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映画『セルラー』ネタバレ感想

セルラー

最近どうも携帯電話のバッテリーの持ちが悪くなってきている。一晩充電して、朝持って外出すると夕方にはもう電池が切れているのだ。酷い時には、ちょっと長電話しただけですぐにランプが点滅する有様だ。やはり寿命か?しかたがないので近所のド○モショップへバッテリーを買いに出かけた。

すると店員から「現在この型のバッテリーは生産しておらず、在庫もありません」との事務的な返答が。機種変更してから一年も経っていないのに、もう対応するバッテリーを作ってない?新機種を買えと?ふざけんなコラー!!!手にしたピストルをカウンターに向けてぶっ放した!ビビった店員は店の奥からバッテリーを持って来て「ど、どうぞ使って下さい」。これはそんな映画です(半分ウソ)。


■あらすじ『生物教師のジェシカ(キム・ベイシンガー)は、自宅に押し入った見知らぬ男たちに誘拐される。リーダー格のイーサン(ジェイソン・ステイサム)はジェシカをある家の屋根裏へ監禁し、部屋の電話をハンマーで壊して出ていった。ジェシカは粉々になった電話のワイヤーを接触させて信号を送ると、ライアン(クリス・エバンス)という青年の携帯につながった。最初は取り合わなかったライアンも、ジェシカの緊迫した声に押され、幾度となく切れそうになる電波を持たせながらジェシカを救おうと奔走する。全米興行成績4週連続トップ10入りのスマッシュ・ヒットを飛ばした、これが衝撃のノンストップ・サスペンス・スリラーだ!!!』



そんなわけで、バッテリーの切れた携帯を持ったまま劇場に行ったのだが、これは面白い!近年稀に見るサスペンス・スリラーの傑作だ。原案は、『フォーン・ブース』の脚本を書いたラリー・コーエンである。さすが“電話”を使ったストーリーを書かせたら天下一と言われるだけの事はある。

この映画の最大の特徴は“展開の早さ”だろう。映画が始まって、キム・ベイシンガー扮する母親が息子を学校に送り、家に帰ったとたんにいきなり男がドアをぶち破って家に侵入、あっという間に彼女を拉致する!この間わずか2分弱(もっと短いか?)。

これはサスペンス映画における、事件発生までに要する時間の最速記録ではあるまいか?とにかく恐ろしいほどのハイ・テンポで物語が進行してゆくのだ。監督は『デッド・コースター』や『マトリックス・リローデッド』で、空前絶後の凄まじいカーチェイスを撮り上げたデヴィッド・R・エリス。本作でもそのスピード感溢れる演出手腕を思う存分発揮しており、見応え十分だ。

ただ正直言って、サスペンスそのものの作り込みは少々甘い。犯人たちの行動は結構間抜けだし、粉々になった電話を素人の彼女が何の工具も無しに修復してしまうのは説得力に欠ける。

特に主人公のライアンの行動は、あまりにもご都合主義過ぎて笑えてくるほどだ。バッテリーが切れかかって困っていると偶然目の前に携帯電話ショップがあったりなど、前半は完全にコメディである(というか、基本的にほぼコメディなのかも?)。

しかし常軌を逸した展開の早さに、不自然さを感じている暇など全く無い。95分という短い時間の中にありったけの面白アイデアをぶち込み、異常なほどのテンションで最後まで一気に見せ切る、これぞまさに超高速ノンストップ・ムービー!

いわゆる”大作映画”ではないけれど、B級っぽいノリが最高に楽しいエンターテイメント作品としてオススメ。劇中で主人公が使用しているノキアの携帯が異常に高性能で、思わず欲しくなってしまった(笑)。