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実写版映画『あしたのジョー』ネタバレ感想

■あらすじ『昭和40年代の東京。下町のドヤ街でケンカに明け暮れ、荒んだ生活を送る青年、矢吹丈山下智久)。そんな丈に、しがない元ボクサーの丹下段平はボクシングの才能を見出し惚れ込んだ。ところが、丈は問題を起こして少年院へ。そこで出会ったのがプロボクサーの力石徹伊勢谷友介)。いきなり拳を交えた丈は、チャンピオンにも匹敵する実力を持つ力石の前に屈辱を味わうことに。一方の力石も、丈の秘めたる才能に気づき、互いにライバルとして激しく意識し合う。やがて、一足先に少年院を出た力石は、財閥令嬢にして所属ジムのオーナー白木葉子の手厚いサポートを受けエリート街道をひた走る。対する丈は、段平がドヤ街に開いたオンボロジムで、打倒力石に執念を燃やし血の滲む特訓を続けていく!TVアニメ化もされ社会現象とも呼べる人気を博した高森朝雄梶原一騎)原作、ちばてつや作画の傑作漫画を、主演の矢吹丈役に山下智久を迎えて実写映画化した本格ボクシング映画。』



というわけで絶賛公開中の『あしたのジョー』である。「ジャニーズタレントが主役を演じるマンガ・アニメの実写版映画」を観るのはキムタク『ヤマト』、二宮『GANTZに続いてとうとう三作品目になるわけだが、だんだん傾向と対策(?)が掴めてきたような気がするなあ(笑)。

”楽しむコツ”が分かってきたというか、いや単に感覚がマヒしているだけなのかも(笑)。要するに、こういう類の映画を観る場合、「何を以って良しとすべきか?」という基準のようなものを自分の中で予め確立させておかなければならない、っていうことなんだよね。

僕の場合は、原作の『あしたのジョー』にあまり思い入れが無く、劇場アニメの1作目(マンガ版とテレビ版は全く未見)を子供の頃テレビで観たような観てないような曖昧な記憶しかないという、基準となるハードルが思い切り低い状態で鑑賞したのが良かったのかもしれない。意外と楽しめましたよ。

まず、オープンセットのドヤ街の映像が素晴らしく、山崎貴監督の『ALWAYS 三丁目の夕日』がある意味で”寓話的な昭和”の世界なら、こちらは高度成長から取り残された者達が吹き溜まった“裏昭和”を見事に再現。予算が無かったため、廃材や本物のガラクタを利用して街を作り込んだそうだが、雑然とした様子が上手く表現されている(遠景の街並がCG臭かったのがちょっと残念だけど)。

そして、キャストに関しても概ね高評価と言えよう。主演の山Pも伊勢谷さんも、壮絶な肉体改造でアニメのキャラクターを忠実に再現しようとしている。その真摯な姿勢が原作に対する絶対的なリスペクトを感じさせ、観る者に驚きと感動を与えているのだ。

特に、力石の計量シーンで見せる凄まじいばかりの減量体型には思わず息を飲む。伊勢谷はこの日のために丸二日間何も食べず、更に直前までサウナに入ってとことん体重を落としていたそうだ。しかも単に痩せるだけでなく、限界まで鍛え上げられたギリギリのソリッド・マッスル!『レイジング・ブル』のロバート・デニーロや『マシニスト』のクリスチャン・ベイルにも通じる本気の役者魂を感じさせた。

また、香川照之が演じる丹下段平も、最初見た時は「マンガそのまんまやないか!」と大胆すぎる特殊メイクに仰天したが、次第に見慣れて気にならなくなった。香川自身も大変なボクシングファンらしく、思い入れたっぷりに段平を演じたそうだが、実に生き生きとしたキャラクターとなっている。

当初は監督やスタッフ全員、丹下の姿はマンガ版とは異なるイメージを想定していたそうだ。しかし、香川本人の「絶対にマンガのままでやった方がいいから!」という強い要望により、特殊メイクで再現されることに。結果、一人だけ現実世界では有り得ないほどの異様な風貌で出演しているにもかかわらず、香川の熱演と相まって違和感無く作品世界に溶け込んでいた。

逆に、白木葉子にはちょっと違和感が。演じる香里奈の庶民イメージが”お嬢様”という設定からかけ離れ過ぎており、おまけに映画の世界観からも浮いている。小雪あたりが演じた方が良かったのでは?

更に、ドラマ自体も少々食い足りない感じが残る。特に前半から中盤にかけては大きな動きも無いので正直退屈だ。しかし、終盤及びクライマックスの盛り上がり方はやはり凄まじく、目玉の対決シーンも迫力満点。本気で体を作り上げた役者同士が本気で殴り合っているので説得力がハンパない。これぞまさにボクシング映画の醍醐味だ。是非パート2を作ってもらいたい。


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