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『ゴールデンスランバー』映画感想(ネタバレあり)


■あらすじ『仙台に暮らすごく平凡な30歳の独身男、青柳雅春。金田首相が凱旋パレードを行うその日、大学時代の同級生・森田に呼び出された彼は、“お前、オズワルドにされるぞ。とにかく逃げろ!”と謎の警告を受ける。その直後、背後のパレード会場で爆発音がしたかと思うと、なぜか2人の前に警官が現われ、躊躇なく拳銃を向ける。訳もわからぬまま反射的に逃げ出した青柳は、やがて自分が身に覚えのない証拠によって首相暗殺の犯人に周到に仕立てられていくことを大量のマスコミ報道で知る。青柳の元恋人で大学時代のサークル仲間でもある樋口晴子は、事件の報道に驚き、かつての仲間たちに連絡を取ろうとするのだが…。』



本日はWOWOWシネマにて『ゴールデンスランバー』が放映されます。中村義洋監督の作品は、『アヒルと鴨のコインロッカー』、『チーム・バチスタの栄光』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』などを観てるんですけど、僕はどれも原作を読んでいません。なので、原作ファンの意見とはちょっと違うかもしれませんが、どの映画も普通に楽しめました(特に、『アヒルと鴨のコインロッカー』は良かったなあ)。

で、『ゴールデンスランバー』はどうなのかと言うと、やっぱり面白かったですね。「サスペンスをコメディタッチで描く」という演出がこの監督独自のものなのか、それとも原作がそうなっているのかは分かりませんけど、作品の雰囲気とキャラクターの面白さが上手く噛み合っていて、非常にユニークな世界観を形成している点がいいなと。

ただ、この独特な雰囲気に馴染めない人もいるようで、『チーム・バチスタの栄光』の時にも「あんな医者がいるわけないだろ!」とか「リアリティがない!」などと真面目に突っ込みを入れる映画ファンも見受けられました。確かにその通りなんですが、「いやいや、これはそういう映画なんだから…」と言うしかないんですよねえ(^_^;)

たとえば、本作にも「花火の直撃を受けた人間が空中高く吹き飛ばされる」というマンガみたいな誇張表現があり、「そんなバカな!」と怒る人がいるかもしれません。しかし、そもそもリアリティを重視した映画だったらこんなシーンを入れるハズがなく、監督が初めから狙ってやってることなので、そこに突っ込んでも意味は無いのです。

また、「首相暗殺事件」に関しても真相が解明されないまま終わってしまうため、「結局真犯人は誰なんだよ?」、「サスペンス映画の体を成していない!」と納得できない人もいるでしょう。でも、この映画で描かれている主題は「大切な仲間達との絆」や「人を信じる心」であり、暗殺事件そのものはいわゆる”マクガフィン”というやつで、「ドラマを起動させるための単なるきっかけ」でしかないんですよ。なので、あまり深く考えずもっと気楽に観ればいいんじゃないかと。

個人的には、主人公とヒロインのやり取りが切なくて泣かせるし、送られてきた封書を見て両親が安堵する場面もいいし、「オープニングとラストシーンが繋がっている」という終わり方も「おお、なるほど!」と感心させられたし、スリリングな逃亡劇を描きつつ全体的にほんわかしてるっていう、この不思議なバランス感覚が良かったですね。鑑賞後の余韻に浸れるタイプの映画ですよ。

それにしても、出演者の豪華さには驚きました。堺雅人竹内結子吉岡秀隆劇団ひとり柄本明濱田岳ベンガル大森南朋貫地谷しほり相武紗季、永島敏行、ソニン、でんでん、木内みどり竜雷太伊東四朗香川照之ってどんだけキャストに金掛けてるんだ(笑)。ほとんど画面に登場しないようなサブキャラにもわざわざ有名俳優を起用しているところが凄いですねえ。特に大森南朋さんの使い方が贅沢すぎるでしょ(笑)。


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