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実写映画版『GANTZ』ネタバレ感想(夏菜のおっぱいw)

■あらすじ『就活中の大学生・玄野計と正義感の強い青年・加藤勝。幼なじみの2人は地下鉄のホームで再会して間もなく、通過する電車にはねられ命を落とした。しかし死んだはずの2人は次の瞬間に見知らぬマンションの一室へ移動し、そこには他にも死んだはずの人々が…。やがて彼らは、リビングの中央に鎮座する謎の黒い球体“ガンツ”から唐突にあるミッションを命じられる。それは、“星人”と呼ばれる異形の敵と戦い、抹殺しろというものだった…。過激なバイオレンス描写でカリスマ的な人気を誇る奥浩哉の同名マンガを、「硫黄島からの手紙」の二宮和也と「デスノート」の松山ケンイチ主演で実写映画化した衝撃のSFサスペンス・ハードアクション!』



本日、WOWOWシネマで、邦画初のSFバイオレンスアクション超大作GANTZが放映されます。原作漫画『GANTZ』の最大の特徴といえば強烈な「エロ・グロ・バイオレンスアクション」になるわけで、それが実写映画化においてどの程度再現されているのか?ファンならずとも大いに気になるポイントでしょう。

結論から言うと、無難にまとめつつも原作のテイストを上手く表現していたと思います。初っ端の”ねぎ星人とのバトルシーン”も原作では凄まじい殺戮場面として描かれていますが、映画でもかなりリアルに描写されていて驚きました。

さすがに、手足が吹っ飛んだり内臓がはみ出たりといった直接的な部分はじっくり映さないものの、攻撃を受けた肉体が粉々に爆裂する様子を「ビシャッ!」という効果音と大量の血飛沫で表現するなど、惨劇を間接的に見せて観客の想像を喚起させる演出は「見事!」としか言いようがありません。

また、ガンツスーツやエックスガンなど、『GANTZ』の世界観を象徴する様々なアイテムの再現度も素晴らしい(SF映画の場合、こういった小道具のディテールにこだわるかどうかで、ビジュアルの説得力が全然違ってくるんですよねぇ)。

今までの日本SF映画では、衣装やセットにお金を掛けることができず、ショボいディテールばかりでガッカリさせられることが多かったんですが、『GANTZ』ではその辺を非常に上手くクリアーしており、独特の雰囲気を存分に堪能できますよ。


では、なぜ実写版『GANTZ』が比較的上手くいったのか?といえば、要因の一つは「原作の選び方」にあるのではないかと。漫画『GANTZ』の舞台は現代の東京で、登場人物も全員日本人。しかも主要な場面は「ガンツ部屋」と呼ばれる小さな部屋の中だけで展開されています。ということは、大掛かりなセットを組む必要が無く、海外へ行かずに近場でロケできるので、その分の費用も安くて済む。

つまり、前後編合わせて40億円という巨額の製作費を、衣装と小道具とCG合成に集中して使えるので画面がリッチに見えるのですよ。もしこれが「近未来の地球を舞台にした大規模なSF戦争映画」とかだったら、40億でも全然足りなかったでしょう(そう考えると実写版『ヤマト』の20億って破格の安さだよなぁw)。

そして、もう一つの成功要因が「特撮テイスト」の導入です。『GANTZ』における「主人公達が特殊なスーツに身を包み、凄い武器を駆使しながら不気味な星人達をやっつける」というシチュエーションは、古くから「戦隊シリーズ」や「仮面ライダーシリーズ」等で使われ続けてきた設定と全く一緒なのです。

すなわち、子供向け特撮番組で長年培ってきたノウハウがそのまま生かせるわけで、アドバンテージとしては極めて大きい(事実、アクションの見せ方はどのシーンもかっこよく決まっていて迫力満点!)。

また、VFXやCG合成や特殊メイクなども手慣れた感じで、「日本のSF技術もここまできたか!」と感心せざるを得ません。まさに本作は「適切な原作」に「適切な予算」と「適切なVFX・アクション・ガジェット」をバランス良く組み合わせることによって完成した高品質なSF作品であり、『バットマン』や『X-MEN』にも匹敵する日本初の本格ヒーローアクション映画と言っても過言ではないでしょう(ちょっと過言かw)。

しかし、あまり褒めてばかりいてもアレなので、悪い点も挙げるとすれば「人物の描き方」が弱いです。端的に言うと、主人公に魅力が無いのですよ。玄野計は原作では高校生ですが、映画では就職活動中の大学生に設定変更されています。

この変更自体は問題ないんですが、玄野の性格まで変更されているため、感情移入し辛くなっているのですよ(ただの”感じ悪いにーちゃん”にしか見えない)。クライマックスの戦闘シーンも、加藤とのやり取りをもう少し丁寧に描いてくれれば素直に感動できたかもしれないのになあ。

また、小島多恵のポジションも曖昧で、本作だけ見ると何のために出ているキャラなのか良くわかりません。玄野に対する接し方も「オイオイ、なんでそんなことになるんだよ?」と突っ込みたくなるほど唐突な言動が目立ちました。しかし、玄野と多恵ちゃんの関係は後編で詳しく描かれると思うので、やはり前後編合わせて判断するのが妥当なんでしょうね。

しかし、本作における最も残念なポイントは、「エロ」の要素が極めて少ないことです。奥浩哉のマンガと言えば「エロ・グロ・バイオレンス」であり、中でも「エロ」は欠かすことの出来ない最重要事項のハズ。なのに、実写版『GANTZ』では付け足し程度に岸本のヌードがあるだけで、ほとんどのエロシーンがオミットされているのですよ!

二宮君目当てで観に来る女性客に配慮した結果なのかもしれませんが、これはちょっといただけない。せっかく”おっぱい要員”として夏菜さんがキャスティングされているんだから、もっと彼女のナイスバディを生かすような展開を入れればよかったのに…(泣)。

ちなみに、映画の撮影初日がまさに”全裸の岸本がガンツ部屋に現れるシーン”だったため、役者やスタッフの緊張感がハンパなかったとか。以下、二宮君のインタビュー記事より抜粋。

一番印象に残っているシーンは、やっぱり夏菜ちゃんのハダカのシーンですかね(笑)。あのシーンは撮影初日で、しかもそこから3日間そのシーンばかりを撮っていて、ずっとハダカの夏菜ちゃんは大変だったと思う。でも夏菜ちゃんはみんなを心配させないように、平気な顔をしてましたよ。女の人は強いですね。

映画ではほんの1分ぐらいのシーンなのに、撮影は3日間。ハダカの夏菜ちゃんがガンツ部屋に出現する様子を、オレたちはひたすらジッと動かずに見続けてるっていう…。そこでね、印象的だったのが、やたら本郷くんと目が合ったことなんですよ。撮影の合間に、”夏菜ちゃん寒くないかな”って思いながら目線を泳がせていたら、本郷くんも同じような顔で夏菜ちゃんを見ていて。初日の休憩時間は二人でその話をしていました(笑)。

撮影中の立ち位置として、オレは夏菜ちゃんの前にいるけど、本郷くんは後ろ側に座ってるんです。だから、夏菜ちゃんがどんな姿で撮影しているのかは、前に回り込まない限り絶対に見えないんですよ。カットがかかればすぐにガウンをはおるしね。休憩中に”前はどうなってるんですか?”って本郷くんに聞かれたので、”凄いことになってるぞ!”って言ったら”エーッ!”って(笑)。本郷くん、よっぽど気になってたんでしょうね(笑)。

(「GANTZ公式ビジュアルブック」より)



非常に刺激的なシーンですが、当時、夏菜さんは二十歳で脱毛などの知識もなく、世間的にもまだ脱毛が流行っていなかったので「仕方ないからお母さんに頼んで全身の毛を剃ってもらった」そうです(なお「下の毛は自分で剃った」とのことw)。

ちなみに撮影時は、肌色のサポーターを買ってきて適当な大きさに切ったガーゼを股間に当てて、サポーターでグルグル巻いて大事な部分を隠したとか(ただし、一度前張りを当てるとトイレに行けないので、撮影中はほとんど水分を取れなかったらしい)。

さらに全裸になってニプレスと前張りをした後に、ちゃんと隠れているかどうかをチェックしてもらわなきゃいけないんだけど、その時はマネージャーさん(男性)しかいなかったので、マネージャーの目の前でガウンをバッ!と広げて全身を見せたそうです(大胆だなあw)。



というわけで、個人的には割と楽しめました。正直、貶そうと思えばいくらでもアラ探しはできるんですが、「こういう荒唐無稽なSFアクション映画が、ようやく日本でも作られる時代になった」という状況そのものが素直に嬉しい。だって、日本のアクションヒーロー映画って、今までは「劇場版仮面ライダー」とか「ナントカ戦隊ナントカレンジャー」とか、そんなもんしかなかったんだから(あ、実写版『キャシャーン』があったか。あと『デビルマン』もw)。

まあ、そういった”膨大な駄作”の山を乗り越えて、ようやく『GANTZ』が登場したわけですよ。ちょっとぐらいおかしな部分があっても、「よく頑張ってるなあ」と広い気持ちでスルーしてあげてもいいんじゃないの?とか思ったり。

総評としては、「人物描写にやや難があるものの、VFXやCGのレベルも比較的高く、チープさを感じさせない良質なSFアクション映画」という感じでした。マンガ原作を実写化した映画としては上等な部類に入ると思われ、二部作の前編ということで物語的には完結していないものの、ラストカットの締め方も上手く、「後編も観たい!」と思わせるに十分な内容と言えるでしょう。次回は是非、”おっぱい増量”の方向でお願いします(笑)。

GANTZ

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