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映画『関ケ原』のセリフはなぜ聞き取りにくいのか?

映画『関ケ原』

映画『関ケ原』より

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

本日、テレビ朝日「日曜プライム」で原田眞人監督の超大作時代劇『関ケ原』が地上波初放送されます。

V6の岡田准一石田三成に扮し、徳川家康役所広司)と天下分け目の大決戦を繰り広げる戦国史上最大の歴史スペクタクル!

そんな『関ケ原』を撮った原田眞人監督は、ある”こだわり”を持っていることでも知られています。

それは、「一度カメラを回し始めたら、カットがかかるまで何があっても演技を止めてはならない」ということ。いったいどういう意味でしょう?

 

例えば、映画のメイキング映像などを見ていると、本番中に役者がセリフを噛んでしまい、「すみません!もう1回お願いします!」と撮り直している場面が映ったりしますよね。

しかし原田監督の現場では、こういうことは許されません。「俺がカットと言ってないのに、どうして勝手に演技を止めるんだ!」と怒号が飛んでくるらしい。

なぜなら、「その演技がOKかどうかは監督の俺が決めることで、役者が判断すべきではない」「例えセリフを噛んだとしても、演技自体が良ければNGにはしない」と考えているからです。

実際、駆込み女と駆出し男で主役を演じた大泉洋さんも「物凄い早口で長ゼリフを喋るシーンがあったのですが、原田監督から”絶対に途中で止めるな!”と言われていたので必死でやり続けました」「よく見るとちょっと噛んでるんですけど(笑)、現場ではOKになってそのまま使われてます」と語っていました。

また、木村拓哉さんと二宮和也さんが初共演した検察側の罪人でも「役者の演技を途中で止めない」という原田監督の方針が貫かれ、脚本に書かれていない”アドリブ”が入ってもそのまま続けさせたそうです。

例えば、二宮さん演じる沖野検事が取調室で容疑者にキレるシーンで「面倒くせえからそこら辺で勝手に首吊ってくれるか?」などのかなり長いアドリブ台詞が出た際も、「迫真の演技だ!」とOKになったらしい(なお、現場にいた吉高由里子さんは「ニノが急に大声で怒鳴り始めたのでビックリして震えてました」とのことw)。

検察側の罪人

このように、原田監督の撮影方法は「間違えようがアドリブを入れようがとにかく最後まで喋り続けろ!」というものなんですが、そのせいでセリフが聞き取りづらくなっていることは否めません(普通ならセリフを噛んだり早口で喋ったりしたらNGになるはずなのに、それをOKにしてるんだから当然でしょう)。

 

実際、『関ケ原』が公開された時も「登場人物が何を言ってるのか良くわからない」「喋るスピードが早すぎて聞き取りにくい」という苦情が出ていたそうで、確かに時代劇にしては異様にセリフのテンポが早いんですよ。

石田三成を演じた岡田准一さんも「原田組のテンポはとにかく早い。時代劇は情感を大事にすると教わってきたので、原田監督の”セリフにも動きにも間合いはいらない”という考え方は非常に刺激的でした」と驚いたそうです。

なるほど、時代劇でよくある”間(ま)”をほとんど取らず、早口で勢いよくまくし立てることであのスピーディなテンポが生まれたんですねぇ。ただ…

ワンカットの中で膨大なセリフを一気にワーッと喋る独特のリズム感は確かに面白いとは思いますが、果たしてこのスピードに観客は付いて来れるのだろうか?と、その辺がちょっと気になりました。

 

関ヶ原

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