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宮崎駿監督、引退を発表(何回目?)


「『風立ちぬ』を最後に、宮崎駿監督は引退することを決めました!」

9月1日、イタリア北部で開催中の第70回ベネチア国際映画祭で、アニメ界の巨匠:宮崎駿監督(72)が引退することが突然発表されました。公式会見終了間際にスタジオジブリ代表取締役社長:星野康二氏(57)の口から飛び出したこの衝撃的な発言に、各国の記者たちは信じられない表情を浮かべたそうです。

宮崎駿、引退」という電撃発表は、当然日本のメディアでも大きく取り上げられましたが、実は宮崎監督の引退宣言はこれが初めてではありません。1997年にもののけ姫が公開された時、完成報告会の席上で「自分がスタジオジブリの重鎮としていつまでも存在するのは若手にとってよくない」、「ちょっと未練があるうちにおさらばしたい」と第一線から退くことを明かしたため、「宮崎駿の最後の作品!」と大々的に報じられました。その結果、『もののけ姫』は日本中で大ヒットを記録し、『E.T.』が持っていた日本の映画興行記録を15年ぶりに塗り替えたのです。

しかし、2001年には千と千尋の神隠しを制作し、「4年前に引退すると言っていたが、また出てきました」と一度は引退を撤回。再度、長編映画作りに意欲を燃やす宮崎監督。ところが、映画が完成すると「長編映画を作るのは、体力的にも気力的にも、もう限界です」、「これからは美術館などの準備に携わり、トボトボとやっていきたい」などと記者会見の席上で述べたため、再び「今度こそ宮崎駿の最後の作品!」と盛り上がり、映画は史上空前の大ヒット。興収304億円、観客動員数2300万人という日本国内の映画興行成績における歴代トップの記録を打ち立てました。

で、『千と千尋』が本当に最後の作品になるのかと思ったら、2004年にハウルの動く城を制作。完成記者会見ではまたしても「映画製作に情熱が持てなくなった」、「ここ数年で最高の辞めどき」などと引退をほのめかす発言を繰り返すものの、世間の反応は「あ〜、また言ってるよ」みたいな感じであまり騒ぎにならず。案の定、2008年には崖の上のポニョを作ることになったのです。これ以外にも、『紅の豚』や『ラピュタ』や『ナウシカ』など、宮崎監督は映画を作り終える度に「もう辞める!」と言い続けているのですよ。

いったい、どうして何度も引退宣言をしながら、結局また映画を作ってしまうのでしょうか?スタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーによると、「毎回、全身全霊を打ち込むから、そうなってしまうんですよ」とのこと。映画の制作から完成、そして公開までで疲労困憊の極地に至ってしまい、季節すらわからなくなり、ハリやマッサージをしても効き目がないような状態になり、心身が安定するのに数ヶ月もかかるのだという。つまり、全て出し切ってしまってこれ以上の製作は無理だと「引退宣言」してしまうが、暫くすると心身が充実し始めて「また映画を作りたい」という気持ちになるらしい。鈴木氏曰く、「本人は決して嘘をついているわけではなくて、その時は本気でそう思ってるんですよ」とのこと。ちなみに、現在発売中の雑誌『Cut』最新号には『風立ちぬ』に関する宮崎監督のインタビュー記事が掲載され、映画公開後の率直な心境を語っています(以下、一部を抜粋して引用)。

『ポニョ』を作った時に「これが最後だ」と言っていた件について


・「うん、まあ、毎回最後だと思ってるんですけど。僕は『もののけ姫』の時も最後だと思ったし、もう毎回最後だと思ってやってるんだけど、今回はねえ、今までとはちょっと違うんじゃないかと自分で思ってますけど。そんなこと言い張ってもどうせ信用しないから、言わないですけど」


・「僕はこれ(『風立ちぬ』)でリアル路線をずーっと続けたいなんて、夢にも思ってませんからね。次は豊田佐吉だとかね、そういうことではないですよ」、「基本的に、自分はファンタジーを作ろうと思ってきた人間ですから。それがまあ、こりゃダメ、いかんわって思ったからにすぎないんで。その先に続けるためにこれを作ったんじゃないから」


・「まあ、(次回作を)やるかやらないかってことではないと思ってますけどね。でも、僕はちゃんと1回、幕を引かなきゃいけないと思ってますよ。みっともないですよ、やったら」、「特にやっぱりね、アニメーションは目を使うから、細かいものを描くという意味でもね、本当に限界が来たというのは良くわかるんですよ」


・「”『風立ちぬ』は宮さんの遺言だ”って鈴木さんが言って歩いてても、そりゃそうだよなあと。まあ、でも僕は、これが遺言かどうかはともかく、もし自分がやりたいという気持ちが出たとしても、もう辞めた方がいいって思いますよ。もう限界ですね。人の絵を紙に乗っけて直したりなんかしてんのはね、やりたくない!なんでこんなバカなもん描いてんだろう、ということも含めてもういいやって」


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この記事を読むと、本当に体力・気力の限界を感じてるんだなあという気がしますね。ただ、鈴木敏夫プロデューサーが言うように、暫く休んで心身ともに回復したら、また映画作りの情熱が甦ってくる可能性も…。

とりあえず、9月6日に宮崎監督の口から重大発表があるみたいなので、どんな発言が飛び出すのか待ちたいと思います。


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