ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

ボンクラヒーロー大活躍!『バトルシップ』ネタバレ映画感想


■あらすじ『ハワイ沖にアメリカや日本をはじめ各国の軍艦が集結し、大規模な合同軍事演習が行われようとしていた。血気盛んな米海軍の新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)は、日本から参加した自衛艦艦長のナガタ(浅野忠信)に激しいライバル心をむき出しにする。そんな中、演習海域に正体不明の巨大な物体が出現。さっそくアレックスの乗る駆逐艦とナガタの自衛艦、それにアレックスの兄ストーンが艦長を務めるサンプソン号の3隻が偵察に向かう。ところが謎の物体は突然巨大なバリアを築き、人類はそこに閉じ込められた3隻以外に反撃の手段を失ってしまうのだった!衝撃の結末に括目せよ!エンドロールが終わるまで目が離せない!海軍マニアの父の影響で幼い頃から戦艦などに強い興味を抱いていたというピーター・バーグ監督が、エイリアンの襲撃に立ち向かう日米軍艦乗組員たちの決死の戦いを描いた洋上バトル・アクション超大作!』



本日、WOWOWシネマバトルシップが放映されます。僕は公開時に劇場で観たんですが、さすが「ユニバーサル映画100周年記念作品」ってことで制作側も気合いが入りまくってましたね。CGもVFXも火薬の量も、全てにおいてケタ外れの凄まじさです。

内容は「宇宙からヘンな奴らが攻めてきてエラいこっちゃ!」的な良くある”地球侵略モノ”の典型パターンなのに、想像を絶する面白さにビックリ!予告編を見た時は「なんか『トランスフォーマー』のパチモンみたいで新鮮さが無いなあ」とか思ってたんですけど、いい意味で予想を裏切られましたよ。ではいったい、何がそんなに凄いのか?

まず、主人公のアレックス(テイラー・キッチュ)が有り得ないぐらいアホです。いい歳してまともな仕事にも就かずブラブラし、好きな女の子の気を引くために閉店後のコンビニに忍び込んでチキンブリトーを万引きするなど(一応お金は払ってますがw)、非の打ちどころのないダメ人間ぶりを存分に発揮しているのですよ。

※なお、映画公開時にはタイアップでチキンブリトーが販売されていた↓

そんな主人公の酷い生活を見かねた兄貴が無理矢理に海軍へ入隊させるものの、そこでも自分勝手な行動を繰り返し、仲間に迷惑を掛けまくる始末。おまけに、アレックスの彼女のお父さん(リーアム・ニーソン)は海軍の提督(つまり自分の上司)なのですからもう大変!

何とか彼女との結婚を認めてもらおうと必死でアピールするアレックスですが、日本の海上自衛隊員:ナガタ(浅野忠信)と大喧嘩したことがバレて提督はカンカン。ついに海軍をクビになってしまいました。

という具合に、映画の序盤はひたすらアレックスのボンクラぶりを描写し続け、ほとんどストーリーが進展しません(このへんはもうちょっとテンポ良く進めて欲しかった)。しかし、謎の巨大物体が地球に落下した辺りから一気にドラマが加速し始めます。

米海軍が演習している海域に宇宙船が着水し、主人公たちが確認しに行くと突然周囲数百キロに渡って特殊なバリアーが張られ、彼らの駆逐艦が閉じ込められてしまいました。このバリアーは地球の科学力では突破することができず、外への無線も通じません。ということは、バリアーの中にいるアレックスたちが自力で何とかするしかない…!

しかし、宇宙人たちの武力は圧倒的で、アレックスの兄が乗っているサンプソン号もナガタの護衛艦みょうこう」も一瞬で撃沈されてしまいます。しかも、敵宇宙船からは巨大な回転ボール型兵機が次々と射出され、あっという間にハワイ市街地が壊滅状態に!いったいどうすれば…!?

ここからはもう怒涛の展開で、海上ではアレックスがナガタと”ある作戦”を実行しつつ、陸上ではアレックスの彼女が宇宙人の通信施設を破壊しようと奮闘します。

そして最後の最後、宇宙人の熾烈な攻撃に対し、いよいよ万策尽き果て「もはやこれまでか…」と全員が諦めかけていたその時、序盤であれほどボンクラだった主人公が凛々しく叫びました。「みんな諦めるな!俺たちにはまだアレがあるッ!」 果たして彼が提案した”大逆転の秘策”とは…!?

なんと、70年前に引退して記念艦となっていた「ミズーリ号」を復活させること。いやもう、このプランを聞いた時はひっくり返りそうになりましたよ。「マジか!?」と呆れ果てるような計画を本当に実行しちゃうんですから。主人公を敢えてバカに設定したのは、そういう理由だったんですねえ。そりゃ、まともな頭脳の持ち主だったらこんな発想が出るわけない(笑)。

しかし、この映画の素晴らしさとは、まさにこういう「理屈を超越した凄い展開」であり、「実現不可能な作戦に命懸けで挑む男たちの熱いドラマ」こそが最大の魅力なのですよ。クライマックスで主人公が言い放つ「だが、今日じゃない!」という言葉もしびれるほどにカッコ良く、”映画史に残る名台詞”と呼んでも過言ではないでしょう。

すなわち、この『バトルシップ』は『インデペンデンス・デイ』や『アルマゲドン』の資質を正しく受け継いだ、正真正銘の「燃えるバカ映画」なわけで、「常識的に考えてそれはいくらなんでも無理だろう」と思った時点で負けなんですよ(笑)。退役したかつての軍人たちがミズーリに集結するシーンも無駄にBGMがかっこ良くて燃えまくり!つーか、ジジイどこから出て来たんやwww

なお、クライマックスでめざましい活躍を見せる戦艦ミズーリは、”マイティ・モー”の愛称で親しまれているアイオワ級の戦艦です。第二次世界大戦で日本軍と数々の激戦を繰り広げ、湾岸戦争後の1992年に退役。そして1998年にはハワイにある戦艦ミズーリ保存協会に寄贈され、現在も浮かぶ博物館として観光客の人気を集めているそうです。そんな戦艦が動き出すわけだから、そりゃあ興奮するでしょうねえ。

ちなみにこのシーン、「どうせCGなんだろ?」と思って観てた人が多いんじゃないでしょうか。でも違うんです。なんと本物の戦艦ミズーリを動かしてるんですよ!いったいどうやって?

ミズーリの艦上は2010年の9月から2週間にわたって撮影隊のメインのロケ場所になっていましたが、実はその8か月前に、「メンテナンスを終えてドックから戻ってきたばかりのミズーリが航行する姿を撮影できるかも」という情報が流れてきたそうです。

それを知った監督は、「ぜひ撮影したい!」とミズーリ記念協会にかけ合って許可を得ました。そしてドックから戻り、観光客に一般公開するまでのちょっとした合間をうまく利用して、見事に戦艦ミズーリ海上を進んでいく姿をカメラに収めたのです。

タグボートに曳かれたミズーリは、パールハーバーを出て、ワイキキ・ビーチの沖約2マイルを悠々と沿岸航行しました。その歴史的な”外洋への航海”について、戦艦ミズーリ保存協会のキース・デメッロ氏はこう語っています。

場所的にも時期的にも最高のタイミングでした。撮影のためにロケハンをしていたピーター・バーグ監督が、この17年間なかった”ミズーリの乾ドック入り”という時期にたまたま訪れていたのですから、大変な幸運と言えるでしょう。あの撮影の日、船に乗ったのは、実際にミズーリで戦った経験のある人たち、修復に関わった人たち、そして、長年かけて栄光の船体を維持し続けてきた人たちなのです。”マイティ・モー”が再び洋上を走る姿を見られるなんて夢にも思っていなかったのですから、感激もひとしおでした。私たちもその現場に立ち会えて、とても幸せでした。 (『バトルシップ』劇場用パンフレットより)

さらに本作が素晴らしいのは、マイケル・ベイローランド・エメリッヒが必要以上にドラマを盛り上げようと「俺のことは構うな!先に行け!」みたいな感動エピソードを入れたがるのに対し、そういう余計な愁嘆場を極力排除している点なのです。

このため、ドラマが途中で停滞することなく、”ノリ”や”勢い”や”燃える展開”を何よりも優先し、ひたすらゴール地点に向かって突っ走るという潔い演出スタイルが貫かれています(あまりにも主人公がアホすぎるのもどうかと思いますがw)。

また、『マイティ・ソー』ではチョイ役だった浅野忠信が準主役級の扱いで大活躍するという、日本人としては「よくぞやってくれた!」としか言いようのないシナリオにも大感激。まさに破格の扱いと言えるでしょう(ただし、韓国では「日本人がかっこ良すぎる!」、「えこひいきだ!」など一部の観客からクレームが出たらしい)。

もちろん、「宇宙人は地球人側を赤や緑のカラーで区別しているようだが区別の根拠が曖昧だし、そもそもなぜ区別する必要があるのか理由がわからない」とか、「科学力に歴然とした差があるのに通常兵器で倒せてしまう」など、突っ込みどころは無数にありますけど、ま、このテの映画はそういうもんですから(笑)。

それより、現代の巡洋艦駆逐艦などが未知の巨大宇宙戦艦とドンパチする映画ってなかなか無いと思うので(普通のSF映画は宇宙戦艦同士の戦いだから)、それだけでも価値があると思います。

ついでにラストの展開を書いておくと、エンドロールの後、スコットランドに墜落した異星人の脱出ポッドを現地の人がこじ開け、「うわー!」みたいな感じで終わってました。まあ、ヒットしていれば続編を作る気満々だったんでしょうねえ。

というわけでこの映画、『インデペンデンス・デイ』や『アルマゲドン』を観て「んなわけねーだろ!」と本気で怒り出す人には全くオススメできません(笑)。しかし、シナリオに整合性を求めない人や、バカでド派手な大作映画をこよなく愛する人など、「こまけえこたぁいーんだよ!」的な映画ファンには非常にオススメです。是非、頭をカラッポにしてご覧下さい(^_^)


●人気記事一覧
これはひどい!苦情が殺到した日本語吹替え版映画ワースト10
まさに修羅場!『かぐや姫の物語』の壮絶な舞台裏をスタッフが激白!
日本映画のレベルが低くなったのはテレビ局のせい?
町山智浩が語る「宮崎アニメの衝撃の真実」
「映像化不可能」と言われている小説は本当に不可能なのか?


このブログについて(初めての方はこちらをどうぞ)
トップページへ