ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

ラストシーンのアノ人は?『アイアンマン3』ネタバレ映画感想

■あらすじ『”アベンジャーズ”の一員としてヒーローたちと手を組み、人類滅亡の危機を回避したトニー・スターク。だが、この戦いは彼の心に大きな影を落とし、何かに取り憑かれたように新型アイアンマン・スーツの開発に没頭する。一方、巷では凶悪テロリスト“マンダリン”による爆破テロが連続発生していた。また、かつてトニーと対面した科学者キリアンが驚異的発明を手に再び姿を現わす。そんな中、トニーの自宅がマンダリンによって襲撃される大事件が勃発。果たしてトニー・スタークはアイアンマン・スーツを駆使し、冷徹な一味の陰謀を食い止めることはできるのか?鋼鉄のヒーロー“アイアンマン”の活躍をロバート・ダウニー・Jr主演で描くSFアクション超大作のシリーズ第3弾!』


「さらばアイアンマン」という思わせぶりな宣伝文句や、トニー・スタークの真面目くさったモノローグ、そして悲壮感漂うBGMなど、やたら”最終章”を強調した予告編を見て、「どんだけシリアスなストーリーなんだ?」と期待半分不安半分で観たのですが、全く予告編とは異なる内容にビックリ仰天!まさかこんなストーリーだったとは(笑)。



いや、映画は面白かったですよ。面白かったけど、予告編の陰惨なイメージがどこにもないじゃん!てっきり『ダークナイト ライジング』みたいな暗い話になるのかと思ったら、我らがトニー・スタークさんは相変わらずノーテンキ(笑)。ダークな雰囲気なんか微塵もありません。まあ、これが『アイアンマン』という作品の魅力なので別にいいんですが、だったらあの予告編は何なのかと(^_^;)

今回の物語は『アベンジャーズ』の凄まじい戦いから1年後という設定で、トニーさんはマジで心臓が止まる程の激しい死闘を繰り広げたため、酷い後遺症に苦しんでいました。過呼吸パニック障害不眠症など、PTSDによるストレスは確実に彼の精神を蝕み、苦痛を紛らわすために夜な夜なパワードスーツ作りに没頭した結果、気付いたらなんと42体ものアイアンマンを作り上げていたのですよ(なんでやねん!!!???)。

そんな「アイアンマン依存症」に陥ったトニーさんが、どうやってトラウマを克服し、心の傷を回復させるのか?すなわち、本作は「依存からの脱却」がテーマになっているのです。この設定は、実際に薬物依存に苦しんでいたロバート・ダウニー・Jrのプライベートとも重なっていて、実に興味深いですね(「依存を断ち切るには時間がかかる」というセリフがリアルすぎるw)。

一見すると重たい話になりがちなテーマを、トニーさん特有の明るいテンションで軽〜く描いているところが良かったです。もちろん映像はド派手でアクションシーンも迫力満点!”最終章”に相応しい完成度でした。


※以下、ネタバレしてます。観てない人はご注意を!

さて、「アイアンマン依存症」から脱却するためにトニーさんが何をやったかと言うと、”パワードスーツ無しで敵のアジトに忍び込む”という大胆な作戦です。今回、謎のテロ組織によって自宅を壊滅させられたトニーさんは、ようやく首謀者マンダリンの居場所を突き止めるものの、新型スーツ(マーク42)は深刻なダメージを負っていて使えません。

そこで、近所のホームセンターに行って色々な道具や材料を買い込み、手製の武器を作ってアジトへ侵入するのですよ。CIAやMI6など、世界各国の諜報機関が必死になって行方を捜している敵をあっさり見つけてしまうトニーさんも凄いが、自分で退治しようとする根性がまた凄い(米国政府に協力を仰ぐという発想はないのだろうか?)。

つーか、こんな大事件が起こっているのに、キャプテン・アメリカや他のアベンジャーズ・メンバーは何をやってるんだろう?とか相変わらず突っ込みどころも多いんですけど、それは言わないのがお約束ですねw

それから、今回のアイアンマン・スーツは遠隔操作できるという設定も面白かったです。つまり、スーツを着なくてもトニーさんの体に付けたセンサーの動きを感知して、カラのスーツだけが自由自在に動きまくるという仕組み。なるほど、これならいくら攻撃を食らってもダメージを受けないし、何よりも安全でラクチンだよなあ(もうずっとこの方式でやればいいじゃんw)。

さらにクライマックスでも、大量の自動操縦アイアンマン軍団が押し寄せて敵を退治し、「スーツを着て戦う」という意義がほとんど無くなっていました。事実、トニーさんもやたらスーツを脱いだり、他のスーツに素早く着替えたり、できるだけスーツに固執しないような動きをしています(敵にとどめを刺すのもアイアンマンじゃなくてペッパー・ポッツだし)。

おまけに、最後は全てのアイアンマン・スーツを自爆させ、強制的に「アイアンマン依存症」からの脱却を図るという徹底ぶり。重度のオタクが、リア充を目指して手持ちのフィギュアを全部ぶっ壊すような感覚なんでしょうか?ここまで潔く破壊するとは思わなかったよ(もったいない!)。

そしてラストシーン、手術によってアーク・リアクターを取り外したトニーさんは、完全にアイアンマン・スーツとの決別を果たしました。しかし、これでアイアンマンがいなくなったわけではありません。トニー・スタークの渋いモノローグで物語は幕を閉じますが、その間際に言い放つセリフに痺れる!

「あのスーツは僕を包む繭だった」

「今、僕はその繭を破って生まれ変わる」

「だが、たとえマシーンが無くなってもこれだけは変わらない」

「僕はアイアンマンだ!(I am IRONMAN !」)」

ぐわぁ〜!かっこええ〜!やっぱヒーローはこうでなくっちゃ!まあ、この後も『アベンジャーズ2』にアイアンマンは登場するはずなので、これで最後じゃないんですけどね。その他、色々気になったところを箇条書きで。

●敵、弱くね?
今回、爆破テロで全米を恐怖のどん底に叩き落とす凶悪犯マンダリンが、実は単なる操り人形で、その裏では真のラスボスのキリアン(ガイ・ピアース)が暗躍していた、という展開になっています。しかし、このキリアンがあまり強そうに見えません。彼は「エクストリミス」という技術のおかげで体から高熱を発する特殊能力を身に付けましたが、彼の部下もほぼ同じ能力を発揮できるんです。

つまり、キリアンが他のザコキャラよりも優れている点が、特に見当たらないんですよねえ(ちょっと設定温度が高めなぐらい?)。むしろ、科学者のキリアンよりも戦闘訓練を受けた部下たちの方が強いはずだし。最後はペッパー・ポッツにやられちゃうし。そもそも「体が熱くなるだけ」って攻撃が地味すぎるでしょ(笑)。

ベン・キングズレーが意外とおちゃめだった
ガンジー』でアカデミー賞を受賞し、以来3度もオスカー候補になっているサー・ベン・キングズレー。そんな偉大な俳優が、なんでこんなふざけた役を……ってサイコーに面白かったです!アカデミー俳優が本気を出せば、どんなキャラでも輝いて見えるのね〜。インチキ臭さ全開のマンダリンのハジケぶりがたまりません(笑)。

●ペッパー・ポッツ最強伝説
今までは、トニー・スタークのお気に入りナンバー1として守られ続けていたペッパー・ポッツさんが、今回とうとう自らアイアンマンスーツを着込んでスタークを守ります(正確には、スーツがペッパー・ポッツを守ってるんだけど)。そして最後は、「エクストリミス」を投与されて不死身の体に生まれ変わったポッツさんが大暴れ!飛んできたアイアンマンスーツを素手で粉砕し、ラスボス(ガイ・ピアーズ)を一撃でぶっ倒す!まさに無敵の女社長!結局、この映画で一番強いのはペッパー・ポッツさんでした(笑)。

●ハッピー・ホーガン役は続投
1作目と2作目にトニー・スタークの運転手として登場したハッピー・ホーガン。実は、この役を演じているジョン・ファヴローは前作・前々作を撮った監督なんですけど、『アイアンマン2』を公開した後に「マーベル社から解雇された」という噂が流れました。そして、実際に『アイアンマン3』の監督がシェーン・ブラックに決まったことから、「ハッピー・ホーガンの役も他の人に変わるのでは?」との憶測が拡散。

しかし、結局はデマだったようで、ジョン・ファヴローが引き続いてハッピー・ホーガン役を続投し、さらに以前よりも出番が増えるという結果になっています。なお、『アイアンマン3』の監督を降板した理由については、「ディズニーの『マジックキングダム』を撮影するため」と報じられていますが、そのスケジュール調整でハッピー・ホーガンがほとんど寝たきり状態になったのかなあ(笑)。

一方、これとは対照的なのがテレンス・ハワードでしょう。『アイアンマン』の1作目でローディ中佐を好演したテレンスは、当然2作目も出演すると思われていました。ところがなぜか突然ドン・チードルに交代。しかも、自分が降板したことをインターネットのニュースサイトで知ったというのですから酷い話です。

報道によると、『アイアンマン2』の契約時に「1作目のギャラは450万ドルだったが、2作目は100万ドルにしたい」と映画会社側から大幅値下げの出演料を提示されて交渉が決裂したらしい。まあ、シリーズの途中で急に役者が交代するパターンはたまにありますけど、事情を知らない観客は「あれ?なんで変わってるの?」と違和感があるでしょうね(^_^;)

●エンドロール後のお楽しみ
エンディング終了後、「僕の話を聞いてくれてありがとう」とトニーが誰かに話しかけている声が聞こえます。しかし相手の男は爆睡中。この人、最初は誰か分からなかったんですが、良く見たらハルクのブルース・バナー(マーク・ラファロ)でした。顔が地味すぎて気付かないよ!

しかも、目覚めたブルースに「どこから寝てた?」とトニーが尋ねると「う〜ん、スイスの辺りかなあ」と答える始末。それって全部じゃん!トニーが話し始めた時点でもう寝てたのかよ?寝るの早すぎるだろwww


●人気記事一覧
type-r.hatenablog.com
type-r.hatenablog.com
type-r.hatenablog.com
type-r.hatenablog.com
type-r.hatenablog.com