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岡田准一の執念が生んだ『SP 革命篇』映画感想


■あらすじ『官房長官を狙ったテロ事件から2ヵ月後。テロリストとの死闘を繰り広げた井上はじめ警視庁警備部警護課第四係の面々も通常の警護活動に戻っていた。しかしその反面、井上の尾形に対する不信感はますます深まっていく。そして、尾形の内偵を進めていた公安部・田中が衝撃の事実を突き止める中、ついに謎に包まれていた尾形の野望が形となって現われた。舞台は、麻田内閣不信任案の採決が行われようとしていた国会議事堂。全国民が注視する生中継のさなか、尾形の仕組んだ計画が発動する…!要人警護に当たるSPたちの活躍をV6の岡田准一主演で描き評判を呼んだTVシリーズの劇場版完結編!』



昨日の『SP 野望篇』に引き続き、本日は『SP 革命篇』が放映されます。劇場版『SP』2作品を観た印象としては、1本の映画をバランスよく前編と後編に分けたというよりも、『野望篇』が大きな事件の導入部分で、『革命篇』がそのメイン部分という感じですね。

なので、『野望篇』ではほとんどストーリーが動かず、壮大な計画が徐々に進行している様子を見せながら適当にアクションシーンを織り交ぜてみました的な印象で少々物足りませんでした(要するに長めの前フリ)。

それに比べて『革命篇』はストーリーが動きまくり。尾形とテロ集団によって占拠される国会議事堂(リアルに再現されたセットもグッド)。対する井上薫と第四係メンバーたちの知力を尽くした攻防戦。前半は抑え気味にして緊迫感を高め、後半で一気にアクションを爆発させる緩急の付け方も見事です(サスペンス映画とは本来こうあるべきでしょう)。

そして、アクションの見せ方も『革命篇』の方が断然かっこいい!アクションシーンそのものは『野望篇』よりも少ないのですが、無駄な動きを協力排除し、必要最小限の動作で的確に相手を倒す、見事なバトルを見せてくれます。中でも、後半の岡田准一とテロリストの一騎打ちが凄い!

単純な殴る・蹴るの攻撃だけでなく、スタンディングでは分が悪いと見るや、すかさずグラップリングに移行し、相手を投げたり関節を極めるなど、総合格闘技の要素を存分に取り入れた極めて実践的なファイティングシーンに仕上がっているのですよ(最後は三角絞めの変形技で相手を落とすというカッコ良さ!)。格闘技ファンは必見です。尚、このシーンについて、アクション監督の大内貴仁さんはインタビューで次のように語っていました。

「岡田君から、”ここで関節技を使いたい”というリクエストがあって、様々なサブミッションを取り入れています。一般のお客さんは関節技をあまり知らないので、よりクリアに、技をかけられている側の苦しみが伝わるような見せ方を意識しました。ただ、最後の三角絞めみたいな技って岡田君が考案したオリジナルなので、実は僕もどうなっているのかよく知らなくて(笑)。わけのわかんない絡み方なんですよ。実際にかけられると苦しいんですけど、”苦しくて動けない”という状況を丁寧に伝えるためにはどうすればいいのか、そこに至るまでのカット割に苦労しましたね」

ちなみに、クライマックスの本会議場へ突入するシーンでは、10倍速のスローモーションで撮影したため問題が発生。通常のスピードなら殴るフリだけでもごまかせるのですが、10倍スローの場合は実際に当てないと観客にバレてしまいます。そこで岡田君はなるべく痛くないように、注意してスタントマンを殴っていました。ところが監督が何度もテイクを重ねたためにどんどんダメージが蓄積され、さすがに丈夫なスタントマンもフラフラになったとか(笑)。

また、他の誰よりもアクションシーンにこだわっていた岡田准一は、テレビ版が終了してから劇場版までの2年間、ひたすらカリとジークンドーのトレーニングに明け暮れ、インストラクターの免許を取得するまでに至りました。もはや役者の域を超えてますよ(笑)。

これだけアクションに入れ込み、完成度の高いアクションシーンを見せられれば、岡田くんの元にはアクション映画への出演オファーが殺到しているのではないかと思いきや、「全然来ないんですよ!」と本人も拍子抜けしたらしく、残念そうに語っていました。以下、岡田君のコメントです。

「みんなに言われますけどね。”アクションの出演依頼、いっぱい来るでしょ?”って。自分でも”来るかな?”ってちょっと期待してて。あまりそういうオファーばかりになっても、イメージ付きすぎちゃうしな〜とか、いらない心配をしてたんですけど、本当に全く来ないです(苦笑)。まだ草食系男子の時代が続いてるのかもしれない(笑)。結局、自分から動かなきゃ無理なのかなと思いましたね」

素朴な疑問として、「香港にもタイにも世界へ向けて通用するアクションがたくさんあるのに、どうして日本ではアクション映画がこんなに少ないんだろう」と思う人もいるでしょう。これは、そもそも日本ではアクションものの作品を支えるだけの需要自体が少ないという理由が一番大きい。

香港映画界などのアクション先進地域では観客の目も肥えているし、作り手達のレベルもおのずと上がっていくだけの基盤があります。しかし日本では肉体を駆使したアクションが好きな人たちはあまり多くありません(特に女性客は)。そしてもう一つの理由は、優れたアクション映画を作るには多額の費用と時間が掛かるということ。予算に余裕が無い邦画では、この二つの制約があまりにも大きいのです。

しかし『SP』は企画の段階から、脚本家の金城一紀と主演の岡田准一「面白いアクション映画を作りたい!」との思いで意気投合し、共同で作品を作り上げていきました。そして「世界に向けて発信できるアクション映画を日本で作ろう!」という岡田くんの熱い魂に触れて、監督やプロデューサーまでもが徐々に本気になっていったそうです。

たしかに、日本には香港映画のようにアクションで築き上げられてきた歴史や文化がありません。市場のニーズ自体も少ない。でも、だからこそ『SP』のようにクオリティの高いアクション映画をどんどん作ってアクションの面白さを観客に伝え、女性客にもアピールしていくことが重要だと思うのです。このレベルのサスペンス・アクションを、劇場用オリジナルで定期的に製作できれば一番いいんですけどねえ。とにかく映画関係者は、是非とも岡田くんにアクション映画の出演依頼をしてあげて!せっかくの才能がもったいないよ!


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