ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

【放送禁止?】『ルパン三世 ルパンVS複製人間』でカットされたシーンを調べてみた

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
昨日、金曜ロードSHOW!でルパン三世 ルパンVS複製人間が放送されました(先日亡くなったモンキー・パンチ先生の追悼ということで、急遽オンエアが決まったらしい)。

ルパン三世次元大介石川五エ門峰不二子、銭形警部など毎度”お馴染みの面々”が、人類の滅亡を目論む謎のクローン人間「マモー」と戦う…というストーリーです。

本作はルパン三世の劇場用アニメ第1作として1978年に公開されたんですが、その後テレビで放送される際に色々と「問題になる場面」があったため、何カ所もカットされてるんですよね。

こういうパターンは昔のアニメで割と多く、例えば『巨人の星』の場合は「僕の父は日本一の日雇い人夫です」とか「父ちゃんは野球キチガイだ」などのセリフが差別用語放送禁止用語と見なされ、再放送時にカット(無音処理)されました。

 

TVシリーズ放送開始50周年記念企画想い出のアニメライブラリー 第75集巨人の星 劇場版 Blu-ray
 
 
 
 
劇場版 あしたのジョー2 [4K ULTRA HD] [Blu-ray]
 
 
 

つまり「どんな表現をカットするか(何をもって不適切とするか)」は各テレビ局のさじ加減次第…ってことなんですけど、じゃあ『ルパン三世 ルパンVS複製人間』ではどういうシーンがカットされたのでしょうか?ちょっと確認してみましたよ。


●次元と五ェ門が口論するシーン
マモーにアジトを破壊されたことにより、ルパンたち3人が言い争いを始めるシーンで、次元が五ェ門に「ヒステリックにわめくな、このキチガイ!」と怒鳴るセリフが放送コードに引っかかったらしくカットされています。まあ、これは普通にアウトでしょうね(笑)。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●砂漠をさまようシーン
アジトを壊されたルパンたちは、徒歩で広大な砂漠を横断して一軒の小屋に辿り着くんですが、その行程が丸ごとカットされていました(約3分間)。

ただしこのシーン、途中でマモーが「お前らに勝ち目はないぞ」的な警告を示す場面などはあるものの、特に放送禁止になりそうな個所は見当たりません(単なる尺の都合?)

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●ルパンの脱出シーン
マモーに捕まって鳥カゴみたいな牢屋に入れられたルパンが、見張りを騙して脱出するシーンがカットされていました(この辺もたぶん尺の都合と思われます)。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●ナポレオンに遭遇するシーン
マモーの敷地内をウロついていたルパンが「あの~、ちょっとお尋ねしますが…」と言ってナポレオン(のクローン)に話しかけるシーンがカット。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

でも、その後ヒトラーに出会って「ハイル・ヒットラー!」と言うシーンはカットされてないのに、なぜナポレオンだけカットされたのでしょう?「尺の都合」なら両方カットすればいいはずだし、敢えてヒトラーの方を残す理由が分かりません。不思議ですねえ。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●マモーと初対面した際のセリフ
ルパンがマモーと初めて会った時のセリフが「ここは精神病院でもなければ仮装パーティーでもない」 → 「ここは仮装パーティーではない」に変更されています(”精神病院”というワードがダメだった?)。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●研究室&試験管ベイビーのシーン
科学者たちが研究室でクローンの実験をしているところにルパンが忍び込み、「どうやら正体が見えてきたな…」とつぶやくシーンがカット。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

さらに、別の部屋へ入ったルパンは大量の巨大試験管に浮かぶ赤ん坊のクローンを目撃しますが、オンエア版ではカットされていました。

しかし、その後マモーとの会話でルパンが「瓶詰めの赤ん坊さえ見なきゃな!」と言っているため、セリフの意味が通じなくなってるんですよね。

個人的には「ここをカットしちゃダメだろ」と思うんですけど、テレビ局側の判断で「映してはマズい」と自主規制したのでしょうか?

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●ルパンとマモーの会話

マモー「彼の相手をしているのは古代中国の哲人だよ」
ルパン「と思い込んでるパラノイアか」
マモー「彼は本物だ!」

というやり取りの後に「じゃあ本物のパー?」というルパンのセリフがあったのですが、カットされています(「パー」もダメなのか…)。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●ルパンの頭の中をのぞくシーン
「これがルパンの全てさ!」と叫んだマモーがルパンの深層心理を暴こうとするシーンは、女性の裸の画像や不二子のヌードなど「不適切な場面」が満載!当然カットですw

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

さらに、劇場公開時にタイアップしていた「テレパッチ」という駄菓子のCMが映っているため全面的にカットされています(そりゃそうだw)。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●画面がチカチカと点滅するシーン
元の映像では、マモーが装置の出力を上げると画面全体が激しく点滅してるんですが、放送では点滅が少なくなり、シーン自体も短くカットされていました(いわゆる「ポケモンショック」の影響)。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●驚くマモーのセリフ
その「チカチカシーン」でマモーが驚きながら叫ぶ際、元のセリフでは「なんということだ!ルパンは夢を見ない!空間!虚無!それは白痴の、あるいは神の意識に他ならない!」となっていました。

しかし、テレビ放送版では「なんということだ!ルパンは夢を見ない!空間!虚無!それは神の意識に他ならない!」という具合に、セリフの一部がカットされています。

「白痴(はくち)」とは重度の知的障害を意味する呼び方で、現在では差別用語に該当するためカットされたのでしょう。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

●銭形警部の食事シーン
ボロボロになった銭形警部が警視総監と日本料理店「花子」に入って食事をするシーンは「銭形くん、もっとゆっくり食べたまえ」「申し訳ありません、このところ何も口にしていなかったもので…」などの会話も含めて全部カット。

さらに、「総監!わたしは幸せ者です~!」と号泣しながらドンブリ飯をかき込む銭形の姿など、結構面白い場面が多いんですけど、残念ながらTV版では放送時間の都合でカットされたようですね。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より


というわけで、金曜ロードショーで放送された『ルパン三世 ルパンVS複製人間』がどんな風にカットされているのか調べてみたんですが、「放送禁止用語」または「不適切な表現」が7ヵ所ぐらいで、あとは尺の都合でカットされたと思しき場面が数ヵ所ありました。

全体的な印象を見てみると、丸ごとカットした場面に関しては、シーンとシーンとの繋がりが不自然だったり、他のシーンと辻褄が合わなかったり、多少の違和感があることは否めません。

一方、セリフに関しては、該当する放送禁止用語だけをカット(無音処理)すると『巨人の星』みたいに”妙な間”が空いて不自然なセリフになりがちなんですけど、本作では非常に丁寧に編集していて、ほぼ違和感を感じさせない点が良かったです。

あと、峰不二子の全裸シャワーシーンや”乳首ポッチン”が完全ノーカットで放送された点も意外でした。昔ならともかく、今のご時世では何らかの形で自主規制されると思っていたのに、「ああいう表現はOKなのか?」と。

視聴者も衝撃だったらしく、このシーンが放送された直後、SNS上では「あっ!乳首が見えた!」「映しても大丈夫なの?」「懐かしいのう。昔は地上波でも堂々と乳首を出していた時代があったのじゃよ」など様々な反応が飛び交いました。

某テレビ局の関係者曰く、「金曜ロードショーは過去に何度も『ルパン三世』を放送してきて大変お世話になってますからね。モンキー・パンチ先生の追悼番組として『ルパンVS複製人間』を放送する以上、不二子のヌードをカットするわけにはいかなかったのでしょう」とのこと。金ロー、頑張ったなあ(笑)。

とは言うものの、最近は地上波の表現規制がどんどん厳しくなっており、本作みたいに40年以上前の作品などは現在の基準に合わないシーンも多く、ある程度カットされるのは避けられないでしょう。

そのせいで「昔よくテレビで放送されていた映画が、最近は全然オンエアされなくなっちゃったなあ」と寂しく感じている映画ファンもいるかもしれません。個人的には、ホラー系の映画が全く放送されなくなったのは残念ですねえ(ホラーもTV局が自主規制しているらしい)。

 

なお、『ルパンVS複製人間』のスタッフ欄には「監修:大塚康生」とクレジットされていますが、当時の大塚さんは宮崎駿監督の『未来少年コナン』で忙しく、本作にはほとんどタッチできなかったそうです。

唯一手掛けたのが冒頭シーンで、「ルパンの死刑を知らされた銭形警部が絶望して警視庁を退職し、実家の寺へ帰って寺男として生活している」という”あらすじ”を大塚さんが考え、実際に作画もされました。

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

ところが、最終的にこのシーンはカットされ、「ルパンの検視報告中に仏像が映る」という中途半端な形で大塚さんのアイデアが残ってしまったそうです。なるほど、それであんなところに仏像が出てたのか!

ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より

銭形が「貴様の骨にこの手で戒名を刻んでやるぞ!」と叫んでいたのも”お寺の息子”だったからなのね(笑)。さすがに分かりにくい(^^;)

ちなみに海外版予告編には、本編からカットされた「山寺で暮らしている銭形」のシーンが少しだけ入っているそうです。