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信じていたのに実は間違いだった?有名な映画のトリビア

映画『マッドマックス』

映画『マッドマックス』


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて先日、Twitter「#映画の好きな裏話選手権」というハッシュタグ付きのツイートが拡散されました。

これは「映画の撮影現場で起きた興味深いエピソード」とか、”映画に関する様々なトリビア”をつぶやいたもので、映画ファンの間で盛り上がっていたようです。

例えば、『レイダース』の撮影当日にハリソン・フォードが腹痛になってしまい、インディ・ジョーンズがムチを使わず銃で敵を撃ち殺すシーンに変更されたとか、『ターミネーター2』のクライマックスでT-1000がサラ・コナーに化けるシーンはリンダ・ハミルトンの双子の妹が演じていたとか。

有名な撮影秘話から初めて聞くようなエピソードまで実に多くのトリビアが披露され(このブログでも映画のメイキング的な記事を色々書いていますが)、僕はそういう話が大好きなので「ほほ~、まだまだ面白い裏話がいっぱいあるんだなあ」と楽しめました。

でも、実はこれらのエピソードの中には正しくないものもいくつか混じっていて、しかもかなり以前に間違いが判明しているにもかかわらず、いまだに広く信じられている話もあったりするんですよねぇ。

そういうのって、やはりきちんと訂正した方がいいと思うんですよ(でないと、誰かにドヤ顔で喋った後に間違いが分かって恥ずかしい目に遭う可能性もあるので)。

というわけで本日は、「有名だけど実は間違っていた映画のトリビアをいくつかご紹介しますよ。


●『マッドマックス』の撮影で死者が出た?
荒廃した近未来の世界で繰り広げられる壮絶なカーアクションが見どころの本作は、あまりにもクラッシュシーンの迫力が凄まじいため、「撮影中にスタントマンが死亡した」との噂が流れ、日本で公開された際にもチラシやパンフレットに同様のことが書かれていました。

なので、いまだにこの噂を信じている人が多いんですけど、グース役のスティーヴ・ビズレーや元撮影スタッフなどがインタビューで否定しているし、2015年には「死んだと言われていたスタントライダー」のデイル・ベンチがイベントに参加するために来日してるんですよ。

マックスのインターセプターに追い立てられ、転倒するスターバックのスタントを演じていたのがデイル・ベンチで、映画では猛烈な勢いで後頭部にバイクが直撃しており、どう考えても”大事故”にしか見えないのですが、本人によると「大して痛くなかった。それよりカットと同時に全スタッフが”大丈夫か!?”と物凄い形相で駆け寄って来て、そっちの方が怖かったよ(笑)」とのこと。

映画『マッドマックス』より

映画『マッドマックス』より

『マッドマックス』が公開された1970年~80年代の頃はかなり大げさな宣伝が横行していて、実際はフィクションなのに「アマゾンのジャングルに向かった探検隊が原住民に襲われ、殺される様子を映したドキュメンタリー」という触れ込みで『食人族』が公開されるなど、観客の恐怖心を煽るような作品が大ヒットしていました(当時は”本物”と信じている人が多かったらしく、『マッドマックス』もそういう系統に含まれていたのかもしれない)。

ちなみに続編の『マッドマックス2』も激しいカーアクションが話題となり、バイクがバギーに突っ込んで大男がクルクルと回転しながら吹っ飛んでいくシーンを見た観客は「絶対に死んでるだろ!」と衝撃を受けましたが、このスタントを演じたガイ・ノリスも生きてます(ただし大腿骨骨折の重傷を負った)。

というわけで「『マッドマックス』の撮影中にスタントマンが死亡した」という噂はデマなので、くれぐれもご注意ください。

なお、監督のジョージ・ミラーは「『マッドマックス』シリーズは危険な撮影に見えるかもしれないが、まだ一人も死者は出ていない」と豪語しているそうです(いや、ケガ人が出てるんだからマズいでしょw)。

●『プレデター』にヴァン・ダムが出演している?
「映画『プレデター』には若手時代のジャン=クロード・ヴァン・ダムプレデター役で出演している」というトリビアも映画ファンの間で有名ですが、これも正しい情報ではありません。

確かにヴァン・ダムは、製作の途中までプレデタースーツアクターとして参加していました。しかしスーツの出来栄えが悪くて作り直しになり、「アーノルド・シュワルツェネッガーと格闘技で戦いたい」という要望も聞き入れられなかったため降板したのです。

撮影自体は行われていたようで、ヴァン・ダムが”ボツになる前のスーツ”を着てアクションするシーンも撮ったらしいのですが、プレデターのデザインが全く変わってしまったため、残念ながらそのシーンは全てカットされてしまいました。

プレデタースーツ(NG版)を着るヴァン・ダム

プレデタースーツ(NG版)を着るヴァン・ダム

しかし数年後、ヴァン・ダムがとあるトーク番組に出演した際、「僕は昔『プレデター』の撮影に参加してたんだよ。プレデター役としてね」と喋ったことで、この噂が広まってしまったのでしょう。

ちなみに、ヴァン・ダムに代わってプレデターを演じたのがケヴィン・ピーター・ホールで、220センチという長身を活かして見事にプレデターを演じ切り、続編の『プレデター2』でもスーツアクターとして活躍したそうです(病気のため35歳で死去)。

●『ランボー』の腕の傷は本物?
シルヴェスター・スタローン主演の『ランボー』には「追い詰められたランボーが崖から飛び降りた際に腕を負傷し、自分で傷口を縫う」というシーンがあり、映画ファンの間で長年「あの傷は本物らしい」と言われていました。

「危険なシーンの撮影中に本当に腕をケガしたスタローンが、”ジョン・ランボーの逞しさを描くいい機会だ”と考え、自ら針と糸を使って傷口を縫合した」などと”いかにもありそうなエピソード”として広まり、僕自身もずっと信じていたのですが、実はこれ、完全なガセネタだったのですよ。

北米版DVDに収録されたスタローン本人のコメントによると、「あれはポンプとチューブを取り付けた特殊メイクだ」とのことで、断崖絶壁からダイブしているのもベテランスタントマンのバディ・ジョー・フッカーだそうです。

では一体なぜこんな噂が広まったのか?というと、当時『ランボー』のプロモーションを担当したのが東宝東和で、映画を宣伝するために大げさな逸話で観客の興味を煽ろうとした可能性が…(まあ、『サランドラ』とか『メガフォース』とか色々やってましたからねぇw)。ただ、「スタローンが危険なアクションに挑んで肋骨を4本折った」というエピソードは本当だそうです。

ランボー (字幕版)

プライム会員は追加料金なしで視聴可

●『ダークナイト』の病院爆破シーンでトラブル発生?
映画『ダークナイト』における「病院を爆破するシーンの撮影中に機材トラブルで爆発が止まってしまうものの、ヒース・レジャーのアドリブで何とかピンチを切り抜けた」という非常に有名なエピソード。いまだに事実のように語る映画ファンもいますが、事実ではありません。

映画『ダークナイト』より

映画『ダークナイト』より

Blu-rayのメイキング映像を見ると特殊効果スーパーバイザーのクリス・コーボールドがこのシーンを詳しく解説していて、「いったん爆発が止まり、ジョーカーが驚いて振り向くと再び爆発が始まり、その後バスに乗って立ち去る」という段取りに最初からなっていたのですよ。

まあ多少はアドリブっぽい動きが入っているのかもしれませんが、そもそも絶対にNGが許されない”一発勝負の重要なシーン”なので、本番前に12回も入念なリハーサルが行われるなど現場は異常な緊張感に包まれており、「そんな状況でアドリブなんかやってる場合じゃないだろう」と思うんですよね(笑)。

なお、ヒース・レジャーのアドリブ自体は他のシーンにいくつかあって、例えば牢屋に入れられたジョーカーがゴードン警部に向かって拍手するシーンはアドリブだそうです(ジョーカーのキャラクター造形にはヒース・レジャーのアイデアが多数取り入れられている)。

●『プロジェクトA』でジャッキーは3回落っこちた?
プロジェクトA』といえば「高さ18メートルの時計台から落下するシーン」が有名ですが、映像をよく見ると落下中のポーズや動きが微妙に異なっており、「複数のテイク」を映していることが分かります。その数は、エンディングのNG集も含めて3種類。つまり、「少なくとも3回は落下シーンを撮っている」ということです。

そのため、公開当時は「あのシーンでジャッキー・チェンは3回落っこちたらしいぞ!」「マジかよ、ジャッキーすげえ!」などとファンの間で話題になりました。恐らく、今でもこの「ジャッキー3回落ち伝説」を信じている人は多いのではないでしょうか。

ところが、2019年にNHKで放送された『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』という番組で、長年ジャッキーのスタントチーム(成家班)に在籍し、数多くの危険なスタントに挑んできたマースが「実はあの落下シーンは僕なんだよ」と衝撃告白!

マースの証言

マースの証言

マースの証言によると、「ジャッキーは自分であのスタントをやり切るつもりだったが、1回目の落下で頸椎損傷の大怪我を負ってしまい、納得できるカットが撮れなかった。それで僕が落ちることになったんだけど、撮影の前の晩は怖くて眠れなかったよ(笑)」とのこと。

これにより、3テイクのうち1回はマースであることが判明したんですが、だとすればジャッキーは2回落ちたのか?っていうと、それも違うんですよね。

実写映画『るろうに剣心』シリーズでアクション監督を務めた谷垣健治さんによると、「当時の成家班には周潤堅(チャウ・ヨンギン)というスタントマンがいて、彼も時計台から落ちている。あのシーンは3テイクのうち2テイクがスタントマンなんだ」とのこと。ええ~!?

というわけで真相は、「『プロジェクトA』の時計台落下シーンでジャッキー・チェンは1回しか落ちていない」ってことらしいのです。これを知ったファンはガッカリするかもしれませんが、谷垣さんは「でも1回はジャッキーが自分で飛び降りてるんだから、それはもの凄いことだよ」とコメントしていて、僕も「確かにそうだよなぁ」と思いました。

プロジェクトA(吹替版)

プライム会員は追加料金なしで視聴可

しかし、話はこれだけではありません。実はこの時計台落下シーン、なんと「3回以上撮り直している」という噂もあるんですよ。

当時、『プロジェクトA』の宣伝を担当した株式会社マンハッタンピープルの社長の菅野陽介さんが、「何かいい宣伝材料はないか?」と香港から送られてきた膨大なフィルムをチェックしていると、時計台落下シーンのテイクが複数見つかったそうです(何種類あったかは不明)。

どうやら本編に使用されなかった映像が大量にあったようで、もともと最初に撮影した時点では4時間近くの超大作になるはずでしたが、道場で稽古するシーン(ジャッキーとユンピョウが寝技で戦う)や、マースが死んだと勘違いされるシーンなど多くの場面がカットされ、日本公開版は105分の長さになりました(香港版は101分、インターナショナル版は106分)。

そこで菅野さんは「この未使用テイクを”NG集”としてエンディングに流したら面白いんじゃないか?」と思い付き、ジャッキー映画恒例のNG集が生まれた…と言われているそうです(まぁNG集は『ドラゴンロード』のエンディングにもあるんですけどね)。

なので、時計台落下シーンは3回以上撮り直され、ジャッキーを含めて何人ものスタントマンが飛び降りていた…という可能性も捨て切れないのですよ。果たして真相はどうなんでしょうか?

ちなみにこのシーン、何もない地面に直接落下しているように見えますが、安全対策として深さ約150センチの穴を掘ってクッション代わりのダンボール箱をギッシリと敷き詰め、その上から土をかぶせているそうです(それでもメチャクチャ怖いけどねw)。

※なお、谷垣さんの「(時計台落下シーンは)3テイクのうち2テイクがスタントマン」という証言は本人の著書『香港電影 燃えよ!スタントマン』から引用させていただきました。

映画『タイタニック』のタイタニック号はどうやって作られたのか?

映画『タイタニック』

映画『タイタニック


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて本日、金曜ロードショーにてジェームズ・キャメロン監督のタイタニックが放送されます(先週は前編で今週は後編)。

いまさら説明は不要だと思いますが、本作は「タイタニック号の沈没」という史実を元にした壮大なラブストーリーで、1997年に公開されるやいなや全世界で22億ドルの興行収入を叩き出し、過去の成績を大幅に更新して歴代1位の新記録を樹立しました(現在は歴代3位)。

当時はレオナルド・ディカプリオの人気が凄まじく、日本でも262億円のメガヒットを記録し(4年後に『千と千尋の神隠し』に抜かれたものの)、これまた歴代1位に輝いたのです。そんな本作の大きな見どころと言えば、やはり最新の映像技術を駆使して忠実に再現したタイタニック号のヴィジュアルでしょう。

全長269.1メートル、全幅28.2メートル、高さ53メートルという巨大な豪華客船を現代によみがえらせるために、一体どんな方法が使われたのか?というわけで本日は、映画の中のタイタニック号が出来上がるまでのエピソードをご紹介しますよ。

映画『タイタニック』

映画『タイタニック

20世紀フォックスが『タイタニック』の製作に正式なゴーサインを出したのは1996年の5月ですが、その時点では映画の公開日は翌年の7月に予定されていました。

つまり1年ちょっとでこの超大作映画を完成させなければならなかったわけで、その時の心境を後にジェームズ・キャメロンは「せめてあと2カ月早くゴーサインが欲しかった」と語っていますが、とにかく大急ぎで準備を開始。

 

まず、「どうすれば最も効率良くスケジュール内に撮影できるか?」を検討するために、全長7.6メートルのミニチュアを作り、キャメロン自ら小型のビデオカメラを持って色んな角度から撮影しまくりました。

有名な話ですが、ジェームズ・キャメロン監督はいつも撮影の前にはこうやって全てのショットのイメージを完璧に固め、シナリオに従って”ビデオマティック”を作り、最も効率のいい撮影方法を選んでいるそうです(今でいうプリヴィズ方式)。しかしそんなキャメロン監督でも、さすがに『タイタニック』の時は頭を悩ませたらしい。

1993年にジュラシック・パークが公開されて以来、猛烈な勢いで映画にCGが使われ出したのですが、キャメロンは「タイタニック号を完璧な形で再現するには、まだCGの技術が不足している」と考えていました(「CGを使わない」という意味ではない)。

そうなると、「船体の一部分だけを本物そっくりに作って役者の演技を撮影し、ワイドショットではミニチュアを使う」という昔ながらの方法になるわけですが、「船の細部までキッチリ描こうとした場合、どうしても限界がある」と気に入らない様子。

 

ならば、本物の大きな船の上にセットを組んだらどうだろう?キャメロン監督は、大西洋と太平洋の間の運河輸送に使われている全長250メートルの巨大なコンテナ船を、タイタニック号に見立てる案を思い付きました。

コンテナ船の平らな表面にタイタニック号のセットを作り、側面にはニセの船体の覆いを吊り下げ、さらに突き出しデッキを設けて照明やカメラ機材のスペースを確保する。こうすれば、実際に海を航行しながら撮影することが可能です。

ただ、たしかにリアルな画は撮れそうですが、残念ながらこの方法では最後にタイタニック号が沈んでいくシーンを撮れません。そこでキャメロン監督は考えました。「いっそのこと本物のタイタニック号を作ってしまおうか…」と。

この時、キャメロンは「実物大のタイタニック号を丸ごと作り、それを海に浮かべて撮影し、最後に大西洋に沈めてしまえばクライマックスの沈没シーンまで全部映像に収めることが出来る」と本気で考えていたそうです。

そのため専門家に建造費を計算させたところ、2500万ドルという数字がはじき出されました。約28億円という大金ですが、『タイタニック』の最終的な製作費は2億ドル(約220億円)なので決して実現不可能な金額ではありません。しかし「完成まで2年半かかる」と言われたキャメロンは「公開日に間に合わない…」としぶしぶ諦めたらしい(時間があれば作ってたのかw)。

映画『タイタニック』

映画『タイタニック

次に監督は「実物大のタイタニック号を半分だけ作る方法」を思い付きました。船の右舷側だけを実際の大きさで作り、それを海の近くに設置して陸地から撮影すれば、大海原をバックにタイタニック号の全景が撮れるし、船の上での撮影もやり易い。

このアイデアを聞いたプロデューサーは「そんなデカいセットを組めるスタジオなんかあるわけないだろ!」とビックリ仰天。しかしジェームズ・キャメロンは少しも怯まず、「無いなら作ればいいじゃないか」と言い放ち、さらにプロデューサーを驚愕させました。

なんとキャメロンは実物大のタイタニック号だけでなく、それを収容するスタジオも一緒に作ることを提案したのですよ。まぁ『アビス』を撮る時も破棄された原子力発電所を買い取って「水中撮影できる環境」をわざわざ作っていたので、こういう発想もキャメロンにとっては当たり前なのかもしれません。

しかし会社側にしてみれば、一つの映画を作るために新たにスタジオを建設するなど前代未聞です。案の定「いくら何でも無茶だろ…」という雰囲気が漂っていました。

ところが社内で詳しく検討した結果、「国境に近いメキシコの海岸にスタジオとセットを建設すればアメリカよりも低コストで済むし、一つの場所にまとめることで船とステージを簡単に往復できる」「その上、気象条件やスケジュールの変更による中断も最小限に抑えられ、撮影が終わっても会社の資産として残せる等、長期的に見れば安上がりだ」という結論に達したのです(マジかよw)。

映画『タイタニック』

映画『タイタニック

こうして、20世紀フォックスはメキシコのロサリトに40エーカー(東京ドーム3.5個分)の土地を購入し、実物大タイタニック号を作るための新スタジオの建設に着手しました(総工費は2000万ドル)。しかし、この時点ですでに1996年の5月末になっており、来年7月の公開予定日まで1年ちょっとしかありません。

常識的に考えて、「今からスタジオを作ってて間に合うの!?」と思わざるを得ませんが(まあ結局は間に合わなかったんですけどw)、当時のキャメロンは「何が何でも間に合わせる!」と考えていたらしく、なんと着工からわずか100日後にスタジオが完成!もの凄い突貫工事ですねぇ(このことから「100日スタジオ」と名付けられた)。

ただし、大急ぎで作らなければならないので、現場には毎日2000人近くの建設業者や重機の運転手たちなど様々な工事関係者が押し寄せ、1日で450~500メートル分のセメントを消費し、巨大なセットを収容する穴を掘るために1万トンものダイナマイトが使われました。

それでも、セットが完全に出来上がるまで待っていたら間に合わないので、「スタジオを作りながら同時進行で撮影する」というメチャクチャ慌ただしい状況に!塗ったペンキがまだ乾かないうちから撮影しようとしたため、出演者たちは衣装にペンキが付かないかヒヤヒヤしたそうです。

映画『タイタニック』

映画『タイタニック

最終的にタイタニック号のセットは建設期間の短縮&コスト削減のために、本物よりも10%縮小することになりました。ただ、多少小さくなったとは言ってもフットボール場二つ分に匹敵する大きさ(全長238メートル)で、最後はセット全体を傾斜させて水に沈めるというとてつもない撮影が待ち構えているわけですから、工事担当者の苦労は計り知れません。

ちなみに24エーカーの巨大なタンクの中に作られたタイタニック号のセットは、6400万リットルの海水を流し込むことで海上に浮かんでいるように見せていますが、実際は水深が90センチ程度しかなく、スタッフは水につかりながら撮影していたそうです(スタントマンが飛び込む場所だけ6メートルの深さがあった)。

なお、これだけ立派なセットが出来たら「どんなシーンでも撮れるだろう」と思うかもしれません。しかし実物大のタイタニック号は右舷側しか作られていないため、カメラアングルに制限があったのです(あまりカメラを大きく動かすとバレてしまう)。そこで、全体を撮る時はミニチュアが使われました。

映画『タイタニック』

映画『タイタニック

例えば、タイタニック号の船首に立ったジャック(レオナルド・ディカプリオ)が「世界は俺のものだ!(I'm the king of the world!)」と叫び、カメラがグーッと引いて船の全体を映す有名なシーンでは、本物の役者とミニチュアのタイタニック号を一つの画面に合成しているのですよ(別々に撮影した映像の動きを完璧に合わせるためにモーション・コントロール・カメラが使用された)。

このミニチュアは全長44フィート(約13メートル)あり、細部に至るまで本物そっくりに作り込まれ、数万本におよぶリベットを全て手作業で取り付けるなど、完成まで5ヶ月以上が費やされたそうです(他にも20分の1スケールや6分の1スケールなど、シーンに合わせて様々なサイズのミニチュアが作られた)。

さらにクライマックスの「真っ二つに裂けるタイタニック号」を撮影するために、実物大の船尾のセットを制作。船尾だけとは言え、長さが90フィート(約27メートル)もあるので撮影も大変です。このセットは沈没していく過程に合わせて角度を自由に変化(6~90度)させることが可能で、最終的には直立状態になった船尾から次々と乗客が落下していくシーンが撮影されました。

映画『タイタニック』

映画『タイタニック

ところが、あまりのデカさ(高さ)にスタントマンも四苦八苦!なんと乗客に扮した30人のスタントマンが同時に落下するシーン(もちろんワイヤーを付けて)を撮影していた時、頬骨を折ったり足首を骨折したり肋骨にヒビが入るなど、負傷者が続出したのです。

これを見たジェームズ・キャメロン監督は「安全面に十分な注意を払っていても、大勢のスタントマンが同時にスタントを行うとどうしても突発的なアクシデントが起きてしまう。しかし撮影現場でケガ人を出さないというのが私のポリシーで、たとえ起きる確率が低くても絶対に事故を起こしてはならない」と判断。そこで、このシーンではCGのスタントマンを使うことに決めたそうです。

 

こうして、毎日毎日フル稼働で撮影を続けたキャメロンですが、現場では予期せぬトラブルが起こりまくり、スケジュールはどんどん遅れていきました。タイタニック号を傾斜させる際も、当初の計画では6日で作業完了するはずだったのに実際は36日もかかってしまうなど、想定外の遅延が次々と発生したのです。

「実物大のタイタニック号を作る」という誰もやったことがない大事業に取り組んでいるわけですからやむを得ないとは言え、結局1997年7月の公開日には間に合わず、12月に延期されてしまいました。

しかし、クリスマスシーズンに公開されるや世界中で大ヒットを記録し、98年のアカデミー賞にて作品賞や監督賞など計11部門で受賞するなど高く評価されたのは皆さんご存知の通りです。

映画『タイタニック』

映画『タイタニック

というわけで、映画『タイタニック』の制作エピソードをざっくりご紹介しました。本作に対する世間の印象としては「2億ドルもかけて実物大のタイタニック号を作るなんて、やっぱハリウッドは金の使い方が違うな~!」などと思われているかもしれません

しかし、実際は事前にしっかりと予算やスケジュールを検討し、「実物大を作った方が費用対効果がいい」という結論に達したから、この方法を選んだだけなんですね(まあ結果的にはメチャクチャ予算オーバーしてしまいましたがw)。

今、改めて『タイタニック』を観ると、24年前に作られた映画にもかかわらず迫力や臨場感が少しも色あせていないことに驚かされます。その理由は「画面に映っているものがほとんど本物だから」であり、ジェームズ・キャメロン監督の凄まじいこだわりと執念が観る者に直接伝わってくるからでしょう。そういう意味でも、まさに”時代を超えた不朽の名作”と呼ぶに相応しい映画だと思います。

ちなみに、『タイタニック』の半年前に20世紀フォックスは1億6000万ドルを投じた超大作アクション映画スピード2を公開したんですが信じられないほど大コケしてしまい、「もし『タイタニック』までコケたらいよいよ会社がヤバいぞ!」と業界中で噂になっていました。そのため、関係者たちはみんな「頼むからヒットしてくれ…」と祈るような気持で『タイタニック』の興行に注目していたそうです(笑)。

 

●参考文献

テック・ノワール ジェームズ・キャメロン コンセプトアート集

ジェームズ・キャメロンが自ら描いたデザイン画、設計図、コンセプトアート等を収録した集大成作品集


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【2021年最新】Amazonプライムビデオおすすめ映画15選

ジョン・ウィック:パラベラム

ジョン・ウィック:パラベラム


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、いよいよ昨日からゴールデンウィークに突入した人も多いと思いますが、世間はコロナ禍の真っ只中で自粛ムードが漂い、東京や大阪では緊急事態宣言が出されて映画館も休業中など、全然盛り上がらない状況にガッカリですよ、トホホ。

だがしかし!

せっかくの大型連休なんだから、ゆっくり映画でも観たいじゃないですか?外で観られないのなら家で観よう!というわけで、本日はAmazonプライムビデオで配信している作品の中から個人的におすすめしたい映画をいくつかピックアップしてみましたよ。


●『ジョン・ウィック:パラベラム』
キアヌ・リーブス演じる伝説の殺し屋:ジョン・ウィックが、常人離れした激しいアクションで次々と敵を殺しまくる人気シリーズの第3弾。前作で犯罪組織の掟を破ったために世界中の暗殺者から命を狙われることになったジョンは、銃・ナイフ・本・馬などありとあらゆるものを武器にして奇想天外な攻撃を繰り出す!1作目と2作目も見放題の対象になっているので、未見の人はこの機会にぜひどうぞ。

●『アクアマン』

ソリッド・シチュエーション・スリラー『ソウ』で監督を務め、『インシディアス』や『死霊館』など数々のホラー映画をヒットさせてきたジェームズ・ワン監督が『アクアマン』を撮ると聞いて、最初は「なんか怖そう…」「一体どんなヒーロー映画になるんだ…?」と不安を感じたものの、いざ公開されるや世界中で大ヒットを記録し、DCコミックスの映画の中で歴代最高の興行収入を叩き出しました(『マン・オブ・スティール』や『ワンダーウーマン』よりも稼いでる)。

そんな『アクアマン』の見どころは、何と言っても「海を舞台に繰り広げられる壮絶なアクションシーン」でしょう。オーストラリアのワーナースタジオの敷地には9つの巨大な撮影スタジオがあるのですが、『アクアマン』の制作はその9つ全てを占有して行われ、しかもそれだけでは足りず、スタジオの外にまで超デカい野外セットが組まれたそうです。

こうした状況で撮影された『アクアマン』ですが、中でも苦労したのは全体の3分の2を占めると言われる”海中のシーン”で、ジェームズ・ワン監督は以下のように説明しています。

実際に水中で撮影してみたんだけど、泡も出るしなかなか上手くいかなかった。なので、ブルーバックを張ったスタジオの中で役者の体に”Tuning Fork”という特殊な器具を取り付け、それを自在に動かすことで水中の様子を再現したんだ。その映像をもとにCGで髪の毛や衣装をユラユラと動かしたんだけど、気が遠くなるような作業だったよ!

さらに水中での浮力を表現するために、全身青いスーツを着た2人のアシスタントがワイヤーで吊るされた役者の足を引っ張りながら撮影したという(リアリティを高めるためにスタントマンたちが水に潜って動きを研究し、半年以上かけて完成させたらしい)。このような苦労の末に生み出された『アクアマン』の水中シーンは、非常に幻想的で美しい場面に仕上がっており、当然ながらアクションもカッコいい!

●『レディ・プレイヤー1
西暦2045年を舞台に、VR世界で繰り広げられる様々なゲームと、そのゲームを必死でクリアーしようとするプレイヤーたちの熱い戦いを描いた巨匠スティーブン・スピルバーグ監督の大ヒットSF映画

最大の特徴は映画ネタの多さで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンや『マッドマックス』のインターセプター、『マッハGoGoGo』のマッハ号、『AKIRA』の金田バイクなど様々なマシンが登場する他、『ジュラシック・パーク』のティラノサウルスや『キングコング』のコング、さらには『シャイニング』のワンシーンがそのまま出てくるなど、数え切れないぐらいのネタが満載!こういうネタ探しも楽しみの一つでしょう。

●『バリー・シール/アメリカをはめた男
凄腕パイロットのバリー・シールは、ある日CIAに腕前を見込まれて極秘任務を依頼されるものの、やがてCIAの目を盗んでコカインの密輸に手を染めるようになった。CIAにバレて忠告されても耳を貸さず、どんどんヤバい仕事に手を出し始め…。

ボーン・アイデンティティー』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などのダグ・リーマン監督とトム・クルーズがタッグを組み、1970年代の実話を元にした破天荒なドラマをテンポよく描いています(主人公の行動はメチャクチャなんだけど、トム・クルーズが演じると妙にポジティブに見えるのが面白いw)。

●『シャザム!』
14歳の主人公ビリーがスーパーヒーロー:シャザムに変身できる能力を得たことで、「見た目は大人、頭脳は子供」という江戸川コナンとは真逆のキャラが爆誕(笑)。大人の体になったとはいえ中身は子供なので、コンビニでビールを買ったり、Youtubeに超能力の動画をアップしたり、貴重なスーパーパワーを無駄使いしまくります。

バットマンやスーパーマンなど真面目なキャラが多くて「暗い」と批判されがちなDCヒーローの中で、思い切り不真面目な方向へ振り切った本作はある意味で必見かもしれません(なお、福田雄一監督が演出を担当した日本語吹替え版はネットで炎上するほど不評だったので要注意w)。

●『ハンターキラー 潜航せよ』
アメリカの潜水艦とロシアの潜水艦が海底で激しいバトルを繰り広げる、と聞いて『レッド・オクトーバーを追え!』みたいな海洋アクション映画かと思いきや、途中から「ロシアの大統領救出大作戦」が始まるなど、色んな要素が入った盛沢山な内容にビックリ!

まあ「一つの映画で違ったアクションを楽しめる」という意味では”お得感”があるのではないでしょうか(笑)。『エンド・オブ・ホワイトハウス』や『ザ・アウトロー』など男くさい役ばかりのジェラルド・バトラーが主役を務めているのも世界観に合っててグッド(ただしジェラルド・バトラーのアクションはほぼありません。残念!)。

●『1917 命をかけた伝令』
「すさまじい臨場感!」「驚異の全編ワンカット!」などのキャッチコピーで公開された本作は、第一次世界大戦のヨーロッパを舞台にした戦争映画です。重要な指令を伝えるために最前線へ向かう若い兵士たちの姿をカメラがずっと追い続けているため、常時緊張感が漂っている点が特徴。なお「全編ワンカット」との触れ込みですが、途中で一気に時間が飛ぶシーンがあったりするのでワンカットではありません(長回しのカットが多いのは確かですが)。

●『パトリオット・デイ
2013年に開催された第117回ボストンマラソンの競技中に爆弾テロ事件が発生。3人が死亡、282人が負傷したこの事件をピーター・バーグ監督が映画化し、短時間で犯人逮捕に至った経緯を詳しく描いています。

なお、主演のマーク・ウォールバーグピーター・バーグ監督は『ローン・サバイバー』(2013年)や『バーニング・オーシャン』(2016年)でもコンビを組んでおり、『マイル22』(2018年)を合わせると4作品になります。相性がいいんでしょうかね。

●『マイル22
そんな『マイル22』は、『ローン・サバイバー』、『バーニング・オーシャン』、『パトリオット・デイ』が全て実話を元にしていたのに対し、ピーター・バーグマーク・ウォールバーグのコンビとしては初の完全フィクションになります。

本作でマークが演じるのはCIA軍事機関「グラウンド・ブランチ」の特殊部隊のリーダーで、東南アジアの某国に派遣されたマークたちが、ある理由から命を狙われている現地の警察官を亡命させるというストーリーです。

タイトルの「マイル22」とは、マークたちが警察官を移送する空港までの距離(約35.4km)のことで、途中で彼らを狙う敵との激しい銃撃戦や、時間通りに空港に着かなければ迎えに来た飛行機が飛び立ってしまうなど、様々な困難が待ち受けているのです。

さらに警察官を演じているのが、インドネシア映画『ザ・レイド』で凄まじい格闘アクションを見せたイコ・ウワイスなので、「パンツ一枚で戦うイコ・ウワイス」など破天荒なバトルが堪能できますよ(本人曰く、「4日間もパンイチのまま撮影していて大変だった」とのことw)。

●『クリード 炎の宿敵』
ロッキーのライバルであり親友のアポロ、その息子のアドニスクリードが悩み苦しみ、偉大な父を超えるようなボクサーへと成長していく姿を描いた前作『クリード チャンプを継ぐ男』はいい映画でした。

本作は、そんなクリードのその後を描いた続編ですが、今回戦う相手は『ロッキー4 炎の友情』でアドニスの父アポロをリング上で撲殺したイワン・ドラゴの息子:ヴィクター・ドラゴ!なんと息子同士の対決ですよ!

当然、クリードがどのようにしてヴィクター・ドラゴを倒すのか、その攻防が見どころではあるんですけど、実はドラゴ親子側のストーリーも結構泣かせるドラマになっていて、両方に感情移入できる点が面白い(サプライズで登場するあの人にもビックリ!)。

●『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』
北条司先生による人気漫画『シティーハンター』を実写化!と聞くと、映画ファンはジャッキー・チェンの香港映画を思い出して「ウッ!頭痛が…!」となってしまうのですが(まあ、あれはあれで悪くないと思うんですけどw)、本作はフランス製のアクション映画です。

実は、フランスでは1990年代から『キャプテン翼』や『ドラゴンボール』など日本のアニメがTVで放映され、子供たちの間で大ブームを巻き起こしていました。そんな中、本作の監督を務めたフィリップ・ラショーさんも『シティーハンター』に夢中になり、「いつか映画監督になって『シティーハンター』を実写化したい!」と心に決めていたそうです。

その後、本当に映画監督になってプロットを自ら北条司先生に持ち込み、ついに映画化の許可をゲット!なんと自分で冴羽獠を演じるほどの”シティーハンター愛”を見せました。

当然ながら、本編には原作に対するリスペクトが満ち溢れ、冴羽獠の愛車は原作と同じミニクーパー、しかもナンバーはアニメ版と同様の「32-98」(これは”ミニ・クーパー”という語呂合わせらしい)。

さらに仕事を依頼する際の「XYZ」もちゃんと原作通り駅の掲示板に書かれているし、獠にブチ切れた香が100tハンマーを振り回すシーンもバッチリ再現。おまけにエンディング曲はアニメ版と同じくTM NETWORKの『Get Wild』が流れる!これはファンにはたまりません!

なお、本作の日本語吹替え版では冴羽獠の声を山寺宏一さんが担当していて、「あれ?神谷明さんじゃないの?」と思ったら、どうやらフィリップ・ラショー監督の「ぜひ神谷さんにやって欲しい」という依頼を断っていたようです(色々と事情があった模様)。

そして神谷さん自身が山寺さんに「代わりに君が演じてくれ」と頼んだらしい。最初、山寺さんは「神谷さん以外の冴羽獠なんて考えられない」と戸惑っていたようですが、何度も説得されて引き受けることにしたという(神谷さんも別の役で参加しています)。

●『ザ・フォーリナー/復讐者』
「娘を殺された父親がテロリストに復讐する」という、ジャッキー・チェンの映画とは思えないほどシリアスなムードが漂いまくっている本作は、全編に渡って死んだ目をしたジャッキーが次々と人を殺していく異色作です。

ロンドンでチャイニーズ・レストランを経営しているクァン(ジャッキー)は「元アメリカ特殊部隊員」という過去を持ち、ベトナム戦争で活躍した優秀な工作員でした。そんなベトナム戦争時代の超絶スキルを存分に発揮し、悪党どもを処刑していくジャッキー。

監督のマーティン・キャンベルは『007 ゴールデンアイ』や『カジノ・ロワイヤル』などのスパイアクションものを手掛けており、本作のアクションについて「今までのジャッキー映画のようなカンフー戦にはしたくなかった。軍隊の戦闘スタイルやリアルな格闘術を目指した」と語っていますが、なんと日本で公開されたバージョンではジャッキーの意向でアクションシーンが増えているのですよ。

具体的には物語の中盤、森の中でナイフを持った敵と戦うシーンや、クライマックスの爆破テロ犯たちとの格闘戦などが海外版よりも長くなり、”ジャッキーっぽいアクション”が追加されているのです。ジャッキーファンには嬉しいですねえ。

●『ザ・ファブル
伝説的な殺し屋:ファブルは、あまりにも多くの仕事をこなし過ぎたため、ボスから「1年間誰も殺さず一般人として暮らせ」と命じられる。長年、凄腕の殺し屋として生きてきたファブルはその命令を守れるのか…?

南勝久先生による人気漫画を岡田准一さん主演で実写化した本作は、「ほぼ全てのアクションシーンをスタントなしで本人が演じる」という点が話題になりました。これを聞いて「すごいプロ根性だな!」と感心したんですが、岡田さんは後のインタビューで「ファブルは覆面を被ってるんだから、僕が演じなくてもいいんじゃないの?って言ったんだけど、スタッフから”動きが独特で他の人には真似できない”と言われて仕方なく…」などと証言(笑)。

しかし、岡田さん自身はアクションにもの凄いこだわりを持っていて、本作では『ボーン・アイデンティティー』や『96時間/リベンジ』などに参加したアクション監督のアラン・フィグラルツが「ファイトコレオグラファー(アクションの振り付け担当)」として参加してるんですが、なんと岡田さんもファイトコレオグラファーでクレジットされてるんですよ。

実際、撮影現場では岡田さんがアクションを提案したり、アラン・フィグラルツの構成したアクションにキャラクターの芝居を足したり、細かい動きを色々調整していたようです。しかもそのアクションを自分が演じる際は、「カメラマンに”動きが速すぎてとらえ切れない”と言われたので、ちょっと遅くしました(笑)」とのこと。岡田准一スゲ~!

●『プロメア』
人気アニメ『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』などを手掛けた名コンビ、今石洋之監督と脚本化の中島かずきがスタジオ「TRIGGER(トリガー)」制作で初のオリジナル劇場アニメに挑んだのが本作です。

ガイナックス出身の凄腕アニメーター:すしお(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序・破・Q』など)が作画監督を務め、『シン•エヴァンゲリオン劇場版』で総作画監督とキャラクターデザインを担当した錦織敦史が原画で参加するなど、多くの優れたアニメーターが集結。縦横無尽に暴れ回る見事なアクションが堪能できますよ。

さらに松山ケンイチ早乙女太一堺雅人ケンドーコバヤシ古田新太など人気俳優や芸能人が声優としてキャラに声を当ててるんですが、非常に上手い!特にクレイ・フォーサイトを演じた堺雅人さんは半沢直樹ばりの絶叫演技でクライマックスを大いに盛り上げています(笑)。

というわけで、Amazonプライムビデオで観られる映画をいくつかご紹介したんですけど、アマプラでは定期的に作品の入れ替えが行われていて、「いつか観ようと思っていたらいつの間にか見放題配信が終了していた」というパターンも少なくないんですよね。

例えば、2018年に公開されて大ヒットを記録した『ボヘミアン・ラプソディ』なども、現時点では見放題配信の対象となっていますが、「30日以内にプライム会員特典ではなくなる作品」として告知されているのです(観てない人はお早めに!)。

他にも、ジャン・レノナタリー・ポートマンの演技が多くの感動を呼んだリュック・ベッソン監督作品『レオン』や、ジェイソン・ステイサムの華麗なアクションを堪能できる『トランスポーター』シリーズ、『ゴジラvsコング』のアダム・ウィンガード監督が撮った新感覚スリラー『サプライズ』など、終了間近の映画が色々ありますので見放題が終わってしまう前にぜひどうぞ。