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成功?失敗?アニメや漫画の実写化を4パターンに分類してみた


先日、荒川弘の大ヒット漫画鋼の錬金術師』が実写化されるというニュースがネット上で話題になり、「また実写化か…」「絶対に失敗すると思う」「マジでやめろ!」など、あっという間に批判的なコメントがTwitterに溢れ、ついには「#お前ら何の実写化なら喜ぶんだ」というハッシュタグがツイートされるほどの大騒ぎになった(ちなみに実写版ハガレンの出演者はこんな感じらしい↓)。




こういう騒ぎを見るたびに、「ああ、相変わらずアニメや漫画の実写化は世間に嫌われているんだな〜」と思い知らされ、微妙な気持ちになってしまうのだ。いや、もちろん僕だって自分の好きな漫画がヘンな感じに実写化されたらいい気持ちはしないと思うし、場合によっては批判もするだろう。ただ、世間の人々はどうも「実写化自体が許せない!」という風潮になってるような…。

まあ、理由は分からなくもない。今まで数多くの原作が実写化され、「やったー!あの人気漫画がついに実写化されたぞ!」と期待に胸を膨らませるものの、そのたび毎に何度も裏切られ続けてきたわけだから、「どうせ今度もダメに決まってる」と悲観的な気分になっても無理はないというか、むしろその気持ちは痛いほど分かる。

だがしかし!

本当にアニメや漫画の実写版はつまらないものばかりなのだろうか?いや、そんなことはないと思うぞ。「面白い実写版」も確かに存在するはずだ。ただ、全体における「アニメや漫画の実写版」の割合があまりにも多すぎて、「面白くない実写版」が面白い方を大幅に上回っているだけじゃないのか?と。

そしてもう一つ、「成功と失敗を区別する基準が明確に定まっていない」という点が、評価を曖昧にしている要因なんじゃないだろうか?原作を完璧に再現していれば、それだけで成功と言えるのか?中身が伴っていなければダメなんじゃないの?

というわけで本日は、アニメや漫画を実写化した場合に多く見られる傾向について、4つのパターンに分類してみた。以下、その内訳を具体的に検証していきたい(なお、今回はアニメや漫画を実写化した場合のみで、小説やゲーム等は含みません)。


●パターンA:「原作を忠実に再現し、作品自体も面白い」
恐らく、これが最も理想的なパターンだろう。原作キャラクターのイメージにぴったりな役者をキャスティングし、原作の重要なエピソードを物語にしっかり取り入れ、世界観を完璧に映像化し、なおかつその作品自体が抜群に面白かったら、原作ファンも全員納得できるに違いない。

それどころか、「ぜひあの漫画を実写化してくれ!」とオファーが殺到するはずだ。これこそがまさに、アニメや漫画の実写版が目指すべき到達点ではないだろうか?例えば、ハリウッドでは近年アメコミの実写映画が頻繁に製作されており、かなりの確率で成功を収めている様子。

残念ながら日本では、まだこういうパターンでの成功例はないようだが、ぜひとも頑張って実現して欲しい(というより、単に僕が知らないだけかもしれないので、「あるぞ!」という場合は作品名を教えてください)。


●パターンB:「原作とは異なるが、作品自体は面白い」
キャラクターが似ていない、色んな設定が違う、ストーリーがほぼオリジナル、でも作品そのものはかなり面白い。こういうパターンはどう評価すればいいのだろう?原作ファンからすれば、「お気に入りのあのキャラが全く再現できてない!」と腹が立つのかもしれない。しかし、個人的には「これこれでアリなんじゃない?」と思う。

例えば、窪塚洋介が主演した実写版『ピンポン』は、「卓球を通して描かれる青春ドラマ」という内容自体が最高に面白く、脇を固めるキャラも魅力的で音楽もかっこいい。…という具合に全体的な完成度は非常に高いんだけど、原作ファンに言わせると再現度がイマイチらしい(う〜ん、そうかな〜?)。

また、佐藤健が主演した実写版『るろうに剣心』は、”時代劇”という日本映画定番のフィールドに、スピード感溢れる新感覚のチャンバラ活劇を組み合わせることによって、極めてハイレベルなアクション映画を作り出していた。その反面、「武井咲の薫はミスキャスト」、「左之助と弥彦のキャラが変わりすぎ」、「あの”牙突”だけは許せない!」など、原作ファンの反発も多かったようだ。結果、「これは『るろうに剣心』の実写版ではなく、”アクションが凄い時代劇”として見れば面白い」と評するファンも大勢いたという。

他にも、『デスノート』、『ALWAYS 三丁目の夕日』、『クローズ ZERO』、『テルマエ・ロマエ』、『カイジ 人生逆転ゲーム』、『ヤッターマン』、『ライアーゲーム』など、高い評価を得ている実写作品はいくつか見られるものの、いずれも「原作の再現度」という点ではファンの期待を下回っているらしい(TVドラマまで含めればもっと多いはず)。ただ…

あくまでも個人的な見解だが、こういう映画はもう”成功”ってことでいいんじゃないだろうか?いや、むしろこれを”成功”と言わなかったら、もはやアニメや漫画の実写版には”成功作品”が存在しないことになってしまうぞ。それはちょっと厳しすぎるんじゃないのかなあ。


●パターンC:「原作を忠実に再現しているが、作品自体は面白くない」
実写版『20世紀少年』のキャストが発表された時、多くのファンが「すごい!原作の特徴を完璧にとらえた見事なキャスティングだ!」と絶賛したそうだ。

さらに監督の堤幸彦は、撮影現場に原作の単行本を持ち込み、1つ1つのシーンについて該当するページを確認しながら、キャラの配置やカメラアングルに至るまで、漫画に描かれている状況を忠実にトレースしてみせたのである。

まさに「漫画を実写化するとはこういうことだ!」と言わんばかりの素晴らしい再現度だが、そこまでして作り上げた映画が面白かったのか?と問われれば……正直微妙な感じだった。異論はあるかもしれないが、個人的にはあまり面白くなかったのである。

要は、「”面白い原作漫画”をそっくりそのまま実写化しても、必ずしも”面白い映画”になるとは限らない」ってことなのだろう。漫画は”漫画にしかできない表現方法”を駆使して物語を描いているわけで、それを単純に実写へ当てはめても”利点”が失われてしまうだけで映画として成立しない。

つまり、漫画を実写化する際には、実写映画ならではの表現方法を活かすために”チューニング”が必要なのだ。この『20世紀少年』も、原作の魅力をさらに増幅させるような要素が付加されていれば、もっと良質な映画になり得る可能性もあったのに、そこが非常に惜しまれる。

とは言え、原作ファンの中には満足した人も多かったようで、「大好きな漫画のキャラクターが実写になったらこんな風になるのか!」という喜びの方が不満点を上回っていた模様。よって、こういうパターンの場合も、原作ファンの目線で考えれば”成功”と言えるのかもしれない。


●パターンD:「原作と異なる上に、作品自体も面白くない」
アニメや漫画を実写化する際に、最もあってはならないパターンが間違いなくこれだろう。「”お前誰やねん!?”としか言いようがない残念なキャスティング」、「主要なキャラが消えている」、「不要なキャラが増えている」、「設定は改変されまくり、見たいエピソードはほぼカット」、「無理やりねじ込まれたラブシーン」、「原作とかけ離れたオリジナルストーリー」、「再現性ゼロの世界観」など…

まさに原作ファンを激怒させる要素が満載であり、さらにこの上、「作品自体が全く面白くない」となったりしたら、「何のために実写化したんだよ!」「金返せ!」と苦情が殺到しても仕方がない。恐らく、「アニメや漫画の実写化はクソだ」と思っている人の大半が、実写化に対してこのようなイメージを抱いているのではないだろうか。

じゃあ、実際にこういうパターンはどれぐらいあるのか?と考えた場合、何といっても筆頭は『デビルマン』だ。あの映画を初めて観た時の衝撃たるや、言葉に言い表せないほど凄まじかった。あまりにも凄すぎて記憶の一部が飛んでるほどだが、「何かとてつもないものを観た」という印象だけは今でも強く残っている。

それから、トラウマ級のインパクトを観る者に与えた『ドラゴンボール:エボリューション』も、忘れ難い一作と言えよう。なんせ原作者の鳥山明ですら、「脚本やキャラクター造りは”え?”って感じはありますが」「別次元の”新ドラゴンボール”として観賞するのが正解なのかもしれません」と異例のコメントを発表したぐらいなのだから只事ではない。

一応、鳥山さんの指示通り、別次元の”新ドラゴンボール”として観賞したんだけど、「面白い」とは全く思えないほど酷い出来栄えに呆れ返ったよ。たぶん鳥山明自身も、「別次元の”新ドラゴンボール”」と言うだけでは我慢できなかったのだろう。数年後に『ドラゴンボールZ 神と神』が公開された際、以下のように発言している。

わざわざアニメ版のパンフレットにまで「”たぶんダメだろうな”と予想していたら本当にダメだった某国の実写映画とは大違いです!さすが日本のアニメーションは優秀なんですね!」などと嫌味なコメントを載せるぐらいだから、よっぽど頭に来ていたに違いない。あとは『ガッチャマン』も酷かったなあ。、松坂桃李綾野剛鈴木亮平剛力彩芽など、人気若手俳優を多数キャスティングしておきながら、全く原作に似せる気がない意味不明なアプローチや、設定を改変しすぎてほとんど原型を留めていないストーリー展開など、『ガッチャマン』というタイトル以外は一切ガッチャマンらしさが感じられない残念すぎるクオリティーに批判殺到。あまりにも実写版『ガッチャマン』がダメすぎて、「実は紀里谷和明監督って意外と優秀だったんじゃね?」と2004年に公開された実写版『キャシャーンCASSHERN)』の評価が逆に高まるという、謎の現象が起きるほどだった。とうわけで、アニメや漫画の実写化を4つのパターンに分類してみたんだけど、確かに原作に対するリスペクトが全く感じられない映画を観ると腹が立つし、「もう実写化なんてやめてくれよ!」と言いたくなるファンの気持ちも良く分かる(実際、このブログでもいくつか批判的な記事を書いている)。

ただ、少なくともパターンBのような「良く出来ている実写版」が存在することも事実ではあるし、今後パターンAのような作品が出てくる可能性も無くはないだろう。その可能性まで否定してしまうのは、ちょっと違うような気がするのだ(数の増加に比例して、クオリティーも少しずつ上がっていってるような…って気のせいか?)。

ちなみに、実写化に対する僕のスタンスとしては、「特別に何かを期待しているわけではない」が、「完全に拒否しているわけでもない」という感じである。もちろん、今まで数多くの実写版映画を観てきて、失望も散々味わってきた。それでも懲りずに観続けているのは、やはり「自分の好きな原作が実写になった姿を確かめたい」という気持ちがあるからなのかもしれない。

昨年公開された『海街diary』や『バクマン。』は面白かったし、現在公開中の『ちはやふる』も、かなり評判がいいようだ。あとは、もうすぐ公開予定の『アイアムアヒーロー』や『テラフォーマーズ』などがどれほどの出来栄えなのか、ぜひ自分の目で確認したい。まあ、だいぶ不安な作品もあるけどね(^_^;)


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