ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

ギレルモ・デル・トロ監督『ヘルボーイ』映画感想

ヘルボーイ

本日は「ヘルボーイ」を観賞。主演のヘルボーイにはロン・パールマン、ヒロインにはセルマ・ブレアギレルモ・デル・トロ監督作品だ。「スパイダーマン」や「X−メン」など近年様々なアメコミが映画化されている中で、比較的まともな出来映えの映画といえるだろう。

ヒーロー映画の種類で言えば「スパイダーマン」のような一対一のスタイルではなく、「X−メン」のように特殊な能力を持った者たちが集結して戦うスタイルである。なのでこの映画で一番の特筆すべき点は何といっても魅力的なキャラクターたちであろう。

まず主役であるヘルボーイインパクト抜群の外見に驚かされる。真っ赤なおっさんがヒーローの映画など前代未聞だ(ハルクは緑のおっさんだが)。そのいかつい外見とは裏腹に、恋に悩み、葉巻を吸いまくり、猫が大好き、という実に愛嬌の有るキャラなのである。

これは演じるロン・パールマンの功績が非常に大きいと言えるだろう。ここまでマンガのキャラにそっくりな俳優には、なかなかお目にかかれるものではない(ロン・パールマンの顔を見てこの企画を思いついたのではないか?と思えるほどだ)。

また、主役のヘルボーイ以外にも実に個性的なキャラが揃っており、見た目にも大変楽しめる。特に半魚人のエイブと、殺人鬼のクロエネンはその独特のデザインも含めて最高だ。中でもクロエネンが両腕の剣をまるでトンファーのように振り回しながら攻撃するシーンは猛烈にかっこいい!

エイブの活躍が少なかったのでもっと見たかったが、ヒロインのリズ・シャーマンもいい感じである。セルマ・ブレアのキャラが「苦悩するヒロイン」という役柄にぴったりだ(ちょっとレイチェル・ワイズに似てる?)。

このようにキャラクターに関しては非常に素晴らしい映画なのだが、残念な事にストーリーの盛り上がり方が今ひとつなのである。前半から中頃にかけては物凄く盛り上がるんだけど、それを過ぎたあたりからアクションも単調になり始め、一番肝心のクライマックス付近で急激に物語が”失速”するのだ(エンディング間際のいいかげんな展開に至ってはもはや失笑するしかない)。

これは最近のアクションやアドベンチャー映画全般に言える事だが、後半の盛り上げ方をもう少し工夫できないものだろうか?「終わり良ければ全て良し」ではないが、ラストのアクションや、ドラマの盛り上げ方次第でもっと面白くなったと思えるだけに、実に惜しい映画である。もったいない!

ヘルボーイ [Blu-ray]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2013-04-12)