どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
さて、先日からYoutubeにて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 破 Q』が無料公開されていますが、期間は本日4月29日(水)までなので、まだ観てない人はこの機会にご覧になってはいかがでしょうか?
※5月3日(日)23:59まで期間が延長されました!
なお、このブログでも映画の公開時に「制作の裏話的なエピソード」や「謎に関する考察記事」などを書いていますので、よろしければ合わせてご覧ください(^.^)
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どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
さて、日本を含め世界中で猛威を振るっている新型コロナですが、4月13日現在、アメリカで確認された感染者は55万人を超え、死亡した人の数もイタリアを上回り(2万2000人)、ついに世界最多となってしまいました。
いったいなぜアメリカでここまでウイルス感染が拡大したのでしょうか?一説によると「マスクの使用率の低さ」が関係しているらしいんですけど、ではどうして皆マスクをしないのか?みたいなことを職場の同僚とダラダラ喋っていたら意外な理由が判明したので、以下にその時のやり取りを書いてみます。
僕:アメリカって新型コロナに感染してる人が多いよなあ。なんでだろう?
同僚:マスクをしてないからじゃね?トランプ大統領も「俺はマスクを着けない!」とハッキリ言ってるし、米政府の指針でも「一般国民が感染を防ぐ目的でマスクを着用する必要はない」って表明してるし。
僕:でも米疾病対策センター(CDC)はマスクの使用を推奨してるじゃん。それでもマスクを着けない人が多いってのは、どういうことなんだろう?
同僚:ん~……。ヒーローは口元を隠さないからじゃない?
僕:は?
同僚:ほら、アメコミ映画とか観てるとさ、ヒーローってだいたい口元を見せてるじゃん。
僕:そうかぁ?
同僚:一方、悪人はだいたい口元を隠してるんだよ。だから口元を隠してると悪人っぽく見られてしまう。それを嫌ってマスクを着けない…ってことなんじゃないの?
僕:いやいや、そんなバカな(笑)。
同僚:例えばバットマンに対するベインとか。
僕:あ!本当だ!
同僚:キャプテン・アメリカに対するウィンター・ソルジャーとか。
僕:なるほど!
同僚:マックスに対するイモータン・ジョーとか。
僕:マックスは口元だけじゃなくて全部見せてるけど…。
同僚:基本的にアメリカのヒーローは顔や口元を隠さないんだよ。
僕:でもスパイダーマンやデッドプールはガッツリ覆面してるやん。
同僚:何事も例外はある。
僕:えええ…
同僚:まあ、スパイダーマンみたいに顔全体を覆っているのはいいんだけどさ。問題は「口元だけを隠しているヒーローがアメリカにはいない」ってことなんだよ。もしそういうヒーローがいて、メチャクチャ人気が高ければ、アメリカ人もマスクを着けることに抵抗を感じてないはずだから。
僕:う~ん、ちょっと強引じゃない?そもそも日本には「口元だけを隠しているヒーロー」っていたっけ?
同僚:レインボーマンがいるじゃないか!
僕:ずいぶん懐かしい名前やな(笑)。
同僚:あとは月光仮面とか鞍馬天狗とか…月光仮面は目元も隠してるけど、要するに日本には昔から口元を隠してるヒーローがいたわけで、その原点は恐らく”忍者”だと思う。
僕:確かに、忍者は口元を隠してるね。実写だけじゃなくて漫画やアニメにもなってるし、日本人にとっては馴染み深い存在だから、マスクを着けることにも抵抗が無いと。
同僚:そういうこと。
僕:いや、ちょっと待って。アメリカでも忍者は人気があるって聞いたような気がするけど、その辺はどうなの?
同僚:確かに人気はある。ただ属性が”正義”じゃなくて”悪”なんだよ。
僕:属性が悪?
同僚:そう、アメリカの映画にも忍者は出て来るんだけど、主役というよりだいたい悪役だし、ぶっちゃけ向こうではヒールとしての人気が高いだけだと思う。
僕:本当かよ?
同僚:知らんけど。
僕:オイオイ!つーか『ミュータント・タートルズ』は忍者が主人公として活躍してたぞ!
同僚:あったね、そういえば。でもミュータント・タートルズも忍者のくせに口元を隠してないんだよ。つまり、「忍者のように口元を隠すキャラクターは基本的に悪」で、「忍者をヒーローとして描く場合は必ず口元を見せなければならない」ってことなんだろ。
僕:何なんだよ、その謎ルールは!アメリカ人はそこまでして口元を隠したくないのか?一体なんで?
同僚:う~ん、「文化の違い」が大きいと思うけど…。とにかく向こうでは、マスクで口元を隠している人は「ものすごく怪しく見える」らしいのよ。だからアメリカ人が日本へやって来たら「なぜこんなにマスクをしてる人が多いんだ?」と不気味に感じるんだってさ。
僕:ん~、説得力があるような無いような…どうなんだろう?
…みたいな感じの会話を同僚と交わしてて、これがちょっと面白かったのでツイッターに書いたんですよ。そしたら意外にも反響が大きく、3万4000も「いいね」が付きました。おお~!
今日「米国ってコロナの感染者が多いよなあ」「マスクしてないからじゃね?」「なぜマスクをしないんだ?」という話になった時、「ヒーローは口元を隠さない」「口元を隠すのはだいたい悪」「だからマスクをしたくないんだろう」と言われて「そんなバカな」と思ったけど、意外と説得力あるかもしれない pic.twitter.com/kLs3IjNdu1
— タイプ・あ~る (@hitasuraeiga) April 5, 2020
さらにリプライもたくさんいただき、その中に「日本人は目で表情を読み取るのに対し、欧米人は口元で表情を読み取る」「口元を隠していると何を考えているのか分からないため、コミュニケーションが阻害される」「相手に与える印象も良くない」「だから皆マスクを着けたがらないのでは…」などの意見があって「なるほどなあ」と思いました。
通りすがりにお邪魔します。
— ペパクラP(2010.9.9) (@hbkuma) April 5, 2020
こんなツイートがあったのを思い出しました。https://t.co/1gUcGRG2mZ
英語は日本語ほど言葉の種類が豊富ではないから、表情によるコミュニケーションが重要と聞いております。口を隠すのはそれだけで意思の疎通を拒否している証なのでしょう。
— おんぴか@手洗い!マスク!うがい! (@onpika) April 5, 2020
日本人は目で表情表すからマスクして、アメリカ人は口で表情表すからサングラスかける云々の話と合わせて考えると、確かにヴィランが口隠してるのは頷けますね。
— おこげ (@orokoge) April 5, 2020
アメリカ版戦隊の「パワーレンジャー」が口有りの「ジュウレンジャー」から、口無しマスク「カクレンジャー」や「ダイレンジャー」へ変更する際、フェイスを見たアメリカスタッフがこれはアメリカでは受け入れられない!と言ったのは有名な話です。
— ゲルゲルゲ (@shigerugeruge) April 5, 2020
東映特撮のメタルヒーロー(宇宙刑事シリーズ)をデザイン上のモチーフにしたと言われるロボコップが、マスク部分は生身の口元を現したデザインに変えているのを見るに、とても説得力のあるお話ですね。 pic.twitter.com/AvekgNX1j9
— zo_bula_bula (@zo_bula_bula) April 6, 2020
これらの意見を見ると、本来は口元を隠していたデザインでも、アメリカで映画化する際にわざわざ「口元を見せるデザイン」へと変更された事例もあるようですね。つまり、「それだけ欧米人にとって口元は重要なポイント」ってことなんでしょう。
逆に、日本人はマスクで顔を隠しても意志の疎通にはあまり影響がないというか、むしろ積極的に顔を隠したがる国民性なのかもしれません(戦隊ヒーローや仮面ライダーなんかもほとんど顔を隠してるし)。
仮面ライダーの中では唯一、ライダーマンだけが口元をさらけ出してますが、どうしても他のライダーに比べると「弱そうな感じ」は否めない(笑)。やっぱり日本人は顔をマスクで覆っている方が「守られているイメージ(防御力の高さ)」を実感できるんでしょうかねぇ?
というわけで本日の教訓:「しっかりマスクを着けましょう!」
どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
本日、金曜ロードSHOW!で『思い出のマーニー』が放送されます。本作はスタジオジブリの(今のところ)最後の劇場アニメで、2014年の公開後「ジブリによる長編アニメーション制作はこれで休止する」と発表され、多くのファンが驚きました。
でも、元々ジブリは高畑勲監督の『かぐや姫の物語』(2013年公開)の後に休止する予定だったそうです。
当時のスタジオジブリは宮崎駿監督が引退を表明し、高畑監督も当分次回作はないだろうということで、「『かぐや姫の物語』を作り終えたら一旦アニメ制作部門を整理しよう」と考えていたらしい(現在、ジブリでは宮崎監督の新作映画を制作中ですが)。
ただ、制作部門を解散するとしてもジブリには大勢のアニメーターが社員として在籍していたため、いきなり全員を解雇するわけにはいきません。なのでプロデューサーの鈴木敏夫さんは「会社を整理するための準備期間が欲しいなぁ…」と考えていたようです。
そんな時に「もう1本映画を作りたい」と言い出したのが米林宏昌さんでした。
2010年公開の『借りぐらしのアリエッティ』で監督デビューした米林さんは、その後、アニメーターとして『コクリコ坂から』や『風立ちぬ』に参加していましたが、「やり残したことがある」「もう一度監督をやってみたい」と考え、鈴木さんに相談した模様。
それを聞いた鈴木さんはビックリ!なぜなら『アリエッティ』を作っている時、あまりにも仕事が忙しすぎて米林さんの家庭生活がメチャクチャになってしまい、映画の完成後に奥さんから「もう二度とウチの人に監督をやらせないで下さい!」と怒られたからです。
なので鈴木さんは思わず「奥さんは大丈夫なの?」と聞き返しましたが、米林さんが「はい、きちんと話し合いました」と答えたので、「じゃあ(会社を整理する時間も確保できるし)もう1本作ってみるか」となったらしい。
そこで鈴木敏夫プロデューサーから提案された題材が、児童文学の名作『思い出のマーニー』だったのですよ。
しかしこの『思い出のマーニー』、実は宮崎駿監督も気に入っていたらしく、何年も前から企画として検討していたんですね。ところが結局、「アニメ化するには極めて困難な題材」との結論に至り、断念せざるを得なかったそうです。
そんな「宮崎駿ですら映画化を諦めたほどの難しい原作」を、まだ経験が浅い新人監督に任せて大丈夫なの?という気がしなくもないんですけど、この時の心境を米林さんは以下のようにコメントしていました。
文学作品としては面白い。でもアニメーションとして描くにはすごく難しい!鈴木さんは僕を潰そうとしてるのか?と思いましたね(笑)。なんでこれを薦めたんだろう?と。これは映像化は無理でしょうと。だから鈴木さんに言いましたよ。「僕はアニメーターなので、動かす作品の方がいいです」って。でも「ああ~」って言うだけでしたね(笑)。
(「CUT 2014年8月号」掲載のインタビューより)
よく考えたら、米林監督って自分で望んだ原作をアニメ化したことがないんですよねえ。『借りぐらしのアリエッティ』と『思い出のマーニー』は鈴木さんから「これを読んでみろ」と渡された原作だったし、3作目の『メアリと魔女の花』の時も、本当は「メーテルリンクの『青い鳥』をやりたい」と言っていたのに結局プロデューサーの西村義明さんの意向でイギリスの児童文学になってしまったし…。
とは言え、読んでみて「面白い」と感じたのは事実ですから、「じゃあどうやってこれをアニメ化しよう?」と考え始めた米林監督。しかし、やっぱり難しい!
最初は途方に暮れましたよ。でも、どうすればアニメーションにできるのかを、原作の挿絵などを手掛かりにイラストを何枚か描いて、少しずつイメージを作っていきました。描かなくてはいけないと思ったのは、ヒロインの杏奈が出会う不思議な少女マーニーの存在感と、舞台となる湿地の存在感。それを魅力的に描けたら、この映画は面白くなると思ったんです。
鈴木さんからは「日本の観客に見せるなら、舞台は現代の日本にした方がいい」と言われてすぐに納得しました。では、どこを舞台にするか?原作の物語は”真珠色の空”という少し曇り空のもとで進んでいきます。これは杏奈の心を映したような風景描写なのですが、そういう空はどこにあるか?と考えた時に、思い当たったのが道東の空でした。そして、北海道にある湿地帯を舞台にして物語を描けば、この世界観には合うと思ったんです。
(「キネマ旬報2014年8月上旬号」より)
さて、物語の舞台が北海道に決まり、「じゃあロケハンへ行こう」となったタイミングで現れたのが宮崎駿監督です!
もともと宮崎さんも『マーニー』にかなりの思い入れがあったため、なんと米林監督たちが打ち合わせをしている部屋に入って来て、いきなり「舞台は瀬戸内がいい」などと言い出したのですよ。ええええ…
しかも、ホワイトボードに色んなことを書きながら「瀬戸内はこんな場所だ」ということを熱心にアピール。そして、散々”瀬戸内の素晴らしさ”を語りまくった後、「じゃあ俺は戻るから、後はよろしく!」と言って出て行ってしまいました。残された米林さんたちはポカーン状態です(笑)。
当然、スタッフたちは「どうしよう?」「北海道で検討してたけど、瀬戸内にした方がいいのかな…?」とオロオロ。今までならほぼ確実に「宮崎さんがああ言ってるし仕方ないか…」みたいな感じで瀬戸内に変更されていたでしょう(なんせジブリでは宮崎駿の言うことは”絶対”なのでw)。
しかし、米林監督は「いや、北海道でいきます!」と決断。その理由は…なんとホワイトボードに描かれた絵が、どう見ても『崖の上のポニョ』だったから、ということらしい(『ポニョ』の舞台は広島県福山市の「鞆の浦」ですからねw)。
結局、「このままでは『ポニョ』と似たような印象になってしまう」と危惧した米林さんは、宮崎監督の意向を完全に無視する形で制作を進めていったそうです(米林監督曰く「宮崎さんがどう思うか、そういうことは一切意識せずに作りました」とのこと)。
こうして『思い出のマーニー』は、宮崎駿の介入を若手監督が阻止したジブリ史上初の劇場アニメになったのです(笑)。
今までのジブリ作品は、新人監督が映画を作る際にも、常に何らかの形で宮崎さんが関わっていましたが、『思い出のマーニー』に関しては米林さんが意図的に宮崎さんの指示を聞かないようにしていた点が画期的と言えるでしょう。
つまり、本作は宮崎駿・高畑勲の名前がクレジットされない初めてのジブリ長編映画になったのですよ。
なお、『思い出のマーニー』は作画的な見どころも素晴らしく、安藤雅司、沖浦啓之、本田雄、橋本晋治、山下明彦、稲村武志、田中敦子、賀川愛、二木真希子、大塚伸治、高坂希太郎、近藤勝也、小西賢一、山下高明など、業界屈指の凄腕アニメーターが多数集結しています(敬称略)。
しかも『かぐや姫の物語』で「人物造形・作画設計」として活躍した田辺修もノンクレジットで参加しているのだから凄すぎる!どうやら田辺さん、『かぐや姫』の時に大量のカットを安藤さんに引き受けてもらった”借り”があるため、断れなかったようです(笑)。
なので『マーニー』の作画は信じられないほど高いクオリティになっているわけですが、深刻なアニメーター不足が常態化している昨今、いったいなぜこんなに大勢の凄腕アニメーターを確保できたのでしょうか?
実は彼らは、もともと「某大作アニメ」を作るために集められたメンバーだったのですよ。ところがそっちの制作がなかなか始まらず、結局『マーニー』の方を手伝うことになったそうです。以下、作画監督を務めた安藤雅司さんの証言より。
今回はタイミング的に、皆さんの手が空いていたことが大きいです。他の劇場用作品に参加する予定で待機していたアニメーターが大勢いたのですが、その制作が始まらないので、始まるまでの間、少し手伝ってもらえないか?とお願いしたんですよ。結果として、最後までその作品は動き出さなかったので、こちらとしては「やった!」という気持ちでした(笑)。
(「THE ART OF 思い出のマーニー」より)
というわけで『思い出のマーニー』にとっては非常にラッキーな状況でしたが、「他の劇場用作品」って何だったんでしょうねえ?気になります(^^;)
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