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『エクスペンダブルズ2』ネタバレ映画感想/解説/評価


■あらすじ『軍用銃のエキスパートであるバーニー・ロス率いる少数精鋭の凄腕傭兵軍団“エクスペンダブルズ”。今回CIAのチャーチが彼らに持ち込んできたミッションは、バルカン半島アルバニア領の山脈に墜落した輸送機に積まれていたデータボックスの回収というもの。エクスペンダブルズにとっては簡単な仕事だったが、ミッション完了の直前、残忍なヴィラン率いる謎の武装組織が現われ、データボックスを横取りされた上、大切な仲間の命も奪われてしまう。怒りに燃えるバーニーたちエクスペンダブルズの面々は、仲間の仇をとることを胸にヴィランの行方を追い始めるのだったが…。シルヴェスター・スタローンが新旧のアクション・スターを大結集して贈るアクション・エンタテインメント・シリーズの第2弾!』



絶賛公開中の続編『エクスペンダブルズ2』を観て来ましたよ。いや〜、相変わらず凄い映画だ!80年代に活躍した往年のアクション・スターたちが一堂に集結して悪党をやっつけるという、言うなれば「おっさんアベンジャーズ」ですね(笑)。とにかく本作は、『コマンドー』とか『ランボー』とか『ダイ・ハード』を観て育った世代にとっては夢のようなプログラム・ピクチャーであり、奇跡のコラボレーションと評しても全く過言ではない最高のアクション超大作に仕上がっています。

まず、オープニング直後からいきなり激しい銃撃戦が勃発!完全武装の装甲車に乗り込んだスタローン&乱暴者集団が、「ヒャッハー!」と叫びながら大量の銃火器で周囲の人間を惨殺しまくります。吹き飛ぶ手足、飛び散る内蔵、人体破壊の限りを尽くす、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図!この映画って、(前作もそうだったんですが)結構残酷な描写が普通に出てくるので、その手の映像が苦手な人は気を付けた方がいいかもしれません。つーか、『北斗の拳』の世界なら、完全に「ケンシロウにやられる側」のキャラクターですよコレ(笑)。

そして「ヒャッハー!」な人たちが敵のアジトに侵入すると、偶然アーノルド・シュワルツェネッガーを発見。そしてシュワちゃんの「お前の銃をよこせ!」との要求に対し、「壊したら溶鉱炉に沈めるぞ!」と切り返すテリー・クルーズ。ってそれ、『ターミネーター2』ですやん!という具合に、シュワちゃんが出てくるシーンは大体こんな感じで、本作では”お笑い担当”を嬉々として演じております。もちろん例の「アイル・ビーバック!」も聞けますよ(笑)。

その後、アジトを脱出したスタローンたちはなんとか川まで逃げ延び、用意してあったカナディアCL-215水陸両用飛空挺(通称アルバトロス号)に乗り込んで強行突破を図ります。しかし、当然の如く追手の激しい攻撃を食らい大苦戦。鳴り響く爆音!轟く銃声!ジェットスキーによる壮絶なチェイスで相手を蹴散らし、正面の敵に対しては飛行機の先端に搭載した105ミリキャノン砲をぶっ放すスタローン。2発3発と連続で撃ち込まれた砲弾により敵は壊滅状態に!そして、凄まじい大爆発を後にしつつ「いや〜、危なかったぜぇ」などと言いながら悠々と帰路につく主人公たち。

うっかり「このままエンディング・テロップが流れるんじゃないの?」と勘違いしそうなほどの盛り上がりですが、これは映画のクライマックスシーンじゃありませんからね。この後にようやくタイトルが出て本編がスタートするんです。つまり、アバンタイトルのわずか冒頭10分程度で既にこれだけのアクションが詰め込まれているわけですよ。もう、フルコースの前菜でいきなりラーメンとステーキとカツ丼を出されたような心境です。どんだけボリューム満点なんだと(笑)。

というわけで『エクスペンダブルズ2』は、前作同様に筋肉モリモリのいかつい大男達が、大した作戦も考えずノープランのまま敵地へ突っ込み、目の前に立ちはだかる邪魔者を銃や爆弾で殺していく、あるいは素手やナイフで殺していくだけの映画です。そこには緻密なストーリー構成も崇高なメッセージ性も存在しません。ただひたすらに、血と汗とバイオレンスだけが全てを支配する、まさに”男の世界”なのですよ!

「そんな映画が面白いのか?」と問われたら、これはもう「好きな人には面白い」と答えるしかないわけで(苦笑)。なんせ内容を要約すると「CIAの依頼で極秘データを回収する→悪党に仲間を殺される→敵のアジトを見つけてカタキを討つ」、たったのこれだけなんですから。

しかし、本作の見どころはストーリーじゃなくて、オールスター感謝祭とでも評すべき豪華絢爛なキャスティングそのものであり、文字通りの”お祭り映画”なんですよ。クライマックスに至っては、スタローン、シュワ、ブルースが横並びで銃を乱射し、その後ろではチャック・ノリスが戦い、しかもラスボスはヴァンダムという、中学生時代の俺が見たら失禁間違い無しのゴージャス極まりない映像がてんこ盛りなんだから、興奮するなって方が無理でしょう。

もちろん突っ込みどころは色々ありますが(というより最初から最後まで突っ込みどころしかありませんがw)、「こまけぇこたぁ、いいんだよ!」の精神で全編を乗り切ろうとする製作者側の揺ぎ無いスタンスには感動すら覚えました。80年代のアクション映画に思い入れのある人は見て損はない、というかむしろ必見の映画です!


以下、気になった点をネタバレありで。


ジェット・リーが単なる出オチだった
アバンタイトルの戦闘シーンで素晴らしいアクションを披露するジェット・リー。さぞや本編でも凄い活躍を見せてくれるのだろうと思いきや、まさかの最後まで出番無し!完全にゲストキャラ扱いだったことが判明してガッカリです。キャストが増えたから登場シーンを減らされたのかなあ。残念!

●ヒロインが微妙
今回、エクスペンダブルズに初めて女性メンバーが加わります。その名はマギー・チャン。いや、役名にも言いたいことはありますが(笑)、一番の問題はルックスですよ。あんまり可愛くないというかなんというか…。「男だらけの中に美人を放り込むと色々ややこしいことになる」という点を考慮したのでしょうか?だったら女性キャラでなくても良かったのでは?

なぜならこのマギーって、ほとんどストーリーに絡んでこないんです。序盤はデータを回収するために暗号を解読し、中盤以降は他のメンバーと共に戦闘に参加するだけで、そもそも「女性である必然性」が何も無いんですよ。”紅一点”というのであれば、せめてもう少し可愛い女優をキャスティングするとか、「女性キャラを投入した意味」を示して欲しかったところですねえ。

死亡フラグの立ちっぷりがハンパない
本作からエクスペンダブルズのメンバーに加わった新人スナイパー:ビリー君。ところが、序盤の会話シーンで「もう人殺しは嫌だ」とか「この仕事が終わったら、彼女と一緒に暮らしたい」などと死亡フラグが立ちまくりです。この直後、予想通りあっけなく死亡。彼がメンバーにいれば平均年齢がもっと下がったのに(笑)。

チャック・ノリスが強すぎて完全に人間を超えている
とにかくもう、チャック・ノリスの無敵ぶりが尋常じゃありません。大した武器を持っているわけでもないのに、一人で戦車を破壊したり大量の敵を一瞬で倒したり、戦闘能力が神がかっているのですよ。”ヒーロー補正”が高まり過ぎてATフィールド的なものが彼の周りに発生しているのでしょうか?激しい銃撃を受けても全く弾が当たりません。シュワちゃんですら弾を避けて物陰に隠れているのに、チャック・ノリスだけは「撃ってこいや!」と言わんばかりのノーガード。素敵すぎます。

しかも、他のメンバーには戦う理由があるんですけど、チャック・ノリス何のために戦っているのかさえ良く分からないんですよ。まるで”そうすることが当たり前”のように人を殺しているのですから余計に恐ろしい。登場シーンで必ず『続・夕陽のガンマン』のテーマ曲が流れるのには笑いましたが(笑)。

ちなみに、アメリカ人にとって”チャック・ノリス最強伝説”は全ての国民が知っている常識だそうで、「チャック・ノリス・ファクト(真実)」という言葉まであるのだとか。その恐るべき”真実”とは、「チャック・ノリスは何でもできる。負けること以外は」とか、「地獄には”チャック・ノリスお断り”の札が立っている」とか。

さらに「生まれたばかりの赤ちゃんが泣くのは、この世にチャック・ノリスがいることを知っているからだ」など、どれも凄まじい言い伝えばかり。中でも一番驚いたのは「チャック・ノリスは一輪車でウイリー走行できる」というもの。どういうことだよ!!!??? チャック・ノリスのチートぶりを表わした以下の動画も最高ですw↓

●次回作にはあの人が?
前作ではオファーを断ったジャン=クロード・ヴァン・ダムでしたが、今回とうとう出演を快諾。見事な開脚蹴りを見せてくれて大満足です。更に、アクション映画ファンにはお馴染みのスコット・アドキンスまで出演しているのですから嬉しい限り。

こうなると気になるのは、既に製作が決定している『エクスペンダブルズ3』には誰が登場するのか?ってことでしょう。噂では、ニコラス・ケイジジョン・トラボルタアントニオ・バンデラスなどが候補に挙がっているようですね。

しかし、個人的にはやはり”アクション映画界最強のオヤジ”として名高いスティーブン・セガールに是非出て欲しい。なんせ『沈黙』シリーズではチャック・ノリスと双璧を成すぐらいの無双ぶりを発揮しているセガール先生ですから、さぞや凄まじい活躍を見せてくれることでしょう。あとはウェズリー・スナイプスかな。脱税で捕まって、今は刑務所に入っているそうですが、出所したらキャストに加わる可能性があるらしい。

その他、クリント・イーストウッドハリソン・フォードも出演交渉中だとか。更に、メル・ギブソンカート・ラッセルジェフ・ブリッジスジャッキー・チェンが参加すればもう完璧!まさに”アクション・スター・フルコンプリート”ですよ!平均年齢もどんどん上がってますけど(笑)。


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