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中国版の実写映画『カイジ 動物世界』が色々すごすぎる!

映画『カイジ 動物世界』

映画『カイジ 動物世界』

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

本日、金曜ロードSHOW!で実写映画版の2作目となる『カイジ2 人生奪回ゲーム』が放送されます。福本伸行の人気漫画を実写化した本シリーズは現在3作目の『カイジ ファイナルゲーム』が公開中なんですが、実は中国でも実写映画が作られていたことをご存知でしょうか?

カイジ 動物世界』と名付けられた中国版の実写映画は、一見すると日本版と同じように見えます。しかし、病気で入院している母親の治療費を稼ぐためにカイジが働いていたり、カイジに可愛い恋人がいたり、色んな設定が追加・変更されているのです。

中でも最大の特徴は、カイジが「ピエロのヒーロー」に変身すること!

なんと中国版のカイジは、幼いころのトラウマが原因で精神に強いショックを受けるとフラッシュバックが起こり、そのストレスが頂点に達すると突然『ジョーカー』みたいなピエロに変身してしまうのですよ。

映画『カイジ 動物世界』

映画『カイジ 動物世界』

しかもピエロになったカイジは『スパイダーマン』のような最強パワー&素早い身のこなしで、襲い来る敵を次々とブチのめしていくのです。その姿はまさにアメコミ映画のスーパーヒーローそのもの!カッコいい~!

映画『カイジ 動物世界』

映画『カイジ 動物世界』

もちろん原作は『カイジ』ですから、ギャンブルのシーンもちゃんとあります。雑にあらすじを説明すると、「友人に騙されて多額の借金を背負ってしまったカイジは、”人生の落後者”ばかりを集めた謎の大型船に乗り込み、一発逆転をかけて”限定ジャンケン”に挑む…」というストーリーです。

これだけなら紛れもなく『カイジ』なんですが(ゲームもほぼ原作通りに進行する)、いざ「限定ジャンケン」で勝負しようとテーブルについてカードを出したら、相手の男がいきなり恐ろしいモンスターに変身してしまうのですよ!うわあああ~!

映画『カイジ 動物世界』

映画『カイジ 動物世界』

実はこれ、ストレスを感じた際にカイジにだけ見える妄想シーン、つまり「脳内映像」なんです。要は、何らかの精神的プレッシャーに耐え切れなくなったカイジが”現実逃避”しているわけですが、この妄想シーンが割と頻繁に出て来る上に、かなり長いんですよね。

しかもピエロに変身したカイジが電車の中で大勢のモンスターと戦ったり、敵の車を奪って高速道路でハリウッド映画ばりの激しいカーチェイスを繰り広げたり、相当な時間と費用をかけて妄想シーンを完璧に映像化してるんですよ。

映画『カイジ 動物世界』

映画『カイジ 動物世界』

これらのビジュアルはCGもアクションも非常にクオリティが高く、見どころの一つと言えるでしょう。しかしながら、「たかが妄想シーンにここまでやる必要があるのだろうか?」という気がしなくもないし、そもそもストーリーには何の関係も無いので、正直「力を入れるポイントを完全に間違えている」としか思えません(笑)。

というわけで、日本版とはだいぶイメージが異なる中国版の『カイジ』ですが、「これはこれで面白い」「むしろ日本版よりも好き」という意見もあるようなので、興味がある方はぜひ一度ご覧ください。

なお、カイジたちを苦しめる帝愛グループの利根川役は、日本版では香川照之が演じていました。一方、中国版で利根川を演じているのは、なんと『ウォール街』や『危険な情事』などで世界的に有名なハリウッド俳優マイケル・ダグラスえええええ!?

映画『カイジ 動物世界』

映画『カイジ 動物世界』

なぜマイケル・ダグラスにこの役をオファーしたのかよく分かりませんが(笑)、「金は命より重い!」とか「勝つことが全て!勝たなきゃゴミだ!」などの名台詞でお馴染みの利根川をノリノリで演じるマイケル・ダグラスの姿は一見の価値ありですよ(^.^)

 

実は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主演はマイケル・J・フォックスじゃなかった

『実はカットされてました』より

『実はカットされてました』より

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、年末年始に実家でのんびりテレビを見ていた人も多いんじゃないかと思いますが、昨年の大晦日にちょっと気になる番組が放送されたんですよ。

『実はカットされてました』という番組で、「世の中に存在するものは完成形の状態になるまで様々な部分がカットされている」「そのカットされた部分に注目し、一体なぜカットされたのか、経緯や状況を調査する」という内容でした。

出演者はお笑い芸人の和牛や、麒麟の川島さん、ジャニーズJr.の阿部亮平さん、アナウンサーの宇垣美里さんなど。そして取り上げられた話題は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主演俳優に関するエピソードです。

ここで、「え?『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主役ってマイケル・J・フォックスだよね?」「ちゃんと映像に残ってるじゃん」「カットされてたってどういうことなの?」と疑問に思う人もいるでしょう。

実はこの話、映画ファンの間では割と有名で知ってる人も多いんですけど、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公って、元々は別の人が演じてたんですよ。それがエリック・ストルツという俳優です。

『実はカットされてました』より

『実はカットされてました』より

エリック・ストルツといえば、1982年の『初体験/リッジモント・ハイ』で映画デビューし、『マスク』や『恋しくて』、『ザ・フライ2 二世誕生』などで主演を務めたイケメン俳優です(ちなみに『初体験/リッジモント・ハイ』は、ジェニファー・ジェイソン・リーショーン・ペンフォレスト・ウィテカーニコラス・ケイジなど意外と豪華キャストだった)。 

後にゴールデングローブ賞にノミネートされたり、ブロードウェイで活躍するなど、その演技力が高く評価されるエリック・ストルツですが、デビュー当時はさほど注目されていたわけではありません。

しかし、ユニバーサルスタジオの当時の社長だったシドニー・シャインバーグがなぜかエリックを気に入り、「うちの映画にも出演させたい!」と熱望。そんな時に出てきた企画が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だったのです。

当初、監督のロバート・ゼメキスは主人公のマーティ役にマイケル・J・フォックスを希望していましたが、その頃のマイケルは人気TVドラマ『ファミリー・タイズ』の撮影で毎日大忙しでした。 

そのため、出演交渉した際も「この番組を支えているのはマイケルだ。映画のために彼を現場から離すことは出来ない」と『ファミリー・タイズ』のプロデューサー(ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ)に断られてしまったのです。

つまり、この時点ではマイケル・J・フォックス本人に何も知らされないまま、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオファーが断られてたんですね(マネージャーも「マイケルが興味を示すと困るから…」と考えて脚本を見せなかったらしい)。

そこで仕方なく、ロバート・ゼメキス監督はシドニー・シャインバーグ社長の要望に従い、エリック・ストルツを主役に起用。すでに映画の公開日が7カ月後に迫っていたこともあり、急いで撮影が開始されました。

マーティを演じるエリック・ストルツ

マーティを演じるエリック・ストルツ

ところが、いざ撮影が始まるとロバート・ゼメキス監督は「なんか思ってたのと違うなあ…」と違和感を感じたそうです。「自分が想像していた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のイメージってこういうのじゃないんだけどなあ…」と。

それでもスケジュールが押していたため無視して撮影を続けたんですが、違和感は日に日に強まっていき、6週間後にとうとう我慢できなくなってスティーブン・スピルバーグを映写室に呼び寄せ、「どう考えても面白い映画になっているとは思えない。自分が間違ってるんだろうか?」と撮影したフィルムを見せたそうです。

するとスピルバーグは映画を観終わって冷静に答えました。「いや、君の言う通りだ。完全に笑いの要素が死んでるよ」と。

『実はカットされてました』より

『実はカットされてました』より

なんと、エリック・ストルツが演じたマーティは全然面白くなかったのですよ!

ゼメキス監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をコメディ映画として撮っていたのですが、意図したユーモアが全く発揮されていませんでした。つまりエリックの撮影シーンは、「面白くなかったからカットされた」のです。

『実はカットされてました』より

『実はカットされてました』より

普通、こんな状況はあり得ません。もちろん病気で主役がやむを得ず降板するとか、現場で監督とモメて降板させられるというパターンは過去にもありました。しかし、6週間も撮影を続けた挙句に「面白くないから」という理由でクビになった主演俳優は、恐らくエリック・ストルツだけでしょう。

ドク役でエリックと共演していたクリストファー・ロイド「6週間演じ続けたのに降板なんて、私ならショックで立ち直れないよ」と当時の状況を振り返っています。せめて、もう少し早く指摘してくれればなあ…(-_-;)

『実はカットされてました』より

『実はカットされてました』より

それにしても、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?決してエリック・ストルツの演技が悪かったからではありません。むしろ「彼の役者としての能力は非常に優れていた」とゼメキス監督も認めています。

エリックは単にミスキャストだった。それは彼の才能とは全く関係ない。エリックは素晴らしい俳優だよ。けれど、彼のコメディ感覚が、この映画で私が思い描いたものとは決定的に違っていたんだ。もし映画をそのまま作っていたら、きっと大失敗しただろう。非常につらい決断だったが、映画のためには彼に降りてもらうしかなかったんだ。

いや~、「コメディ感覚が違っていた」と言われても…。それはもう演技力云々ではなく、「資質」とか「センス」とか、そういう問題ですよねぇ。しかし、このことはゼメキスやスピルバーグだけでなく、なんと当のエリック本人も「自分はマーティ役に合ってないのでは…?」と薄々気付いていたようです。えええええ~!?

どうやら監督や他のスタッフたちの反応を見て「何か違うな…」と思っていたらしく、でも主役なので自分から「降ろしてください」とは言い出せず、そのまま6週間経ってしまったと。だから監督に呼び出されて「申し訳ないけど、君の仕事は今日で終わりだ」と告げられた時も「ああ、やっぱりそうなったか…」という気持ちだったらしい。う~ん、つらいなあ…

『実はカットされてました』より

『実はカットされてました』より

しかし、問題はこの後です。撮影はすでに折り返し地点を過ぎており、このタイミングで主役が降板となったら残りのシーンはどうするのか?最悪、「製作中止」ということにもなりかねません。

スピルバーグとゼメキスは悩んだ末、「マイケルを起用して再撮影しよう」との結論に至り、ユニバーサルの社長に報告しました。前代未聞の提案を聞かされた社長は驚いて「君たちは、それがこの映画にとって最良の選択だと本気で思っているのか?」と訊ねると、2人は迷いなく「はい」と答えたそうです。

こうして、主役をマイケル・J・フォックスに変えて撮影を続行することが決まり、ロバート・ゼメキス監督は「今度こそマイケルに出演してもらわなくては!」と再び『ファミリー・タイズ』のプロデューサー:ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグの元へ交渉に出かけました。

驚いたのはゲイリーです。「あの映画はエリック・ストルツの主演で撮影していたはずでは…?なに、降板させた?6週間も撮ったのに全部ボツ?正気か!?で、マイケルで最初から撮り直したいだと?そんなバカな!ウソだろ?ユニバーサルの社長はそれを了承したのか!?なんてこった、信じられない…」と呆れ返っていたそうです。

しかし、「それほどまでにマイケル・J・フォックスを必要としているのか…」とゼメキス監督の熱意に心を打たれたゲイリーは「正直マイケルがいなくなるのは困るが、こんなに大きな仕事のチャンスを2度も彼から奪うことはできない。『ファミリー・タイズ』の撮影を最優先してくれるなら、この脚本をマイケルに渡そう。あとは彼の判断に任せるよ」と答えました。

その後、ゲイリーはオフィスにマイケルを呼び寄せて『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の脚本を渡し、「スピルバーグとゼメキスの新作だ。最初はエリック・ストルツで撮影していたが納得いかなかったらしい。どうしても君を主役にしたいそうだ。読んでみて、もし気に入ったなら出演すればいい」と説明。

するとマイケルは脚本を受け取るやいなや「もちろん!喜んでやらせてもらうよ!」と即答したそうです。

こうしてついにマイケル・J・フォックスの出演が実現したわけですが、それから3カ月半の間、彼は以下のようなとてつもないハードスケジュールをこなさなくてはなりませんでした(後年のインタビューより↓)。

毎朝9:30に運転手が僕を迎えにきて、パラマウント・ピクチャーズへと連れていき、昼間はその週のドラマ(『ファミリータイズ』)のリハーサルをする。夕方の17:00に通し稽古を終え、18:00にはまた別の運転手が迎えに来て、僕をユニバーサルスタジオか、あるいはどこか遠くのロケ現場へと連れていき、翌日の明け方近くまで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の仕事をするんだ。

その後、僕は製作会社のクルマの後部に、枕とブランケットをもって這いずり込み、また別の運転手が僕を家まで送って行く。時には僕を文字通り部屋まで運び、ベッドに降ろしていくこともあったよ。そして夜が明けるまでの2~3時間だけ睡眠をとり、朝になったらコーヒーを沸かし、シャワーを浴びて僕を”再始動”させるんだ。また同じプロセスをスタートするためにね。

月曜日から金曜日まではこのような凄まじいスケジュールで、さらにドラマの撮影がない土日も朝からガッツリ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を撮っていたという。つまり3カ月半休み無し!あまりの忙しさに「終盤はもう、どっちの役を演じているのか分からなくなるほどだった」とのこと。大変な状況で撮影してたんですねぇ(苦笑)。

しかもマイケルが合流した時点ですでに撮影が終わった場面のセットは撤去されており、それらを再び建て直すコストや他の出演者たちを再度招集するためのギャラなど、追加撮影だけで約8億円の費用がかかったそうです。うわあああ…

『実はカットされてました』より

『実はカットされてました』より

なお、エリック・ストルツが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に与えた影響は、これだけではありません。

まず、マーティの母親ロレイン役を演じたリー・トンプソンは、1984年の『ワイルド・ライフ』でエリックと共演していて、それを観たゼメキスが「二人の相性は良さそうだ」と判断し、本作に起用したらしい。

つまり、最初にエリックがキャスティングされていなければ、リー・トンプソンも起用されなかったかもしれないのですよ(ちなみにエリックとリー・トンプソンは『BTTF』の後の『恋しくて』でも共演している)。

エリック・ストルツとリー・トンプソン

エリック・ストルツとリー・トンプソン

また、いじめっ子のビフ・タネン役は元々、ビフの手下のスキンヘッド役を演じたJ.J.コーエンが演じる予定でした。ところが、エリックの身長が180センチ以上もあったため、一緒に並ぶとコーエンが小さく見えてしまう。そこで、大柄な俳優としてトーマス・F・ウィルソンが起用されたそうです。

さらに、ヒロインのジェニファー役はクローディア・ウェルズにオファーされたものの、マイケル・J・フォックスと同じくTVドラマの撮影時期と重なっていたため出演できず、代わりに『彼女に首ったけ!』や『幸せになるための27のドレス』などのメロラ・ハーディンが起用されました。

メロラ・ハーディン

メロラ・ハーディン

しかし、マイケルの出演が決まると今度はマイケルの身長が低すぎて、メロラと並んだ時のバランスが悪いことが発覚。そこで再びクローディアに出演を依頼したところ、ちょうどドラマの撮影が終わってスケジュールの都合がついたため、最初の予定通りジェニファー役を演じることができたのです(逆にメロラは降板)。

このように、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の出演者は最終的な形に決まるまで、何人も降板したり役が入れ替わったり、様々な紆余曲折を経た末にようやく実現した配役なわけで、まさに「奇跡のキャスティング」と言えるんじゃないでしょうか。今ではこの配役以外に考えられませんが、”物凄い偶然の結果”として生まれた作品だったんですねぇ。

なお、主役を降ろされたエリック・ストルツはその後、俳優から監督業へ転向し、大成功を収めたそうです(^.^)

 

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もしもミルクボーイが『スター・ウォーズ』のネタで漫才をやったら

ミルクボーイ

ミルクボーイ

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、先日TVで『M-1グランプリ2019』が放送されました。今年は全体的にレベルが高くて、大変な激戦になったんですが、その中で見事に優勝を勝ち取ったのがミルクボーイです。

僕はミルクボーイの漫才を初めて見たんですけど、いや~、本当に面白かったですねえ!「オカンの好きな食べ物はコーンフレークか?そうでないのか?」というだけの話を、こんなに面白く語れるなんてすごい!と感激しましたよ。

しかし、ミルクボーイを見ていると「もし『スター・ウォーズ』をネタにしてこういう漫才をやったらどうなるんだろう?」という妄想を抑え切れなくなり、思わず勝手に書いてしまいました(笑)。というわけで、以下ミルクボーイのやり取りを想像しながらお読みください。

 


駒場「あの~、うちのオカンがね、大好きな映画があるらしいんやけど、そのタイトルをちょっと忘れたらしくて」

内海「え~?大好きな映画やのにタイトル忘れるて、どないなってんねん、それ」

駒場「色々聞いたんやけど、全然わかれへんねんな」

内海「なるほど~、ほな俺がオカンの好きな映画のタイトル、一緒に考えてあげるから、どんな特徴を言うてたかちょっと教えてくれる?」

駒場「うん。オカンが言うには、宇宙が舞台のSF映画で、黒いマスクを被った悪いやつにお姫様がさらわれて、主人公とその仲間たちが宇宙船に乗ってお姫様を助け出す話やって

内海「それは『スター・ウォーズ』やないか!その特徴はもう、完全に『スター・ウォーズ』やがな!すぐわかるやん、そんなの!」

駒場「いや、俺も『スター・ウォーズ』やと思ったんやけどな」

内海「そうやろ?」

駒場「オカンが言うには、ものすごく深い人間ドラマに感動したって言うねんな

内海「う~ん……ほな『スター・ウォーズ』と違うか~。『スター・ウォーズ』には深い人間ドラマなんか全くないもんね」

駒場「そやねん」

内海「『スター・ウォーズ』はカッコいい宇宙船や大迫力のアクションや魅力的なキャラクターをただただ楽しむだけの映画やからね。深い人間ドラマなんて誰も求めてないから。『スター・ウォーズ』ってそういうもんやから。ほな、もうちょっと詳しく教えてくれる?」

駒場「オカンが言うには、主人公が柔道着みたいな服を着てるらしい

内海「『スター・ウォーズ』やないか!ジョージ・ルーカス黒澤明の大ファンで、『隠し砦の三悪人』の影響を受けてることは有名やで!そのせいでルーク・スカイウォーカーの衣装が昔の時代劇みたいになっとんねん!『スター・ウォーズ』や、そんなもん!」

駒場「いや、わからへんねん」

内海「何がわからへんの!?」

駒場「オカンが言うには、三船敏郎が出演してるらしい

内海「ほな『スター・ウォーズ』とちゃうやないか!確かにジョージ・ルーカスはオビ=ワンの役を三船敏郎にオファーしたけど、それを三船は断ったんや!その後、ダースベイダーの役でもオファーしたけど、それも断られとる。代わりに起用されたのがアレック・ギネスや。三船敏郎が出てるなら『スター・ウォーズ』ちゃうやんか!ほな、もうちょっと何か言うてなかったか?」

駒場「オカンが言うには、黒いマスクの強敵が実は主人公の父親らしい

内海「『スター・ウォーズ』やないか!当時、『帝国の逆襲』を観た観客が全員あの”I am your father”のシーンでひっくり返ったんやから!映画ファンなら誰でも知ってるで!『スター・ウォーズ』や、そんなもん!」

駒場「いや、わからへんねん」

内海「何がわからへんの!?」

駒場「オカンが言うには、ヒロインのお姫様がメッチャ美人らしい

内海「ほな『スター・ウォーズ』とちゃうやないか!昔からファンの間ではレイア姫がブサイクやブサイクやって言われ続けとんねん!『スター・ウォーズ』のレイア姫と『スパイダーマン』のMJと『ロッキー』のエイドリアンは”世界三大ブサイクヒロイン”と呼ばれとるんや!ヒロインが美人なら『スター・ウォーズ』ちゃうがな!ほな、もうちょっと何か言うてなかったか?」

駒場「オカンが言うには、強そうに見えた敵があっさり死ぬらしい

内海「『スター・ウォーズ』やないか!『スター・ウォーズ』に出て来る強そうな敵は、だいたいすぐに死によるねん!ボバ・フェットが砂漠で穴に落ちて死んだ時も、”え?今のでアイツ死んだん?ウソやろ?あんなに強そうに見えてたのにメッチャ弱いやん!”ってみんなビックリしたんやから!『スター・ウォーズ』や、そんなもん!」

駒場「いや、わからへんねん」

内海「何がわからへんの!?」

駒場「オカンが言うには、登場するメカが全部新品みたいにピカピカらしい

内海「ほな『スター・ウォーズ』とちゃうやないか!『スター・ウォーズ』に出て来るメカは、どれもこれも使い古されてボロボロなんやから!もう”どんな使い方したらここまでボロボロになるねん?”いうぐらいボロボロやから!『スター・ウォーズ』で新品のメカなんて見たことないから!『スター・ウォーズ』ちゃうがな!ほな、もうちょっと何か言うてなかったか?」

駒場「オカンが言うには、1999年に公開された続編がメッチャ酷評されたらしい

内海「『スター・ウォーズ』やないか!『エピソード1/ファントム・メナス』は、公開前は確かにみんな期待してたけど、いざ公開されたらバッシングの嵐やったんやから!”俺らが観たかったのは、こんなんとちゃう!ルーカス出てこんかい!”って暴動が起きたんやから!『スター・ウォーズ』や、そんなもん!」

駒場「いや、わからへんねん」

内海「何がわからへんの!?」

駒場「オカンが言うには、その続編に登場したフルCGのキャラクターが世界中で大人気やったらしい

内海「ほな『スター・ウォーズ』とちゃうやないか!ジャー・ジャー・ビンクスの嫌われっぷりは、もうホンマに凄まじかったんやから!映画会社に”ジャー・ジャー、ウザいんじゃボケ!”みたいな苦情が殺到するわ、第20回ラジー賞で最低助演男優賞を受賞するわ、オモチャ屋のジャー・ジャーの人形だけが大量に売れ残るわ。挙句の果てに”映画史上もっとも不愉快なキャラクター”の第1位に選ばれたんやで!あまりにも不人気すぎて、ジャー・ジャーを演じた黒人俳優のアーメド・ベストがTwitterで”当時は自殺を考えていた”って告白までしとるんよ!『スター・ウォーズ』ちゃうがな!ほな、もうちょっと何か言うてなかったか?」

駒場「オカンが言うには、2017年に公開された『エピソード8』が賛否両論で大騒ぎになったらしい

内海「いや、『エピソード8』って言うてもうてるがな!もう完全に『スター・ウォーズ』やないか!『最後のジェダイ』は”こんなルーク見たくない!”とか、”フォースの使い方おかしいやろ!”とか、”ベニチオ・デル・トロは何しに出て来たんや!?”とか、ファンから散々叩かれまくったんやから!特にローズに対する批判が一番ひどくて、”ただの天童よしみやないか!”みたいなクレームが多すぎたせいかどうかは知らんけど、最新作『スカイウォーカーの夜明け』のローズの出番が激減しとるんよ!あと、スノークがカイロ・レンにやられて死んだ時も、”え?今のでアイツ死んだん?ウソやろ?あんなに強そうに見えてたのにメッチャ弱いやん!”ってみんなビックリしたんやから!絶対に『スター・ウォーズ』や、そんなもん!」

駒場「いや、わからへんねん」

内海「わからへんことない!オカンの好きな映画は『スター・ウォーズ』で決まりや!」

駒場「いや、オカンが言うには、スター・ウォーズ』ではないと

内海「ほな『スター・ウォーズ』ちゃうやないか!オカンが『スター・ウォーズ』ではないと言うなら確実に『スター・ウォーズ』ではないやんか!先言えよ!」

駒場「申し訳ない」

内海「もうホンマに何の映画かわからへんやないか!どうなってんねん!?」

駒場「オトンが言うには、アナと雪の女王』ちゃうか?って

内海「いや絶対ちゃうやろ」

ミルクボーイ

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