ひたすら映画を観まくるブログ

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芸能人やタレントを起用した日本語吹き替えの問題点

メン・イン・ブラック:インターナショナル

メン・イン・ブラック:インターナショナル』より

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

先日、人気シリーズの最新作『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(6月14日公開予定)の日本語吹き替え版のキャストが発表されたんですが、なんと「吉本坂46が全員声優として参加する」ということが判明し、批判が殺到しているようです。

う~ん、なんか『シャザム!』の時も吹き替えの件で炎上してましたが、最近こういうのが多いですねえ。

ちなみに吉本坂46とは、乃木坂46欅坂46につづく3番目のグループとして秋元康がプロデュースしたアイドルグループです。

その名の通り、メンバーは全員吉本興業に所属しているお笑い芸人で、村上ショージエハラマサヒロ野沢直子ゆりやんレトリィバァなど、錚々たる面子(?)が揃っています。

「なぜそんな芸人たちが映画の吹き替えをするんだ?」と言われれば、もうかなり以前から指摘されていることですけど、「宣伝のため」なんですね。

邦画の場合は、出演している俳優や女優が直接テレビ番組に出て宣伝できるので、効果的な話題作りが可能です。でも洋画はそれができません。

そこで、名前が知られている俳優や女優、人気タレントやアイドルなど、「有名芸能人をキャスティングした日本語吹き替え版」を作ることで、少しでも注目してもらおうという作戦なのですよ。

いや、別にタレントやお笑い芸人を起用した吹き替え版が「全てダメ」ってわけじゃないんです。ただ、どうせ芸能人を起用するなら、下手な人よりも上手い人にやってもらいたいなと。それだけなんですけどねえ。

あと、「日本のアニメも声優を使わずに役者やタレントを起用するパターンが多いから同じじゃないか」という意見を聞くんですが、それは違うと思います。

確かに、宮崎駿細田守新海誠など、自分のアニメーション作品に役者やタレントをキャスティングする監督は少なくありません。しかし、それらは全て”監督の意向”に従って決められている、という点が大きく違うんですよ。

例えば、宮崎駿監督の『風立ちぬ』の場合、「主人公役に庵野秀明」という常識的に考えてあり得ないキャスティングで注目を集めました。

しかし、これは決して話題性を狙ったものではなく(まあ多少はあるかもしれませんがw)、宮崎監督の中で「主人公の声を演じられるのは庵野秀明しかいない」と判断したからです。

それに対して洋画の吹き替えはどうでしょう?『アベンジャーズ』の監督が「ホークアイの声を演じられるのは雨上がり決死隊宮迫博之だけだ!」なんて言いますか?言わないですよね。

つまり、「お笑い芸人やタレントを起用した日本語吹き替え版」の本質的な問題点は、作り手側の意向が全く反映されていない、という点だと思うんですよ。

多くのタレント吹き替えが単に”話題性のみ”を優先したキャスティングで、「作品を良くしよう」なんて気持ちや作品に対するリスペクトなどは微塵も感じられません。その辺がすごく気になるんですよね。

もちろん全ての吹き替えがそうではなく、ピクサーやディズニーなどはきちんとオーディションをやって声優を選んでいるそうです(だからディズニー作品の吹き替えは評価が高い)。

モンスターズ・インク』では、「ホンジャマカ」の石塚英彦と「爆笑問題」の田中裕二、『Mr.インクレディブル』では三浦友和黒木瞳綾瀬はるか、『塔の上のラプンツェル』では中川翔子など、芸能人の吹き替えでも高評価されたものはたくさんあります。

なので、タレント吹き替えでもそういう「声の演技が上手い人」をキャスティングすれば、炎上する可能性もかなり減るんじゃないでしょうか(^.^)