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映画『デアデビル』感想

エレクトラ

デアデビル』に登場した最強のヒロイン・エレクトラを主人公にしたスピンオフ企画『エレクトラ』が、5月に全国公開される。映画『エレクトラ』は、デアデビルに父親を殺害されたと思いこみ、復讐に燃え悲しい運命を辿った海運王の娘エレクトラを主人公に、独自のヒロイン像と世界観で描いたアクション超大作だ。エレクトラ役は『デアデビル』に続き、ジェニファー・ガーナーが自ら熱望しキャスティングされている。映画『デアデビル』では黒だったエレクトラの衣装が、原作コミックと同じ赤になって露出度もアップしているのは嬉しい限りだ。

しかし公開に先駆け、1月27日都内・グランドハイアット東京で開かれた記者会見に現れたのは、エレクトラの命を狙う刺客に扮したボブ・サップだった。ジェニファー・ガーナーはどうした!?そもそも本体である『デアデビル』自身の評価が低いのに、スピンオフ映画を作る事自体に無理があるのではないか?アメリカでは1月に公開されたはずだが、「ヒットした」という噂が全く伝わってこないのもより一層不安に拍車をかけている。つーか、本当に日本で公開されるのか!?


■あらすじ『12歳のマット・マードック少年(スコット・テラ)は、落ちぶれたかつての名ボクサーの父親ジャック(デイヴィッド・キース)と2人暮らし。ある日、廃棄物を目に浴びてしまったマットは盲目となるが、その代わり残りの感覚が超人的に鋭くなった。一方、ジャックはボクサーとして復帰するが、八百長を無視した為に殺されてしまう。やがて大人に成長したマット(ベン・アフレック)は、親友のフランクリン(ジョン・ファヴロー)と共に弁護士事務所を開業。そして昼は潔癖な弁護士として働きながら、夜になると司法の目をくぐり抜けた犯罪者に制裁を加えるヒーロー、デアデビルとなって活動する。ある日マットは格闘技の達人でもある女性エレクトラ(ジェニファー・ガーナー)と出会い、恋におちる。しかし犯罪王キングピン (マイケル・クラーク・ダンカン)が、殺し屋ブルズアイ(コリン・ファレル)に命じて、エレクトラの父親を殺害させてしまう。怒りに燃えるデアデビルは、ブルズアイとキングピンに戦いを挑む!』


世の中には『バットマン』や『スパイダーマン』など、アメコミ映画と呼ばれるものは数多く存在するが、『デアデビル』ぐらい評価の低いアメコミ映画は例が無いだろう。原因は色々考えられるが、最大の問題はデアデビルの見た目が想像を絶するほどにかっこ悪いという事だ。こげ茶一色のコスチュームは恐ろしく地味で、「いったいどうやったらこんなダサいデザインを思いつけるのか」と、感心するぐらいにイケてない。「デザインと製作に8ヶ月かけた」と言われているが、どこからどう見てもスーパーヒーローにはほど遠いその姿からは、デザイナーの苦労は1ミクロンも伝わってこないのだ。

また「主人公が産業廃棄物の毒液を頭から被る」というヒーロー誕生秘話も、『悪魔の毒毒モンスター』と同レベルで激しく観る意欲を萎えさせる一因となっている。さらにデアデビルは『X―メン』や『スパイダーマン』のように特殊な能力を持っているわけではなく、単に人より感覚が優れているだけなのだ。この為、見た目ばかりか戦闘シーンでもひたすら地味なヴィジュアルが続くのみ。

おまけに、デアデビルの戦闘力は「その辺のチンピラよりほんの少しケンカが強い程度」の実力しかないので、常に敵にやられまくってオールタイム瀕死の状態なのだ。ヒーローと呼ぶにはあまりにも弱すぎる情けない戦いぶりに、カタルシスはゼロ!間抜け度マックス!!!なんせ、映画の冒頭からいきなりデアデビルは全身ボロボロになって死にかけているのである。走馬灯から始まるヒーロー映画なんて、見た事も聞いた事もないぞ!

挙句の果てに、裁判に負けた腹いせとして相手の男を電車で轢き殺してしまうのだ。別に凶悪犯罪者でもないのに、である。これが弁護士のやる事か!?まったく、最低のヒーローとしか言いようが無い。このように『デアデビル』は呆れるぐらいデタラメな映画なのだが、その中で唯一と言える見所がエレクトラの存在なのだ。アクションもヴィジュアルも、はっきり言ってデアデビルの25倍ぐらいかっこいい。続編よりも先にスピンオフが作られてしまうのも納得の良キャラクターである。しっかりしてくれ、デアデビル