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映画『世界侵略:ロサンゼルス決戦』ネタバレ感想/評価/考察


■あらすじ『大量の流星群とともに未知の物体が世界中に降り注ぎ、正体不明の何かが海岸に出現。猛攻撃を受けて各都市が崩壊する中、ロサンゼルスも瞬く間に壊滅寸前に追い込まれる。だが、そこには逃げ遅れた民間人5人が取り残されており、彼らを救出するためにマイケル・ナンツ軍曹(アーロン・エッカート)を含む10人の海兵隊員が立ち上がった。廃墟と化した街、視界を遮る砂塵、突然発砲される銃弾を掻い潜りながら、民間人確保のため前進する兵士たち。激しい銃撃戦で仲間を失い、退路も断たれるなか、果たして彼らは、そして人類は生き残れるのか…!?』



本日、土曜プレミアム世界侵略:ロサンゼルス決戦がテレビ放送されます。この作品はいわゆるSFアクション映画で、その中でも「異星人による地球侵略」をテーマにした物語です。こうした”異星人侵略モノ”は古くからSFのネタとして小説や映画に登場し、1950年代に『地球の静止する日』や『宇宙戦争』など、様々な作品が製作されました(この2つは後にキアヌ・リーブストム・クルーズ主演でリメイクされている)。

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実はこのような侵略SFは世相を反映したものが多く、1950年代当時は西側と東側に分かれて世界が争っていた「冷戦の時代」であり、アメリカのみならず民主主義国家の敵は共産主義でした。つまり、共産主義国家を得体の知れない不気味なモノとして捉え、共産主義者を敵視する映画として”異星人の侵略”を描いていたのです。

以来、現在に至るまで『ボディ・スナッチャー』、『マーズ・アタック!』、『インデペンデンス・デイ』、『スカイライン-征服-』、『バトルシップ』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』など、「宇宙から変なヤツらが攻めて来て地球がエラいこっちゃ〜!」的な映画が山ほど作られてきました。

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では、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』はどのような世相を反映しているのか?と言えば、やはり”9.11”に端を発したアメリカの対テロ戦争にあると考えられるでしょう。イラクに侵攻したアメリカは、そこで見えざる敵との戦いを強いられます。そういった”長く出口の見えない戦争”を取り巻く社会情勢こそが、本作を作るきっかけになったのは間違いありません。

この映画の特徴は、「日常生活を営んでいる我々の都市が、ある日突然、武力侵攻によって戦場になったらどうなるか?」をリアルにシミュレーションして見せているところです。つまり、”侵略SF”という設定を使って、現実の世界が戦争地帯になる恐怖を観客に疑似体験させるための映画なんですね。

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