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『カメラを止めるな!』スピンオフ『ハリウッド大作戦!』の感想(ネタバレ)

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!』スピンオフ『ハリウッド大作戦!』

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

昨日、AbemaTVで『カメラを止めるな!』のスピンオフドラマ『ハリウッド大作戦!』が配信されました。

ザックリあらすじを説明すると「前作『ONE CUT OF THE DEAD』から半年後、ヒロインの千夏はアメリカへ渡り、ハリウッドが見えるレストランでウェイトレスをしていた。髪を金髪に染め、新しい人生を歩もうとしていた彼女だったが、またしてもゾンビに襲われて…」みたいな感じ。


※以下、『カメラを止めるな!』のネタバレがあります。未見の方はご注意ください!


さて、『カメ止め』を観た人ならだいたい想像がつくと思いますが、このスピンオフもドラマが二重構造になっています。

つまり、前半で『ONE CUT OF THE DEAD』の続きをワンカット長回しで見せ、後半で1か月前に遡り、監督や俳優やスタッフがどうやってこの映画を撮ったのか裏側を見せる、という構成です。

プロデューサーに再び無茶ぶりされた日暮監督(濱津隆之)が、「大丈夫かなあ…」と心配そうな表情を浮かべながらも仕事を引き受け、例によって現場が大混乱に陥るという、安定の”カメ止め展開”でした(笑)。

また出演者も、「よろしくで~す♪」でお馴染みの秋山ゆずき、日暮監督の奥さんのしゅはまはるみ、娘の真魚、自分で撮影したくて仕方がないカメラマン助手(浅森咲希奈)、適当なことしか言わないプロデューサー(大沢真一郎)など、『カメ止め』のキャラがほぼ全員再集結。

さらに、前半のワンカット映像で”フリ”を作り、「あれ?何か変だな…?」と観客に思わせ、後半でその違和感の正体を解明していくというパターンも一緒です。

そういう意味ではスピンオフというより、完全に『カメラを止めるな!』の続編であり、『カメ止め』の要素を1時間に凝縮した「ショート・バージョン」と言っていいでしょう。

「じゃあ、これを『カメ止め』のパート2として映画館で上映すればよかったんじゃないの?」

そう感じた人も多かったようです。実際、本作を2時間の映画として再構成し、『カメラを止めるな!2』として劇場公開すれば、それなりに話題になったかもしれません。

しかしその場合、おそらく『カメラを止めるな!』ほどのヒットにはならなかっただろうと思います。それはなぜか?

まず続編映画を作る場合、「前作でウケた要素」を必ず入れることが重要です。1作目のファンはそれを期待しているわけですから、「前作に登場したキャラを出す」「前作と似たような展開にする」等は必須条件でしょう。

でも、ストーリーをちょっと変えただけで「前作と同じキャラ」「前作と同じ展開」、そういう映画で観客は果たして満足できるのでしょうか?

例えば『シックス・センス』の続編を作るとして、あのラストから数年後のストーリーを、同じようなオチで描いたとしたら、それはちょっと厳しいんじゃないのかなと。なぜなら観客は『シックス・センス』がどういう映画かすでに知っているからです。

カメラを止めるな!』の場合も、「37分間のワンカット撮影」や「前半の伏線を後半で回収していくスタイル」や「様々なアクシデントに必死で立ち向かう撮影スタッフたちの姿」などを見て、観客は驚き感動したわけですから、その辺の要素は絶対に外せません。

とは言え、それらのフォーマット通りに続編を作ったら、すでに『カメ止め』を知っている人にとってはサプライズが無いわけで、「前作と同じものを期待しているが本当に同じ映画を作っても満足できない」というジレンマに陥ってしまうのですよ、トホホ。

こういう”矛盾”が続編映画の難しさなんですけど、今回の『ハリウッド大作戦!』は映画ではなく、1時間枠のネット配信ドラマとして公開した点が良かったと思います。

前作のフォーマットを使いつつ、舞台がハリウッドになったことでスケール感もアップしてるし(してないw)、前作の「家族愛」にかわって真魚の「恋愛物語」がフィーチャーされ、さらにお馴染みのキャラのその後の活躍を見ることが出来るという、まさにファンサービス満載の内容と言えるでしょう。

もちろん劇場作品に比べてボリュームは少な目ですが、その分気軽に観れるし、もしかすると予算はこっちの方が多いかもしれません(笑)。そういう意味でも「ネット配信」という方法は正解だったのではないでしょうか(^.^)