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ウィル・スミス主演のヒーロー映画『ハンコック』感想(ネタバレ)


■あらすじ『ロサンゼルスに暮らす酒浸りの自堕落な男ハンコックは、なんと不死身で空も飛べ、しかも驚異的なスーパー・パワーの持ち主だった。その類い希な能力を使い、事件が起きればすぐさま現場に駆けつけて解決してくれるが、事件の度に周囲へ大損害を与える乱暴なやり方と、迷惑を掛けても何一つ反省しないぶっきらぼうな態度が災いし、人々から非難されてばかり。そんなある日、踏切内で身動きがとれなくなり列車に轢かれそうになった1台の車をいつもの強引さで救う。その車を運転していたPR会社勤務のレイにとって命の恩人となったハンコックは、彼から正義のヒーローとしてのイメージ・アップ計画を持ちかけられるのだが…。共演にシャーリーズ・セロンジェイソン・ベイトマン。監督は「キングダム/見えざる敵」のピーター・バーグを迎え、ウィル・スミスがトラブル・メーカーのヒーローに扮したアクション・コメディ!』



本日、金曜ロードSHOWにてウィル・スミス主演の痛快ダメ人間映画『ハンコック』が放映されます。常に酒を飲んで酔っ払い、何か事件を解決するたびに建物や道路などを破壊し、市民から嫌われまくっているスーパーヒーローという設定を聞いただけで、「何か面白そう」と期待を持たせる引きの強さを有しており、実際、導入部分はハンコックのハチャメチャな言動だけで場のテンションを盛り上げていました。

いわゆる”キャラが立っている”という状態で、典型的なハリウッドスタイルといえるでしょう(ハリウッドではまず、観客にウケそうなキャラクターを創造し、次にそのキャラクターを使って観客が好みそうな物語を作る、という順番になっているらしい)。

演じているウィル・スミスも見事なぐらいいつも通りのウィル・スミスで非常に楽しめましたよ、前半までは。 気になったのは中盤以降の展開ですね。本作は、基本的には”成長物語”です。ダメなヒーローが人々との交流を通じて大切な”何か”に目覚め、次第に本物のヒーローとして活躍を始める、という。まあ、ベタといえばベタなんですけど、主人公が結構魅力的に描けているので、そのままストレートに成長話を進めてもよかったんじゃないかなあと思うんですよ。

ところが、この映画の製作者たちは「ベタ過ぎる」と感じたのか、ヒネリを加えてきたんですね。それが、レイの奥さんを演じるシャーリーズ・セロンの設定です。「なんでシャーリーズ・セロンが、こんな普通の奥さん役なんだろう?」と途中まで疑問だったんですが、普通じゃありませんでした(笑)。

なんと、この奥さんもスーパーウーマンだったのです。しかも、二人の距離が近づけば近づくほどそのパワーが失われるという不可解な事実を聞かされてビックリ仰天!まさかそんな話だったとは! 確かに、この展開は意外性があって面白いかもしれません(僕も意表を突かれました)。

でも、残念ながらこの設定が有効に機能していない。設定そのものが曖昧だし(近づくとパワーが無くなるってどういう理屈なの?)、ストーリーが散漫になっただけで、ドラマに上手く融合していないような…。結局はSFというよりも恋愛モノなんですけど、そうなるとレイの立場が微妙なことになりそうだし。

ベースがアクション・コメディなので「ああいう設定も有りかな?」と一瞬は思ったのですが、クライマックスの盛り上げ方や、ラストシーンの落しどころを考えるとやはり、「あの設定はいらなかったのでは?」と思えてなりません。ヒネった設定を入れるなら入れるで、もう少しストーリーの整合性を考えて欲しかったなあ。

ちなみに、日本語吹き替えでレイの声を演じているのは、エグザイルの眞木大輔さんです。雰囲気は悪くないんですけど、本職の声優じゃないので違和感ありまくりでしたよ。


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