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『トップをねらえ!』劇場公開記念(制作エピソードまとめ)

トップをねらえ!

トップをねらえ!


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、昨日からTOHOシネマズ池袋やTOHOシネマズ梅田ほか全国の劇場で『新世紀エヴァンゲリオン』でお馴染みの庵野秀明さんのアニメーション監督デビュー作トップをねらえ!が公開されています。

トップをねらえ!』といえば1988年に発売されたOVAで、SF・巨大ロボット・美少女・スポ根・パロディなど様々な要素をぶち込んだ斬新なコンセプトが話題となり、アニメファンから絶大な支持を獲得しました。

本作は2006年に再編集&再アフレコし、続編の『トップをねらえ2!』と共に映画館で公開されたんですけど、今回の上映ではOVA版全6話をBlu-ray Boxのリマスター原版にて公開する模様。

ただし、音声はリマスター版の5.1chサラウンドではなく、1988年当時の2chオリジナル音声になるようで、その理由は「再アフレコした若本規夫さんの演技があまりにもコッテリしすぎているから」だそうです(笑)。

オオタコーチ役の若本さんは、88年の収録時点では渋くて落ち着きのある演技だったんですが、その後ナレーション等の仕事を重ねるうちにどんどんクセが強くなり、やがて「ぶるああぁぁぁ!」などとネットでネタにされるほど個性的な声になっていきました。

そして数年後に『トップをねらえ!』の再アフレコを行った際、収録現場で「どぅ~だい?俺の芝居、前よりも良くなっただろぉ~う?」とネットリした口調で話しかけてきた若本さんに対し、アマノカズミ役の佐久間レイさんは「私の好きなコーチはそんな人じゃなかったです!」と一喝したらしい(笑)。

というわけで本日は『トップをねらえ!』の制作にまつわるエピソードをいくつかまとめてみましたよ。


●キャラクターデザインは二転三転
トップをねらえ!』のキャラクターデザイナーは、当初は『エヴァンゲリオン』の貞本義行が担当する予定だったが諸般の事情で降板。その他、『幻夢戦記レダ』のいのまたむつみや『ガルフォース』の園田健一、『超音戦士ボーグマン』の菊池通隆などが候補に挙げられていた。

その中で、庵野監督は当時まだ新人だった菊池通隆を強く推していたものの、スポンサーのバンダイから「そんなヤツは知らん!」と一蹴されてしまい、結局『超時空要塞マクロス』の美樹本晴彦に決定したらしい(ちなみに原画で参加した貞本は「『王立宇宙軍』の直後だったので美樹本キャラがなかなか上手く描けなくて困った」とのこと)。


●音楽はパクリのオンパレード?
音楽を担当したのは『サクラ大戦』や『OVERMANキングゲイナー』のOPなどで有名な田中公平だが、「あんな屈辱的な仕事は生まれて初めてで、もう二度とやりたくない」と当時を振り返っている。いったい何があったのか?

実は、『トップをねらえ!』の音楽はほぼ全てが既存の楽曲をパク…いやマネしたものだったのだ。発注の仕方も特殊で、なんと庵野監督がヴァンゲリスの『炎のランナー』のテープを渡して「これと同じ曲を作ってください」などとオーダーしていたらしい。

もちろん、そのままパクるとまずい事になるので、「そっくりだけどちょっと違う音楽」を作るわけだが、聴き比べてみればどれぐらいそっくりか分かるだろう。

 

・『炎のランナー』(ヴァンゲリス

・『トップをねらえ!』(田中公平

 

ちなみに、第5話の「ノリコとお姉さま」の合体シーンで流れる『Fly High』は、当時、樋口真嗣が大ファンだった「うしろ髪ひかれ隊」(「おニャン子クラブ」から派生したユニット)の『ほらね、春がきた』という曲が元ネタらしい(こっちはあまり似てないがw)。


●オッパイに対するこだわりがすごい
庵野秀明は『トップをねらえ!』の制作において、「オッパイの描き分け」に強いこだわりを見せていた。「ユングは外国人なので巨乳!必ず乳輪をデカくすること!」など、一人一人のキャラクターに対して明確な指示を出し、「オッパイの動き」にも徹底したリアリティを求め、走ったり飛んだりした時に「自然な揺れ方」を実現するようアニメーターに要請した。

さらに、オッパイの形や大きさでキャラの違いを表現しようと本気で考えていた庵野監督は、企画会議の席上で「アニメのオッパイって全部同じ形になるじゃないですか?でもそんなはずはない!本当は一人一人オッパイの形は違うんですよ!それを表現しなきゃダメなんです!」と力説したらしい。

その様子を間近で見ていた樋口真嗣は「さすがに着眼点が違うなと思いましたね。なるほど、オッパイか…と。そりゃ普通の人は考えないわ(笑)」と感心したそうだ。なぜ庵野監督がここまでオッパイにこだわっていたのかは知る由もないが、驚くべき執着心と言えるだろう。


●アニメ界に衝撃を与えた「乳揺れ」
貞本義行といえば業界屈指の乳揺らしアニメーターとしてその名を轟かせた有名人で、『DAICONⅣ』でバニーガールの乳を揺らして以来、「乳を揺れさせたら右に出る者無し」という不動の地位を確立。その後も数々の作品で順調に乳を揺らし続け、以降のアニメシーンに絶大な影響を与えた”乳揺れのカリスマ”だ。

もちろん、『トップをねらえ!』でもその超絶的な乳揺れテクニックは如何なく発揮されており、第1話でノリコがブルンブルンと豪快にオッパイを揺らしながら歩いてくるカットはアニメ界全体に衝撃を与え、日本中のアニメファンの度肝を抜いた。

トップをねらえ!

トップをねらえ!

しかし、すっかり”おっぱいアニメーター”のレッテルを貼られてしまった貞本だが、本人は極めて不本意だという。「確かにあのシーンは僕が原画を描きましたが、歩けば胸ぐらい揺れるだろうという程度で、動きの指示も簡単にしか入れてなかったんですよ。でも、動画の人が凄くこだわって何度も修正してたので、その力が大きかったのかもしれません」とのこと。

また、当時の作画スタッフの中に現在”おっぱいアニメの第一人者”として名高いうるし原智志が参加していたことに関しても、「彼はそれまで普通のアニメーターだったんですが、あの頃から胸を動かすことに燃えるようになったそうです。おかげで、”人生を狂わせた張本人”みたいに責められましたよ(苦笑)」とのこと。色んな人に影響を与えてるなあ(笑)。


●演技指導も全力で
トップをねらえ!』は庵野秀明の商業アニメ初監督作品だったため、あらゆる部分において非常に気合いが入っている。というより、むしろ入り過ぎてしまったのだ。

通常、アニメのアフレコ作業は音響監督が現場を仕切り、監督は声優の演技に対してダイレクトに口出ししないものだが、庵野監督は録音スタジオの中まで入り込み、どんどん口出ししていったという。

ガンバスターが数々の必殺技を放つ場面では「ダブルバスターコレダァァァァァーッ!」などと日髙のり子の目の前で監督自ら模範演技を披露し、あまりにも本気で叫びすぎたせいで立ちくらみを起こして倒れそうになるほどだったらしい。

また、日高の方も全身全霊でタカヤノリコを演じ切り、収録が終わってスタジオから出て来た日高を見た川村万梨阿ユングフロイト役)は「のり子ちゃんの口からエクトプラズムが出ていた」と証言している。

トップをねらえ!

トップをねらえ!

なお、『トップをねらえ!』の収録が全て終わった後、庵野監督が『となりのトトロ』でサツキの声を担当していた日髙のり子に「宮崎さんは直接ダメ出ししてましたか?」と尋ねたところ、「宮崎監督はスタジオの中には入って来ません」「要件は全て音響監督さんを通して伝えられました」と答えたため、「え~!?直接言わないの!?」「しまったぁ!」とショックを受けていたらしい。


ヘアヌードがリアルすぎてアウト!
第2話「不敵!天才少女の挑戦!!」ではノリコやカズミが風呂に入っているシーンが出てくるのだが、なんとユングフロイトのヘアが丸見えになっている(金髪なのでブラシ処理)。これはおそらく日本のアニメーションで最初に表現されたヘアヌードと思われ、当時の業界関係者を驚愕させた。

さらに第5話「お願い!!愛に時間を!」では、ついにノリコまでがヘアヌードに!しかし実際の画面にはヘアは映っていない。実は、最初に完成した入浴シーンではヘアまでしっかり作画されていたのだが、「ヘア丸出しフィルム」を納品したところ、「いくらなんでもこれはマズいだろ!」とクレームがついてしまったのだ。当時のプロデューサーだった高梨実氏は以下のように語っている。

第5話は実際にヘアが描いてあるフィルムが納品されたんです。しかも、細部まで大変リアルに描きこまれていて、ノリコが湯船から立ち上がる時にヘアから風呂の水が滴り落ちるという描写までありました。しかし、当時は今とは基準が違っていたし、僕らの見解ではNGということになって修正をお願いしたんですが、そこで「こんなに闘争的にならなくてもいいんじゃないの?」というぐらい庵野さんと揉めたんですよ。初監督作品ですから力がこもっていたというのは分かるんですが、正直、あんなにヘアにこだわる人だとは思いませんでした(苦笑)。

このヘア有りバージョンは一度撮影されアフレコまで行われたものの、結局「使えない」と判断され、完成したフィルムでは作画からやり直したものに差し替えられてしまった。残念!


●ヤクザが激怒!逃げる樋口真嗣
トップをねらえ!』の全ての作業が完了した夜、庵野秀明樋口真嗣らスタッフたちは六本木で打ち上げを行った。それまでのストレスを吹き飛ばすかのように酒を飲みまくる樋口真嗣。その帰り、ベロベロに酔っぱらったスタッフの一人がいきなり路上に停めてあったベンツの上に乗って騒ぎ始めた。すると突然「何やっとんじゃゴルアァ!」と怒号が鳴り響き、怖いおっさんに追いかけられるという大事件が勃発!気が付くと樋口真嗣もスタッフと一緒に必死で逃げていたらしい、トホホ。

 

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