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映画『カイジ2〜人生奪回ゲーム〜』ネタバレ感想


■あらすじ『命懸けのゲームを勝ち抜き、多額の借金を帳消しにして人生の大逆転を果たした伊藤カイジだったが、またしても借金にまみれて地下の強制労働施設送りとなってしまう。仲間たちからの期待を背に、2週間だけ地上に戻ることを許され、その間に2億円を稼がなければならないカイジ。そんな彼が挑むのは、当たれば10億円以上というモンスターパチンコ、通称“人喰い沼”。しかし、この難攻不落の“沼”をコントロールしていたのは、冷酷な支配人として裏カジノに君臨する一条聖也だった。カイジは、帝愛グループに父を殺され復讐を誓う石田裕美やリストラでどん底を味わう坂崎孝太郎、さらにはカイジに敗れてかつての地位を追われた利根川幸雄という3人の負け組たちと手を組み、命懸けのゲームへと臨むのだった…!』



福本伸行の人気コミックスの実写映画化シリーズ第2弾『カイジ2〜人生奪回ゲーム〜』を観てきた。昨今、マンガやアニメの実写映画化はいささか乱発され過ぎのような気もするが、果たして出来栄えやいかに?

なお、この映画に関する僕のスタンスは、「原作漫画は”沼編”まで一応読んでいる」、「1作目は鑑賞済みでどちらかと言えば好きな方」という感じ。なので、原作未読で実写版映画が嫌いな人よりも、若干評価が甘くなっているかもしれないがご了承を。

さて、物語はいきなり地下の強制労働施設からスタート。前作で自由の身になったはずのカイジ藤原竜也)が、なぜか再び奴隷のような暮らしに堕ちている(経緯の説明は無し)。

ここで登場するのが、原作でも人気の「チンチロゲーム」だ。どんぶりに3つのサイコロを振り、出目で勝負を競うという、心理戦やイカサマを巧みに取り混ぜた非常にスリリングなゲームなんだけど、わずか5分であっさり終了。

ええっ!もう終わり?原作では単行本4冊分ぐらい使って延々と熱戦を繰り広げていたのに、映画のタイトルが出る前に終了しちゃったよ!まあ、2時間の尺にストーリーを収めるためには、エピソードの簡略化もやむを得ない。

しかし、展開が早すぎてカイジと仲間達とのドラマがほとんど描かれないため、カイジが必死になる動機にいまいち説得力がないんだよね。原作を知らない人や前作を観ていない人は、これで感情移入できるのだろうか?

その後、地上に出たカイジは2週間で2億円を稼ぐためにあちこち奔走する途中で偶然利根川香川照之)と再会する(ご都合主義にも程があるが、とりあえずスルーしようw)。利根川から貴重な情報をゲットしたカイジは、高額なレートでギャンブルが出来る”裏カジノ”へ潜入。

そこで、換金レートが通常の1000倍という破格のパチンコ、”沼”を発見した。同時に坂崎孝太郎(生瀬勝久)、石田裕美(吉高由里子)という協力者も見つけ、”沼”の攻略方法を計画し、いよいよ裏カジノへ!

…という具合にストーリーはテンポよく進行していくんだけど、今回は1作目に比べてゲーム性が乏しいような気がするなあ。前作では「限定ジャンケン」、「鉄骨渡り」、「Eカード」という3種類のゲームが登場し、知的考察や心理的な駆け引きなど、ゲームとしての面白さを存分に味わうことができた。

しかし、本作に登場するゲームの内、「チンチロ」はあっという間に終わってしまうため、戦略を楽しむ暇が無い。また、映画用のオリジナルゲームとして考案された「姫と奴隷」も、「三つの中から一つを選ぶ」という単純明快なもので、心理戦やロジックで正解を導き出すことができず面白味に欠ける。

結局、メインは「パチンコ」ってことになるんだけど、相手が機械なので駆け引きなんか存在するわけもなく、少々物足りないんだよね。ただ、このモンスターパチンコは大掛かりなセットデザインも含めて、ハッタリ全開な感じが面白い。

マンガで見た時はあまりリアリティがなかったが、実際に作られた物を見ると妙な迫力があって感心した。そのパチンコを操ってカイジを追い詰める悪役が、裏カジノの支配人:一条聖也(伊勢谷友介)である。

一条は”沼”が簡単に攻略できないように、様々な仕掛けを施してカイジを苦しめる。ぶっちゃけて言うと、このパチンコは一条によって完全にコントロールされているため、普通に打っても100%勝てないのだ。実はこの台、手前にわずかに傾斜しており、奥の”当たり穴”には絶対入らないようになっている(傾斜角度も自由自在)。

そのカラクリを見破り、いかにして玉を出させるか?という部分がトリックの要であり、本作最大の見どころと言えるだろう。展開がほぼ原作通りだったので僕は攻略方法を知っていたけど、「あっ!」と驚く奇想天外な方法を繰り出すカイジが痛快。

その方法とは…。「カジノが開催されている建物に大量の水を運び込んでビルそのものを傾ける」というもの。つまり、普通にパチンコ台を奥へ傾けて玉を入りやすくすると一発でバレてしまうから、室内の片側に大量の水入り容器を並べ、その重みでビルごと傾けてしまえ!という大胆不敵な作戦だったのだ。凄い発想だなあ(^_^;)

今回も、主人公カイジを演じる藤原竜也は、前作同様の高いテンションで物語を熱く激しく加速させる。しかし、それを上回るハイテンションでカイジを攻撃する伊勢谷友介の演技も凄まじい。クライマックスに至っては、双方テンションが高まり過ぎて今にも血管が切れそうだ。

特に伊勢谷友介は、二枚目なのに終盤からどんどん情けない姿になっていくというギャップがたまらん。原作同様に「グニャア〜」と視界が歪む効果を入れてくれたら更に良かったのに(笑)。この二人の熱演を見るだけでも充分価値があるだろう。もちろん、香川照之の曲者ぶりも相変わらず素晴らしい。

一方、生瀬勝久は(こういうキャラが合っているはずなのに)それほど面白くなかったなあ。型にはまり過ぎているというか、少々意外性が薄い。そして石田裕美役の吉高由里子は、全く感情のこもっていないセリフ回しがある意味衝撃的だった(棒読みにもほどがあるw)。

石田裕美は前作で死亡した石田光司の娘という映画用のオリジナルキャラだけど、裏切って改心するまでの心理変化がやや唐突な感じ。もう少し感情移入しやすいキャラにした方が良かったのでは?

というわけで、総評としては「前作よりは落ちるものの、前作を楽しめた人ならそこそこ面白い」って印象だった。一番大きな違いは「気持ち良さ」があるかどうかだと思う。1作目で最も盛り上がった場面は、やはり「Eカード戦」におけるカイジ利根川の直接対決シーンだろう。

イカサマを仕掛ける利根川と、それを見破るカイジ。そして、一旦負けたかと思いきや、逆に罠を仕掛けるカイジを、鋭い洞察力で更に追い詰める利根川、という具合に攻守が二転三転と次々に入れ替わるスリリングな頭脳戦!そして最後の最後に主人公が勝利するというどんでん返しのカタルシスこの「気持ち良さ」があったからこそ、前作はエンターテイメントとして高い評価を得ていたのだ。

それに比べると『カイジ2』は、クライマックスの対決シーンがちょっと長い。途中、勝負が中断するシーンが入ったりするので余計にテンポが悪くなっているんだよね(ほとんど勝敗が決定しているのにダラダラと引っ張りすぎでは?)。

また、不利な状況を巻き返すきっかけが、”戦略”じゃなくて単なる”金銭のやり取り”になっている点もスッキリしない要因だろう。ほぼ原作に忠実なのは悪くないが、最後は一発逆転で敵を打ちのめし、キメ台詞の一つでも言い放ってくれれば気持ち良く終われたのになあ。キャラクターが魅力的な分、それがやや残念だった。


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