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『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』ネタバレ感想


■あらすじ『アベンジャーズの戦いから2年。ブラック・ウィドウとともにS.H.I.E.L.D.(シールド)の一員として活動するキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースだったが、いまだ現代での生活に馴染めず、また自分の役割にも少なからぬ戸惑いを拭えずにいた。また、ニック・フューリー長官が語る巨大空中母艦ヘリキャリアによる全人類の監視という計画にも疑問を感じてしまう。そんな中、味方だと思っていたシールドの仲間たちから命を狙われる緊急事態が勃発!もはやアベンジャーズ以外誰も信用できない窮地に追い込まれたキャプテン・アメリカ。果たして誰が敵で誰が味方なのか?そして、真の黒幕が企てた恐るべき陰謀がついに明らかになる…!』



キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を観て来ました。この映画は、一応前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の続編なんですが、時系列的にはアイアンマンやマイティ・ソー達と大暴れした『アベンジャーズ』の後の話になっています。なので、『ザ・ファースト・アベンジャー』と共に『アベンジャーズ』も観ていないと内容が多少分かり難いかもしれません(まあ、観てなくても大体分かりますけどね)。

さて、『ウィンター・ソルジャー』はどんな出来栄えだったのか?感想を書こうと思うんですが、その前にちょっと告白しておかねばならないことがありまして…。実は僕、キャプテン・アメリカってあまり好きじゃないんですよね。「いやいや、いきなり何言い出すんだオメー、だったら観に行くなよ!」とか言わないように(笑)。決して嫌いじゃないんです。ただ、他のアメコミ・ヒーローに比べるとキャプテン・アメリカってその……ぶっちゃけ”弱い”じゃないですか?

アベンジャーズ』で共演したアイアンマンなどは、自在に空を飛び回り、光線やミサイルをぶっ放して派手に敵をやっつけているのに対し、キャプテン・アメリカの場合は「楯で身を守りながら敵に近付いて素手で殴る」という地味な接近戦オンリーなんですよ。攻撃力自体も格段に高いわけではなく、マイティ・ソーやハルクに比べると明らかに見劣りするし、防御力に至っては(まあ、さすがに普通の人間よりも頑丈ですけど)、銃弾が急所に当たれば死んでしまうのです。

おまけに、前作の『ザ・ファースト・アベンジャー』が僕的にはちょっとイマイチな出来でして…。キャプテン・アメリカが誕生するまでの説明が長いし、戦闘シーンが地味で盛り上がりに欠けるし、挙句の果てには「この後は『アベンジャーズ』へ続く!」みたいな感じでいきなり話が終わってるし。要は、キャプテン・アメリカだけの独立したストーリーじゃなくて、完全に『アベンジャーズ』の前フリなんですよ。これには正直ガッカリしました。

なので、「アメコミ映画は好きだけどキャプテン・アメリカはちょっとなあ…」という微妙なテンションで今回の『ウィンター・ソルジャー』を観に行ったわけです。そしたらなんと!スゲー面白いじゃないですか!なんだコレ!?『ウルヴァリン:SUMURAI』の256倍ぐらい面白いよ!サイコー!(ちなみに『ウルヴァリン:SUMURAI』はレビューを書く気力が全く湧かなかったので、いまだに何も書いてませんw)

では、どんなところが良かったのかと言うと、まずキャプテン・アメリカが強そうに見えるんです(笑)。冒頭、S.H.I.E.L.D.の仲間を救うために、テロリストに乗っ取られた大型船へ乗り込んだキャップは、物凄い勢いで敵を次々となぎ倒す、その姿が抜群にかっこいい!基本的に、戦う相手が人間ならキャップは強いんですよ(笑)。

なんせ、前作『アベンジャーズ』では、妙な術を使う神様(ロキ)とか、凶悪宇宙人軍団(チタウリ)などアホみたいに強い連中ばかりと戦ってたわけですから、どんなに頑張っても勝てるはずがありません。それに比べれば今回は「S.H.I.E.L.D.内部に潜んでいる裏切り者」と戦う話なので、敵が全員人間だから弱いキャップでも楽勝ですよ楽勝!ただ、ボスキャラのウィンター・ソルジャーだけはめっちゃ強いです(^_^;)

それから、アクションシーンも派手で良かったですね。「殴る蹴る」という泥臭い戦闘スタイルは相変わらずなんですけど、本作では楯を防御だけでなく”武器”として使用しているため、アクションのバリエーションが格段に増えました。さらに今回は現代が舞台になっているので、キャップをやっつけるためのありとあらゆる近代兵器が出まくります。大量の銃火器を駆使したガンアクションや、狭いエレベーターの中で繰り広げられる大乱闘も素晴らしい!

さらに銃撃戦や格闘戦だけでなく、中盤では『ボーン・スプレマシー』ばりのカーアクションも大炸裂(ニック・フューリーの車がハイテクすぎて逆に笑えるw)。おまけにクライマックスでは『アベンジャーズ』にも登場した巨大空母:ヘリキャリアが3台も出てきて大変な状況に!いや〜、凄かったなあ!

また、内容の方もかなりシリアスな展開になっていて、ある人物の策略にはめられたキャップは、自分が所属していた組織から追われる身になってしまい、激しい追撃を振り切って逃亡を図ります。

この「正義の味方が自分の身内から命を狙われる」という図式は、ベトナム戦争ウォーターゲート事件などを経て国家に不信感を抱くようになった民衆の心理とリンクしていて、自分が信じていたものから裏切られ、「正義のアメリカ」という理想が崩れ去った混沌とした世界を如実に表しているのではないでしょうか。

主人公が謎を解明し、衝撃の真相に迫っていくポリティカル・サスペンス風のストーリー展開も、『ミッション・インポッシブル』シリーズのような緊迫感を生み出し、とても迫力がありました。

そして、何と言っても本作の白眉はキャプテン・アメリカとウィンター・ソルジャーの人間ドラマです。ウィンター・ソルジャーことジェームズ・バーンズ(バッキー)は、もともとスティーブ・ロジャーズ(キャプテン・アメリカ)の親友で、前作の戦いで死亡したと思われていました。しかし、宿敵ヒドラの科学力によって洗脳され、暗殺者として再び現代に甦ったのです。キャップの前に現れたバッキーは記憶を奪われ、過去の出来事やロジャーズのことも覚えていません。

そんなバッキーに対し、「僕たちは今でも親友だ!」と必死に説得を試みるキャプテン・アメリカ。この二人のやり取りが悲しく切なくて、思わずグッときましたよ。結局バッキーの記憶は完全には戻りませんでしたが、瀕死の重傷を負ったロジャーズを助けて去っていく姿に、「わずかでも親友を想う心が残っているのでは?」と感じました。

というわけで、全く期待しないで観に行ったら、意外と面白くてびっくりした『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』。本国アメリカでは公開以来ぶっちぎりの大ヒットを続け、全世界の興行収入はたったの1週間で5億ドルを突破したらしい。また、批評家達の反応も上々で、「『ダークナイト』以来の傑作アメコミヒーロー映画だ!」と大絶賛されているそうです。まだまだ記録は伸びそうだなあ。

なお、例によってエンドロールの後におまけ映像が流れるのでお見逃しなく。一応、映画が始まる前に「本編終了後におまけ映像あります」的な注意事項が表示されるので、お客さんはその映像を観てから席を立っています。

しかし、油断してはいけません。実はおまけ映像は二つあるのですよ。一つ目の映像が終了した時点で「ああ終わった」と安心して帰ってしまう人がいるようですが(僕が観に行った時も大勢いたんですが)、最後の最後にもう一つ映像が流れるのでご注意を(^.^)


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