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『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』ネタバレ感想


■あらすじ『ロシアの中枢クレムリンで謎の爆破事件が発生し、何者かの陰謀によってその容疑がIMF(米国極秘諜報機関)のイーサン・ハントとそのチームにかけられる。米国大統領は政府の関与を否定するべく“ゴースト・プロトコル”を発令、イーサンのチームはIMFから登録を抹消されてしまった。政府に見捨てられたイーサンたちは、孤立無援の中で事件の黒幕を追い、さらなる核によるテロを未然に防ぐという過酷なミッションの遂行を余儀なくされる。そんな中、世界一の高さを誇り、最新のセキュリティシステムで守られたドバイの超高層ビルブルジュ・ハリファ”で、黒幕たちの取引が行われることを知ったイーサン達は決死の作戦を実行する…!世界を股に過酷なミッションに挑むエージェント達の姿を圧倒的なスケールで描き出した大ヒットアクションシリーズ第4弾!』



本日、日曜洋画劇場で『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』が地上波初放送されます。さすが人気シリーズの最新作だけあって、全世界の興行収入が7億ドル、日本でも50億円以上の大ヒットを記録しました。ところが、大問題が勃発!劇場公開後にある人から「この映画のストーリーは盗作だ!」と訴えられてしまったのですよ。

訴えたのは、脚本家のティモシー・パトリック・マクラナハンさんで、彼の主張によると「自分は1998年に、『Head On』というタイトルで脚本を書き、U.S. Copyright Office(米国著作権局)に登録を済ませていた。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のストーリーは『Head On』とほぼ同じだ!」とのこと。

もしこの話が事実だとすれば、どういう経緯で脚本が外部に漏れたのでしょうか?どうやら、最初にハリウッド・エージェントの「ウィリアム・モリス・エージェンシー」に持ち込まれ、採用はされなかったものの、内容のみがトム・クルーズが所属しているエージェントの「CAA」に流出したのではないか?とマクラナハンさんは疑っているようです。

こうしてマクラナハンさんは「著作権を侵害された!」として2013年12月にトム・クルーズや配給元のパラマウント・ピクチャーズ、制作会社のスカイダンス・プロダクションズ、クルーズ/ワーグナー・プロダクションズなどを相手取り、10億ドル(約1,014億円)もの損害賠償を請求する訴えを起こしました。盗作の賠償額としては莫大ですが、マクラナハンさんは「DVDの売り上げやレンタルにおける収入を含めればこれぐらい当然だろう」と考えているらしい。

まあ、ハリウッドでは何かの映画がヒットするたびに「盗作だ!」と訴える人が必ず出てくるので珍しいことではないようですが(ジェームズ・キャメロンなどは盗作対応専門の弁護士を常時雇っている)、こういう「昔オレが考えたストーリーに似ている問題」はどんな映画でも当てはまることなので、ある程度は仕方が無いのかもしれませんねえ。


さて、トム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』シリーズは、それぞれ違う監督が担当してるんですけど、1作目のブライアン・デ・パルマはサスペンス要素が満載、2作目のジョン・ウーは派手な銃撃戦、3作目のJ.J.エイブラムスはかっこいいアクションなど、毎回監督が変わる毎にそれぞれの特徴が見えるところも楽しみなんですよね。

4作目の今回は監督が『アイアン・ジャイアント』や『Mr.インクレディブル』や『レミーのおいしいレストラン』など、CGアニメばかりを作ってきたブラッド・バードが担当しているせいか、妙にアニメ的というかコメディ映画寄りになっている気がしました。とにかく全シリーズで一番笑える内容でしたよ(笑)。

たとえば、イーサンと相棒のベンジークレムリン内部に侵入するシーン。長い廊下の突き当たりに見張りの男が一人いるという状況で、何とか気付かれずに突破しようと考えた方法が、なんと廊下一杯に巨大なスクリーンを張り、そこへCGで作った廊下の映像を映し込み、スクリーンの裏に隠れながらゆっくり進んでいくという大胆すぎる戦略!

文字で書くと伝わり難いかもしれませんが、二人の動きがどう見てもバラエティ番組のノリなんですよ。見張りがよそ見をした隙に少しずつ前進するって、もう完全に「ダルマさんが転んだゲーム」でしょ(笑)。どこのスパイがこんなアイテム考えたんだwww

その後、負傷したイーサンが病院から脱走するシーンも凄い。上半身裸で足元は裸足という、浮気相手の旦那に見つかった間男みたいな状態で病院の壁際に佇むイーサン。次の瞬間、華麗なアクションで見事脱出に成功。更に、歩きながら衣服と靴と携帯電話を次々に盗みまくる早業を披露します。IMFは泥棒も上手くないと務まらないのか(笑)。

それから、秘密基地に偽装した列車へ乗り込むシーンもかなり可笑しい。列車の側面にパスワード入力と個人認証システムがついているため、走りながら認証するハメに(オイオイw)。特に機械を覗き込まなければならない網膜認証が厄介です。危うく鉄柱にぶつかりそうになってるじゃん(笑)。指紋認証にすればよかったのに。この場面もバラエティっぽいですねえ。

そして、ドバイでは更に危険なミッションが待っていました。超高層ビルのサーバールームに侵入するには、誰かが外から入るしかない。でも誰が行く?って話になった時、無言でイーサンを見つめる他のメンバー。「……え?オレ?マジで?」みたいな顔をするイーサンのリアクションが実にいいですね(笑)。

しぶしぶ秘密道具の「くっつきグローブ」を装着してビルの壁面を登っていくイーサン。ところが、整備不良でいきなり故障!窓ガラスにへばり付いたままアタフタするイーサンの姿はもはや立派なコメディアンですよ(笑)。予告編に出ていた「腰にロープを巻いて窓からダイブするシーン」は意外とあっさりでしたが、それでも高所恐怖症の人にはたまらない映像でしょう。

ちなみに、このシーンは全高(尖塔高)828mの世界一高い超高層ビルブルジュ・ハリファ」で撮影されました。窓から下を見下ろすだけでも膝がガクガクと振るえるほどエグい高さなんですが、なんとトム・クルーズは撮影後にプライベートでビルの一番てっぺん(先端部分)まで登り、記念にサインを残してきたんだとか。トムさん曰く、「高い所は全然怖くないんだよ」とのこと(ビルの頂上を征服してご満悦のトム・クルーズ↓うわあああ!怖えええ!)。



828mの頂上から眺める景色ってどんな感じなんでしょう?やっぱトムさん、ハンパねえわ(^_^;)

あとは、エージェントの紅一点:ジェーン・カーターを演じるポーラ・パットンがセクシーでエキゾチックな魅力を振りまき、色んな意味で見逃せません。中でも、女殺し屋のサビーヌ・モロー(レア・セドゥ)との激しいバトルは必見のエロかっこ良さ!



というわけで本作は、「凄いアクションシーンがことごとく笑える」という、往年のジャッキー・チェンみたいな体を張ったシチュエーションがてんこ盛りになってる映画です。上下の高低差を活かしたクライマックスの立体的なバトルも実にユニーク。49歳なのに全力疾走するトム・クルーズの必死な姿もジャッキー・チェンとダブって見えました(笑)。

「この事件って本来はロシア連邦保安庁が解決すべき問題じゃないの?」とか、「自国に核ミサイルが飛んできたら、あっという間にNORADの監視衛星に引っ掛かって迎撃されるだろ!」とか、ツッコミどころも満載なんですけど、そういう緩い部分も含めつつ、シリーズで一番爆笑ポイントが多い快作として充分に楽しめると思います。



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