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『プロメテウス』の謎を解くヒントが?『大宇宙映画超読本』


どうも!管理人のタイプ・あ〜るです。9月になっても相変わらず厳しい暑さが続いてますけど、皆さんいかがお過ごしでしょうか?本日は最近購入した映画本についてご紹介しますよ。

まず1冊目は『異次元SF映画100』という書籍です。この本は、マニアックさにかけては定評のある映画秘宝が、各映画ジャンルのマスト100本を厳選する「映画の必修科目シリーズ」として企画したムック本の第3弾だそうです。

ちなみに、第1弾は『仰天カルト・ムービー100』と題して、『フリークス』『エル・トポ』『ピンク・フラミンゴ』などの「伝説的にアブない映画」をピックアップ。第2弾は『激辛韓流映画』と題して、『殺人の追憶』『復讐者に憐みを』『オールドボーイ』などの「壮絶すぎて観るのがツラい映画」を取り上げ、詳細に解説しています。僕は両方の本を読んだんですが、「さすが映画秘宝!よくもまあ、こんなトラウマになりそうな映画ばかり集めたもんだ!」と感心しましたよ(笑)。

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で、今回の『異次元SF映画100』は、”トラウマ度”こそ減少してますけど(笑)、古今東西SF映画を100本厳選し、過去から現在に至るSF映画史の遍歴を辿りつつ、特殊撮影技術の進歩やテーマの変化などについて、実に細かく解説しています。特に「センス・オブ・ワンダーの歴史」というコラムが圧巻で、1902年の『月世界旅行』から2000年代の最新SF映画までの軌跡を、各年代のターニングポイントになった作品を取り上げ、SF映画の社会的影響やCG技術の発展などをボリュームたっぷりに語っており、非常に読み応えがありました。

その他、SF映画史上もっとも倒しやすいエイリアンを語る「最弱宇宙人決定戦!」や、創意工夫を凝らしてSF世界を表現してきた、先人たちの努力を中心にSFXの歴史を語る「映画の“マジック”はローテクに宿る!」、どうしてこうなった?と問いただしたくなる珍SFばかりを集めた「トンデモSF映画の憎めない味わい」など、興味深い記事も多数収録。まさにSF映画ファンは必読の本と言えるでしょう。

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そしてもう一冊は『大宇宙映画超読本』という物凄いタイトルの本で、こちらも毎度お馴染み映画秘宝さんのムックです(笑)。題名から「スペースオペラ的な映画を解説してるのかな?」と思ったら、現在絶賛公開中の『プロメテウス』を特集した本でした。

しかも、内容の3分の2ぐらいは『エイリアン』シリーズと『プロメテウス』に関する情報で占められ、表紙にデカデカと載っている『バーバレラ』のジェーン・フォンダについてはほとんど触れていません。まあ、『エイリアン』の視覚効果を担当したブライアン・ジョンソンの特別インタビューとか、メイキング写真とか撮影裏話とか、『エイリアン』シリーズが大好きな僕にとっては凄く面白い内容でしたけどね。

特に興味深かったのは、『エイリアン』制作の中心的人物:ダン・オバノンに関するエピソードです。ダン・オバノンと言えば、『エイリアン』の原案を思い付き、独創的なストーリーを生み出した脚本家として知られていますが、当初オバノンが書いた脚本はあまりにも稚拙で使い物にならなかったらしい。そこで、プロデューサーのデヴィッド・ガイラーとウォルター・ヒルによって大きく改変されたそうです。

最初のストーリーでは、単に登場人物がエイリアンに襲われるだけでしたが、「捻りが足りない!」との理由でウェイランド社の陰謀エピソードが書き加えられました。それに伴ってアンドロイドのアッシュがクルーに追加され、サスペンス度が大幅にアップ。また、平坦だったキャラクター設定もリアルに変更され、ほとんど全てのセリフが修正されたのです(ダラス、ケイン、ランバートなどの主要な登場人物もダン・オバノンの脚本には存在せず、全てデヴィッド・ガイラーとウォルター・ヒルが作り出したもの。”宇宙貨物船の乗組員”という基本設定も後付け)。

中でも最大の変更点が主人公のリプリーの設定でしょう。ダン・オバノンの脚本では男性として描かれていた主人公は、デヴィッド・ガイラーの判断で女性に変更されました。こうして”戦う女性戦士”のルーツとなるエレン・リプリーが誕生し、パート4まで主人公を務める人気キャラクターになったのです。

一方、当初考えていたイメージが影も形も無くなるぐらいにシナリオを改変されたダン・オバノンは激怒したそうですが、結局20世紀フォックスと契約を結んで映画制作に協力することに。最初は「視覚デザイン・コンサルタント」という名目だったものの、最終的には「脚本家」としてクレジットされました。その他「『エイリアン2』の原点を探る!」など、過去の『エイリアン』シリーズを再考察するコラムも読み応え十分。というわけで、知られざる制作秘話がたっぷり詰まったこちらも『エイリアン』好きには必読の本としてオススメします。

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別冊映画秘宝編集部,岸川 靖

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