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『ヴァン・ヘルシング』ネタバレ映画感想


■あらすじ『19世紀のヨーロッパ。バチカンの秘密組織から命を受け、世にはびこるモンスターたちを退治し、彼らを恐れさせる伝説のモンスター・ハンター、ヴァン・ヘルシングは、バチカンの密命を帯び、相棒のカールとともに怪物伝説の土地トランシルバニアへ向かっていた。目的は、邪悪なパワーで世界征服を企むドラキュラ伯爵を抹殺すること。やがて彼らは、代々ドラキュラと闘い続けてきたヴァレリアス一族の末裔であるアナ王女と出会う。そして、共にドラキュラの陰謀阻止へ立ち上がるのだが…。伝説のモンスターたちと壮絶な闘いを繰り広げるモンスター・ハンターの活躍を、最新のVFXでスペクタクルに描いたアクション・アドベンチャー!』


本日、WOWOWにて『ヴァン・ヘルシング』が放映されます。狼男、ドラキュラ、フランケンシュタインジキル博士とハイド氏など、怪奇映画でお馴染みの有名モンスターたちが総出演しているゴージャスな作品ですよ。似たようなコンセプトで『リーグ・オブ・レジェンド』という映画もありますが、そっちはドラキュラやジキル&ハイドの他に透明人間が登場し、おまけにトム・ソーヤやネモ船長まで出演するという、闇鍋みたいな映画でした(モンスターじゃねえw)。

日本で言うと『ゲゲゲの鬼太郎』とか『怪物くん』みたいな感じですかね。主人公はヒュー・ジャックマン、ヒロインはケイト・ベッキンセイルという美男美女が繰り広げる華麗なアクションを楽しむホラー映画としては、まあ可も無く不可も無く「そこそこ面白い」と言えるんじゃないでしょうか。

基本的に、僕はこういう映画が好きなので、公開時は劇場へ観に行きました。観たらやっぱり、エロチックな衣装で主人公に襲い掛かるヴァンパイアのお姉さん達が非常に愉快で序盤は割と満足。ただ、「手放しで褒められるか?」というと結構微妙かなあ。

主人公の正体が最後まで分からなかったり、ご都合主義的な展開が多かったり、気になる部分も多々見受けられるんですよ。まあ、それらのほとんどは「荒唐無稽なアドベンチャー」ってことでスルーできるんですが、どうしても納得できないポイントが2点ほどありまして。

まず、:ラスボスがめっちゃ弱い!こういう映画の場合、最期の敵が強ければ強いほど、数々のピンチを切り抜けて主人公がボスを倒した時に、観客はカタルシスを得ることが出来るわけですよ。ところが本作のボスは実にあっけなく死にます。狼男に変身した主人公にボコボコにされたあげく、気付いたらいつの間にか死んでいるという酷い有様。

ドラゴンクエストの最期のボスをひのきの棒で殴ったら一撃で倒してしまった」ぐらいの手応えの無さで、思わず空しくなるほどでした。これではカタルシスを得られるどころか、逆にフラストレーションが溜まってしまいます。

もう一つ気に入らない点を挙げると、最後に:ヒロインが死ぬんです。いや、別に「死んだらダメ」と言っているわけじゃありません。物語の終わり方がハッピーエンドだろうがアンハッピーエンドだろうが、映画の出来不出来には関係ないと思います。しかし、この映画の場合は「ヒロインの死」に意味があるとはどうしても思えないのですよ。

状況としては「自らの命を投げ捨てて主人公の命を助ける」というようなシチュエーションではなく、「注射を打とうとしたら誤って殺されてしまった」てな感じで、要するに「事故死」なんです。死ぬ間際の会話も無く、ヒュージャックマンの「死んでしまった…」という一言で終わり。死んだ後のフォローも無いし、彼女の「死」によって後のドラマに大きな変化が生じる事も全く無い。本当に「ただ最期に死んだだけ」です。

これでヒロインの死に「何か意味がある」と言えるのでしょうか?そもそも、映画が始まってから、さんざん女吸血鬼に殴られたり、高いところから落とされたり、壁に叩き付けられたりしても平気だったくせに、何でそんなにあっさり死んじゃうんだよ?おかしいだろ!

アクションシーンばかりに力を入れすぎている為に「主人公とヒロインのドラマ」部分がほとんど描かれておらず、2人の「心の変化や触れ合い」を表すようなエピソードが全然無いのも気に入らない。これじゃ、主人公が彼女のことを好きだったのかどうかも良く分からないじゃん(わずかにキスシーンがあるものの、唐突な感じは否めません)。

このため、「ヒロインが死ぬ」という大事件が起こっているのにも関わらず、ちっとも悲しくないのです。こんなシーンを見せて観客にいったいどうして欲しいのか?感動の涙でも流せというのか?泣けるわけないだろ!\(*`∧´)/ ムッキー!!

人の「死」という重いシーンを描く場合は、そこに至るまでの過程をドラマでしっかり描かなければ必然性や説得力も生まれず、感情移入も出来ないはず。CGのドラキュラや狼男をリアルに作り込むのも結構ですが、人間のキャラクターにももっと「愛情」を注いでもらいたいものですねえ。


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