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2016年に観た映画の中からベスト10を選んでみた


さあ、いよいよ大晦日になってしまいましたよ。皆さん、新年を迎える準備は整いましたか?というわけで年末恒例の「今年2016年に観た映画ベストテン」を書いてみたいと思います。といっても、今年は例年以上に豊作揃いで良い映画がたくさんあり、1位とか2位とか順位をつけ難いため、順不同で10本を選出してみました。



●『シン・ゴジラ
「今年一番印象に残った映画は何か?」と問われれば、僕の場合はやっぱりこれになるでしょうねえ。まあ、以前から庵野秀明監督の実写映画を観ていた身としては、正直そんなに期待していたわけじゃないし、ゴジラを扱った映画も過去にたくさんあるし、「特に目新しい要素は無いだろうな」ぐらいのテンションで観に行ったわけですよ。

そしたら何と!いきなり見たこともような化け物が出て来てビックリ!あの第二形態(通称”鎌田くん”)と初遭遇した時の衝撃たるや、いまだに忘れることが出来ません。さらに膨大なセリフを素早いカット割で畳み掛ける「岡本喜八風」の編集や、成長したゴジラから放たれるプロトンビームばりの放射熱線など、全編に渡って見どころだらけ!

超大手のハリウッド映画が、200億円近くの巨費を投じ、最新CG技術を駆使してリアリティ溢れるゴジラを作り上げたのとは対照的に、庵野監督は敢えて昔の「着ぐるみ風怪獣」を再現し、日本の役人が”ゴジラ”という巨大な災害に必死で立ち向かう姿をシミュレーションして見せたのです。

それは、間違いなく「3.11」を体験した日本人の心情を意識していると思われ、同時に、昨今の邦画界に蔓延する「人気アイドルや有名なタレントを起用して、お涙頂戴の人間ドラマや甘〜い恋愛ドラマを突っ込んでおけばそこそこヒットするやろ」的な雰囲気に真っ向から異議を唱えるかの如き痛快さでした。

そういう意味でも『シン・ゴジラ』は、マーケティング主導が常態化した従来の映画制作手法にカウンターパンチを叩き込むような衝撃作であり、そして庵野監督の「見ろ!これが本物の怪獣映画だ!」という熱い想いが最も理想的な形で結実した渾身の一作だと思います。


●『ブリッジ・オブ・スパイ
アメリカとロシアが互いのスパイを橋の上で交換する」という、1957年の実話を映画化した本作。監督はスティーブン・スピルバーグ、脚本はコーエン兄弟、主演はトム・ハンクスという時点で完成度は保証付きですが、実際に観てみると予想以上に面白くて驚きました。改めてトップ・クリエイターたちの真髄を見せつけられた感じです(^_^)


●『ズートピア
いや〜、正直ナメてましたね。「ディズニーだし、所詮は子供でも楽しめる単純明快な動物アニメだろ?」と。すみません、完全に僕が間違ってました!『ズートピア』は、様々な娯楽要素が目一杯詰まった、非常に奥深い最上級のエンターテインメントです。1本の映画にこれだけ多種多様な表現をぶち込みながらも、一切破綻することなく完璧にまとめ上げるバランス感覚が本当に凄い!まだ観てない人はお正月休みにぜひどうぞ(^_^)


●『レヴェナント:蘇えりし者
これはねー、面白さを伝えるのがちょっと難しいんですよ。大雑把に説明すると、「熊に襲われて大ケガした主人公(レオナルド・ディカプリオ)が、仲間とはぐれてズタボロになりながらも必死で仲間のところへ戻る」という話です。

途中で仲間の一人に息子を殺され、その”復讐心”から想像を絶するパワーが出ている、ということもあるのでしょうが、それにしても「こんな状況になってもまだ生きてるのか!?」と驚愕間違いなしの凄まじい生命力であり、それ自体が本作の見どころになっているのですよ(「実話」っていうのがまた凄いw)。


●『ヘイトフル・エイト

クエンティン・タランティーノの最新作ですが、残念ながら日本ではほとんどヒットしなかったようですねえ(苦笑)。予告編を見ると「偶然、雪の山小屋で一夜を過ごすことになった見知らぬ8人。だが、その密室で殺人事件が起きる。いったい犯人は誰なのか?」という、推理小説でありがちな「雪の山荘ミステリー」だと思うでしょう。

でも違うんです。そもそも「観客が真犯人を推理する要素」がほとんど無いんですよ(序盤で一人が死ぬけど犯人は分かってるし、その後に数人がまとめて死ぬから残りは少なく、犯人当ての醍醐味が無い)。じゃあ何が面白いのか?っていうとタランティーノお得意の”会話劇”が超面白い!

サミュエル・L・ジャクソンカート・ラッセルマイケル・マドセンティム・ロスなどの「タランティーノ映画常連組」に加え、ベテラン女優ジェニファー・ジェイソン・リーが参加した本作は、まあとにかく登場人物が喋る喋る(笑)。僕は非常に面白かったんですが、確かにこの内容ではヒットし難いかもしれないなあ(^_^;)


●『アイアムアヒーロー
昔から「ゾンビ映画」っていうのは世界中で作られてるんですが、基本的に低予算で貧乏臭い映像がほとんどです(もちろん日本で作られるゾンビ映画も同様)。ところが、本作は大作映画並の予算が掛けられ、さらに海外ロケまで行うなど、多分「日本で一番お金を掛けたゾンビ映画」なんですよ。

そういう意味では「良く作ったな」と。いくら人気漫画を原作にしているとは言え、こんなにグチャグチャドロドロな内容で、しかもR15指定で興行的に不利な状況であるにもかかわらず、多額の製作費を投じてスケールの大きな大作映画として作り上げた、その覚悟が素晴らしいなと思いました。


●『スポットライト 世紀のスクープ
一言で言うと「もの凄く堅実な映画」です。実話ベースということもあり、必要以上にドラマチックな演出は無いし、過剰にサスペンスを盛り上げる場面もありません。悪い言い方をすれば「地味な映画」で、ただひたすらに「真相を追い求める新聞記者たちの一途な姿」を淡々と描写していく、だけどその姿が最高に渋くて、映画全体に揺るぎない説得力を与えています。マーク・ラファロマイケル・キートンレイチェル・マクアダムスリーヴ・シュレイバースタンリー・トゥッチなど、キャストも豪華ですよ(^_^)


●『オデッセイ』
「たった一人、火星に取り残された男の話」ですが、絶体絶命のピンチに陥りつつも、映画の雰囲気は常にポジティブで、あまり悲壮感を感じさせないところが本作最大のポイントでしょう。逆境に追い詰められた人間の「生きる力」を、「80年代のヒット曲」と共にSFというジャンルで軽快に描いて見せたリドリー・スコットの手腕も見事(誰かが「宇宙版『鉄腕!DASH!』とか言ってたけど、まさにそんな感じですねw)。


●『君の名は。
ぶっちゃけて言えば「スゲー完成度が高い映画」ではないし、アニメーションとしての評価も『この世界の片隅に』の方が高いと思われますが、「200億を超える大ヒット」はやはり驚愕せざるを得ません。『この世界』の片渕須直監督も「なぜ『君の名は。』があれほどのメガヒットを実現出来たのか、真面目に検証しなければならない」とインタビューで答えたほどですから(笑)。

実際、漫画家の江川達也氏も「プロの目から見ると全然面白くない。そりゃあ、これだけ売れる要素ばかりブチ込んだら、ヒットするに決まってるよ(笑)」とテレビの生放送で堂々と批判していました(直後に大炎上w)。しかし、そういう批判に対して「そんなに容易なことなら、皆さんやってみればいいんじゃないかなー」と冷静に反論した新海誠監督。大人ですねえ(笑)。


●『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
いや、色々言いたいことはあるんですよ。特に前半部分は主体性の無いキャラが多くて「お前ら状況に流されすぎだろ!」とか、イラっとする場面も多々ありました。しかし、後半部分の盛り上がりがそれらの不満を一気にブッ飛ばしてくれるわけですよ。中でもラストのアレはテンションMAX間違いなし!『スター・ウォーズ』ファンで、あの場面を観て「うおおお!」と興奮しない人は皆無でしょう。


とまあ、上位10作品はこんな感じでしょうか。これを見て「え〜?あの映画がベスト10に入らないのかよ?」と思う人もいるでしょうが、冒頭で書いた通り、今年は特に豊作だから、選んだ10本以外の映画も十分に面白いんですよ。中でも『この世界の片隅に』などは、映画ファンの間でも非常に評価が高く、今年のベストに挙げる人が多いと思います。まあ、僕が選んだ10本は単なる好みの問題なので、その辺はあまり気にしないでください(^_^)

その他の映画としては、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『デッドプール』『10クローバーフィールド・レーン』『ボーダーライン』『ゴーストバスターズ』『ハドソン川の奇跡』『ロスト・バケーション』『イット・フォローズ』『ルーム』『エクス・マキナ』『サウルの息子』『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』『帰ってきたヒトラー』『この世界の片隅に』『怒り』『ピンクとグレー』『海よりもまだ深く』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『淵に立つ』『SCOOP!』『64-ロクヨン-』『ディストラクション・ベイビーズ』『ヒメアノ〜ル』なども良かったです。

さらに「一応観たけどオススメするほどでもないかな〜」って感じの映画は、『ドラゴンブレイド』『ザ・ウォーク』『スティーブ・ジョブズ』『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』『X-MEN:アポカリプス』『スーサイド・スクワッド』『ジェイソン・ボーン』『スター・トレック BEYOND』『マネーモンスター』『エンド・オブ・キングダム』『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』『インフェルノ』『ザ・ガンマン』『デスノート Light up the NEW world』『ガルムウォーズ』『疾風ロンド』『クリーピー 偽りの隣人』『僕だけがいない街』『ちはやふる(上の句・下の句)』『ミュージアム』などでした。

これまた、「え〜?あの映画は面白かったろ!ふざけんな!」と納得いかない人もいるでしょうが、別に「面白くない」という意味ではなくてですね、「面白かったシーンもあるけれど、あまり積極的に人にオススメする映画じゃないな」という、それぐらいの感覚なんですよ。『ジャスティスの誕生』なんかも、ワンダーウーマンが登場する場面は最高だったんですけどね(^_^;)

その一方、「これはいくら何でもひどいだろ」という映画は、『テラフォーマーズ』『X-ミッション』『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』などでしょうか。まあ、『テラフォーマーズ』の場合はある程度の覚悟を持って観てるから、ダメージ的にはそれほどでもなかったんですけど、『X-ミッション』と『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』はその予想すらも軽々と超えてくるひどさに愕然としましたよ(笑)。特に『リサージェンス』に関しては「不覚にもちょっとだけ期待してしまった」という点が敗因かもしれません(^_^;)

あと、『バイオハザード:ザ・ファイナル』と『海賊と呼ばれた男』はたぶん年明けに観ると思います(観ないかもしれませんがw)。それから『ドント・ブリーズ』を観たいんだけど、うちの近所じゃやってないんですよねー(調べたら上映してる劇場が全国で30館ぐらいしかなかったよ、トホホ)。

というわけで、2016年に観た映画をざっくりと振り返ってみました。来年も面白い映画に出会えるといいな〜などと願いつつ、本年はこれにて終了とさせていただきます。それでは皆さん、よいお年を!(^O^)/


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