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『マッドマックス2』はこんなに凄い映画だった!解説/制作秘話


■あらすじ『前作から3年後。2つの大国が大きな戦争を引き起こし、世界は戦火に包まれ、文明は崩壊した。石油が貴重品となり、各地で壮絶な奪い合いが勃発している。家族を失ったマックスは愛車のインターセプターとともにガソリンを求めて荒野を彷徨っていた。やがて精油所を守る人々と遭遇したマックスは、ガソリンと引き換えに暴走族との抗争に加担。再びハードなバトルに挑んでいく…!』


本日の「午後のロードショー」は、先週の『マッドマックス』に引き続き『マッドマックス2』が放送されます。うおおお!今や”地上波映画枠の希望の星”と化している午後ローのラインナップは完全に独自路線を貫きまくり、素晴らしいとしか言いようがありません。金曜ロードSHOW!も『ハリー・ポッター』ばっかり放送してないで、たまには『コマンドー』とか『沈黙の戦艦』とか放送してくれよ!

というわけで、本日は『マッドマックス2』の裏話をいくつかご紹介します。


●「続編に傑作なし」のジンクスを覆した奇跡のパート2
1979年に公開された1作目の『マッドマックス』は世界中で1億ドル以上も稼ぎ出す大ヒットを記録しましたが、監督のジョージ・ミラーはなぜそんなにヒットしたのか、理由がわかりませんでした。そこで、続編の製作が決まるとオーストラリアからハリウッドへ渡り、アメリカ映画について勉強し直したそうです。

その結果、『マッドマックス』の物語が古今東西にある英雄伝説の誕生譚によく似ていることを突き止めました。そこで、「もっと主人公マックスの物語を掘り下げたい」と考えたジョージ・ミラー監督は、脚本家のテリー・ヘイズに「前作よりもエンターテインメント要素を増やすように」と要求。

こうして、1作目の続編となる『マッドマックス2』が誕生!本国オーストラリアとほぼ同時に日本でも公開され、前作同様大ヒットを記録しました。本作最大の特徴は、なんと言っても「続編なのに面白い」という点でしょう。

それまでは、『ゴッドファーザー:パート2』や『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』など、ごく一部の例外を除いて「続編映画は1作目よりも面白くない」という認識が一般的でしたが、バイオレンス・アクションを徹底的にパワーアップさせた『マッドマックス2』は1作目を遥かに上回るド迫力映像を生み出し、映画史に残るような傑作に仕上がったのです。


●予算は10倍、危険度も10倍?撮影方法がクレイジーすぎる!
1作目の大ヒットのおかげで、『マッドマックス2』は10倍以上となる400万ドルの予算を確保できました(前作は37万5000ドル)。予算のほとんどは巨大なオープンセットと車両の改造に充てられたそうです。

ただ、予算が増えた代わりに危険度も増大したようで、1作目よりもスケールアップしたカーチェイスを撮影するために、スタッフは大変な苦労を強いられたらしい。

特にスタントは非常に過酷で、バギーに突っ込んだライダーが宙を舞うシーンでは、スタントマンのガイ・ノリスが股関節を骨折してリタイア。本来なら綺麗に放物線を描いてジャンプするはずだったのに、ガイ・ノリスの足がバギーに当たってクルクル回転しながら飛んで行ってしまい、大腿骨がバラバラに砕ける大惨事が勃発!

さらに、石油精製所に車が突っ込む場面ではスタント監督のマックス・アスピンが重傷を負ったため、代わりにプロデューサーのバイロンケネディが担当する非常事態に!

また、迫力あるカーチェイスを撮影するため、カメラマンのディーン・セムラートレーラーの前面部分にくくり付けられ、そのまま猛スピードで走行するという、とんでもない方法を実践していたそうです(罰ゲームじゃんw)。しかし肝心の撮影中に、あまりの恐怖でカメラから目を離してしまい、きちんと映っているかどうかも分からない状況だったとか。

その様子を見たジョージ・ミラー監督から「撮り直すか?」と聞かれたものの、セムラーは「ノー!絶対に嫌だ!」と断固拒否。当時はビデオが無く、撮った映像をその場で確認できなかったため、「頼むから映っていてくれ…」と祈るような気持ちでフィルムが現像されるのを待っていたそうです。よっぽど怖かったんだなあ(^_^;)

なお、当時配布されたチラシでは「スタントマンが2人死亡!」と大袈裟に宣伝されていますが、前作と同じく誰も死んでません。


●寒すぎて撮影が中止に?みんなでウェズの尻を見ていた!
マッドマックス2』の撮影は、単に”危険”なだけでなく、現場の環境も最悪でした。映画を観るとなんとなく暑そうに見えますけど、撮影が行われた時期は真冬だったため、キャストもスタッフも寒さに震えながら仕事をしていたそうです。

しかも、ロケ地に選んだブロークンヒルは「滅多に雨が降らない場所」として有名なはずだったのに、なぜか雨が降りまくり。冬の雨のせいで俳優たちの体はますます冷え切り、「OK、カット!」の声がかかると一斉に火を焚いたドラム缶の周囲に集まり、毛布にくるまって必死に暖をとっていたそうです。

そんなキャストの中で一番大変だったのは、ボスキャラのヒューマンガスを演じたケル・ニルソンでしょう。なんせ、ホッケーマスクと革のパンツを履いているだけのほぼ全裸状態なのですから、寒くないはずがありません。

また、モヒカン頭のウェズ・ジョーンズも、上半身は黒いレザーアーマーでがっちりガードしているものの、下半身はなぜか尻の部分だけ丸見えという謎のファッションだったため、「尻が冷えて大変だった」らしい。

ウェズを演じたヴァーノン・ウェルズ曰く、「あまりにも寒くて俺の尻が紫色になった時は、その日の撮影が中止になった。それ以来、俺の尻の色を見て、撮影スケジュールを決めるようになったんだ。撮影中はバロメーター・バンズ(尻温度計)”と呼ばれていたよ(笑)」とのこと。スタッフ皆で俳優の尻に注目するって、どんな撮影現場なんだ(^_^;)

●『マッドマックス2』の元ネタ?
マッドマックス2』が公開された後、『北斗の拳』など様々な作品に影響を与えましたが、では、『マッドマックス2』自体は何かから影響を受けているのでしょうか?

最も有名なのが、ロジャー・ゼラズニィが1967年に発表したSF小説『地獄のハイウェイ』と言われています。「核戦争が起きて荒廃した世界を舞台に、アウトローな主人公が特殊車両を運転し、襲ってくる暴走族たちと戦いながら目的地を目指す」という内容で、ストーリーや世界観も『マッドマックス2』と良く似ているのですよ。

「巨大な車両に乗って荒野を突っ走るアンチヒーロー」という設定が60年代のSF小説としては珍しく、ジョージ・ミラー監督も何らかのヒントを得たのかもしれません。

ちなみにこの小説、『世界が燃えつきる日』というタイトルで映画化されているのですが、かっこいい予告編とショボい本編とのギャップがあまりにも激しすぎて、映画を観たお客さんから苦情が殺到したそうです(笑)。

●”犬”にまつわる数奇な運命
今作でマックスと行動を共にする相棒は”犬”です(名前は無い?)。種類はオーストラリアン・キャトル・ドッグで、オーストラリア原産の牧牛犬種のひとつ。ジョージ・ミラー監督の「オーストラリアらしい犬を使いたい」という要望で、動物収容所から連れてこられたそうです。


しかし、”動物収容所”って引き取り手のいない動物を置いてるところだよね?と思ったらなんとこの犬、もし映画の出演依頼がなかったら、翌日には安楽死させられる予定だったのですよ!つまり『マッドマックス2』のおかげで命が救われたわけなんです(映画では死んでるけどw)。

しかも監督たちの期待に応え、撮影現場では実に生き生きと”名演技”を披露したらしい(賢いワンちゃんだ)。マックスが犬と一緒に旅する場面や、一緒に缶詰のドッグフードを食べるシーンなどは、いまだにファンの間で話題になるほど印象に残っており、『マッドマックス2』における人気キャラの一人(一匹?)と言えるでしょう。

ちなみに、九死に一生を得たこの犬は、撮影終了後には農場へ引き取られ、広い草原で牛を追って幸せに暮らしたと言われています。よかったねえ(^.^)

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