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実写版映画『DEATH NOTE デスノート』感想

■あらすじ『名門大学に通い、将来の警視総監を嘱望される天才・夜神月(やがみライト)。彼は偶然手に入れた、名前を書かれた人は死んでしまうノート“デスノート”を使い、法で裁かれない犯罪者を次々と殺していく。その目的は、犯罪のない理想社会の実現だ。一方ICPO(インターポール)は犯罪者の大量死を殺人事件と考え捜査を開始。世界中の迷宮入り事件を解決してきた謎の名探偵・L(エル)を捜査に送り込んできた。今、月とL、2人の天才による壮絶な戦いが始まる!』



前田某氏の映画批評で、「終わってみれば結局、ダメ映画の仲間入りである」、「この監督(金子修介)は、『デスノート』の魅力を十分理解できぬまま、実写化を行った可能性すらあるのではいかと感じさせる」、「それにしても、金子監督にはセンスがない」、「『あずみ2』でセンスがない事がはっきりしているのだから、そもそも人選の段階で間違っているとしか思えない」

などと罵詈雑言の限りを尽くした凄まじい貶し方をしているので、いったいどれほど酷い映画なのかと思って観てみたが、意外と普通の映画だった。確かに絶賛するような出来ではないが、かと言って“ダメ映画”と斬捨てられるほどの駄作でもないだろう(ちなみに僕は一応原作を読んではいるが、大ファンというワケではない)。

キャラクターに関してちょっと述べてみると、まず藤原竜也のライトは最初、もっと細いキャラをイメージしていたのだが、観ているうちにだんだん馴染んできた。妙に芝居がかった彼の演技も、この世界観にマッチしているように思う。

松山ケンイチのLは、「白塗りメイクと目の周りのクマ」のおかげで一瞬『呪怨』に出てきた子供を連想してしまうものの(笑)、なかなかいい感じである。鹿賀丈史夜神総一郎は、「ライトの父親にしてはちょっと若いかな」と思ったが、特に不自然さは無い。藤村俊二のワタリはあまりにもそのまんまで思わず笑った(笑)。

特に良かったのは、弥海砂を演じる戸田恵梨香ミサミサのバカっぽい感じが出ていて実にイイ(笑)。反対に、FBI捜査官レイを演じた細川茂樹は全然FBIに見えないし、瀬戸朝香南空ナオミも銃の撃ち方がヘタ過ぎる(元FBIなのにあの撃ち方はないだろ)。という具合に、若干不満点はあるものの、概ね原作のキャラを踏襲しており、登場人物に関しては大きな破綻は無かったと思う。

一方ストーリーに関しては、「あの原作を実写映画化したら、まあこんなもんだろう」という“ほぼイメージ通りのもの”に仕上がっており、可も無く不可も無くといったところ。なんせ、マンガ版ではストーリーの大半が“ライトのモノローグ”で占められており、とてもじゃないがそのまま映画化なんて出来そうも無い。それを、新キャラを配置する事で観客に分かり易い物語になるように、上手く構築し直されている点がグッド。原作付きとしては、むしろかなり頑張っている方だと思うが。

オリジナルのストーリー展開も違和感無く収まっており、腹が立つほど酷いシーンも特に見受けられない(ラストのあの展開は、確かに賛否が分かれるかもしれないが)。とりあえず、「後編を観たい」と思わせるレベルには達しており、「さすが職人監督金子修介、手堅くまとめてるなあ」と感心させられた。というワケで、僕の評価は65点ぐらい。もちろん、後編も観るつもりである。


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