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『スター・ウォーズ フォースの覚醒』の前にこれを観ろ!


■あらすじ『「スター・ウォーズ」の最初の3部作は世界中のファンを魅了し、未だ彼らを惹きつけてやまない名作だ。しかし、ファンがジョージ・ルーカスに抱く感情は、いつしか複雑な愛憎関係へと変化してしまった。ある者には尊敬される一方、ある者には悪魔のように嫌われてしまうジョージ・ルーカス。ファンはなぜそこまで「特別篇」のリリースを非難し、新3部作に背を向けてしまったのか?オリジナルへの愛が強すぎるあまり、作品の生みの親であってもオリジナルを尊重しないルーカスは許せない!というファンの言い分と複雑な心情をユーモラスな筆致で描き出した迫真のドキュメンタリー!』


※以下、ネタバレしてます。


シリーズ最新作スター・ウォーズ フォースの覚醒』の公開まで、いよいよあと1週間に迫りました。世間では10年ぶりの新作に対する期待のムードが盛り上がり、「早く観たい!」とその瞬間をワクワクしながら待ちわびていることでしょう。

しかし、思い起こせば「ルーカス・フィルムがウォルト・ディズニー社に買収された」というニュースが報じられた時、多くのスター・ウォーズ・ファンが不安を抱いたことは否めません。「ディズニーのメルヘンチックな世界観が持ち込まれるのではないか?」、「子供向けの大衆作品に成り下がってしまうかもしれない」とディズニーの介入に拒否反応を示す人がいたからです。

スター・ウォーズ』への思い入れが強ければ強いほど、複雑な心境を覗かせる熱心なファンたち。本日ご紹介する『ピープル vs ジョージ・ルーカスという映画は、そんな”スター・ウォーズ信者たち”がジョージ・ルーカスに抱いているやり切れない想いを、多数のインタビュー映像を交えて赤裸々に綴ったドキュメンタリー作品なのです。

インタビュー中、『スター・ウォーズ 特別篇』でルーカスが行った数々の”改変行為”に対して不満をぶちまけるファン。その内容は多岐にわたり、CGによる修正箇所やジャバ・ザ・ハットの追加、果ては20世紀FOXロゴマークの出るタイミングに至るまで、実に細かい事柄を問題視しているのですよ。


「フォックスのロゴが出るタイミングが20コマ早い」

「”スター・ウォーズ”の文字の動く速さも違ってる」

正直、ロゴマークの動くスピードが少々早くても普通の人は気付かない(というか、そんなもの気にしない)と思いますが、ファンにとっては重要なことなのでしょう(『フォースの覚醒』では20世紀FOXのロゴが出ないのにどうするんだろ?)。

中でもファンが一番怒っていたのは、「ハン・ソロがグリードを撃ち殺すシーン」です。劇中、賞金稼ぎのグリードをハンが銃で撃つシーンがあって、オリジナル版ではハンの方がグリードを射殺していました。ところが、特別篇では「先にグリードが撃ってその後にハンが撃つ」という具合に変更されているのです。

これは、ジョージ・ルーカスが映画を観る子供たちに配慮して、「ハン・ソロはやむを得ず撃ったんだということをはっきり示すため」に変更したらしいのですが、「もともとハンはお尋ね物で散々悪い事をやってきたのに、今更殺しを正当防衛化するなんて!」とアホらしすぎる変更内容に猛反発。

なぜならこれは、単にシーンを変えただけでなく、「ハンは意外と善人だった」という風に、キャラクターの設定まで変わってしまっているからです。この変更はさすがに容認できなかったようで、多くの人が怒りをぶちまけていました。


「7歳の時に観たけど、確かにハンが先に撃ってた」

「物語を壊す裏切り行為だ」

「”私には8歳の息子がいるから人が死ぬシーンを減らそう”」

「スコセッシがこんなこと言うか?」

「あり得ない話だ」

更に、ファンの怒りはこれだけにとどまりません。『特別篇』の後に待望の新作『エピソード1 ファントム・メナスが満を持して公開されたのですが、事前の盛り上がりとは裏腹に多くの観客の期待を裏切り、ファンを絶望と悲しみのどん底へと突き落としたのです。


「(『エピソード1』は)ガッカリしたのを覚えてる」

「観るべきところは何もなかった」

「完全な失敗だよ。駄作だ」

「エピソード1、2、3は俺の中では存在しない」

おそらく、「あの『スター・ウォーズ』の新作を観られるぞ!」という期待と興奮が高まりすぎて、実際の映画が人々の想定を大きく下回ってしまったことが原因なのでしょう。『エピソード1』はボロカスに貶されたのです。

そして、怒りの矛先は主にジャー・ジャー・ビンクスへと向けられ、「ジャー・ジャーが話すとくだらない映画に見えてしまう」、「世界観をぶち壊している」、「あいつはクソ野郎だ!」と非難轟々。世界中からクレームが殺到しました。


「あいつはクソ野郎だ」↓

このように、一見するとルーカス(とジャー・ジャー・ビンクス)に対するファンの反応は否定的な意見ばかりが目立ちます。たしかに、オリジナル版を勝手に改変したり、ヘンなキャラクターを登場させたり、「もうやめてくれ!」と言いたくなる気持ちもわからなくはありません。

しかし、そんな人々も最終的にはルーカスの偉業を認め、「なんだかんだ言っても『スター・ウォーズ』は素晴らしい映画だし、『スター・ウォーズ』を生み出したルーカスは偉大だよ」と締めくくっているのです。


ジョージ・ルーカスは聖人だ」

「ファンは彼と共にいる」

「彼に会えたらハグして礼を言うよ」

「彼は永遠に愛せる映画を与えてくれたんだ」

すなわち、このドキュメンタリーは、「『スター・ウォーズ』超面白い!ルーカス最高!」 → 「『特別篇』?勝手に変更すんな!」 → 「『エピソード1』クソつまんねえ!ルーカス死んじまえ!」 → 「でもやっぱり『スター・ウォーズ』大好き!ルーカスありがとう!」という、『スター・ウォーズ』が誕生してから現在へ至るまでのファンの心の揺れ動きを的確に表現した見事な構成になっているのですよ。


「結局は好きなんだよな」

「憎しみの根っこには、彼の映画に対する愛がある」

「次の『スター・ウォーズ』を観たいよ」

1作目の公開から38年を経て尚も人々を惹き付けてやまない『スター・ウォーズ』。「ディズニーに買収された」と聞いた時はさすがにビックリしましたけど、「J.J.エイブラムスが監督する」「ルークやハン・ソロの再登場」などの情報に期待値は上昇しまくりです。そしていよいよ『フォースの覚醒』公開まであと1週間。果たして新しい『スター・ウォーズ』を観たファンはどのような反応を示すのでしょうか?


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