォーマンスだ。なんと番組中に、突然立ち上がってキャシャーンのオープニングを歌い始めたのである(しかもカラオケで)。この前のオナニー放送といい、NHKの暴走ぶりはもはや手の施しようが無いほどの勢いだ。大丈夫か、NHK!?

本日は『となりのトトロ』です。

舞台は昭和30年代の東京西部の山奥。今でも都内の秘境である。そんな山里に越してきた幼い姉妹サツキとメイとその家族の心温まる物語で、いまや説明不要の国民的名作アニメだ。

森の妖精トトロ、ネコバスなど、ファンタジックでキュートなキャラが子供たちのみならず、いい年こいたOLさん方にも大好評。今ではすっかりスタジオ・ジブリの顔になってしまった。時々無性に観たくなる、究極のファンタジー・アニメである。

ちなみに、庵野秀明監督はこの映画を観て、『トップをねらえ!』の声優に日高のり子を抜擢したそうだ(さらにちなみに、アメリカで公開されたトトロでは、サツキの声をダコタ・ファニングが演じている)。

当時僕は劇場で観たのだが、『トトロ』よりも泣き喚く子供と憔悴しきったお母さんの顔が鮮明に印象に残っている。原因は同時上映された『火垂るの墓』だ。高畑勲監督が今までのアニメ作品で培ってきたリアリズムの演出方法を徹底的に突き詰めた結果完成した、究極の戦争映画である。

多くの観客がこの映画を観て涙を流したのだが、大人と子供では泣く理由が異なっている。お母さんは二人の兄妹がかわいそうで泣いているのだが、子供はあまりにも映像が怖くて泣いているのだ。いったいなぜこの二本を併映にしたのか、理解に苦しむ。

片や究極のファンタジー、片や情け無用のリアリズム。別々に観るならいい映画なんだけど、二作品のギャップが激しすぎて、子供の理解力ではついていけないんじゃないだろうか?トラウマにならないか心配だ。絶対に「やってはいけない二本立て」だと思うぞ。