ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

トム・ハンクス主演『ダ・ヴィンチ・コード』感想

トム・ハンクスオドレイ・トトゥイアン・マッケラン、アルフレッド・モリーナ、ジャン・レノポール・ベタニーなど、豪華絢爛なキャストが集結し、さらに監督はロン・ハワード、音楽はハンス・ジマーという“鉄壁の布陣”で制作された『ダ・ヴィンチ・コード』。全国で絶賛公開中の本作を観て来ましたよ。もお劇場大混雑でヘトヘトです。でも隣の『ポセイドン』がガラガラなのはナゼ?


■あらすじ『講演会のためパリを訪れていたハーヴァード大学のラングドン教授は、突然、深夜にフランス司法警察のファーシュ警部に呼ばれ、ルーブル美術館に連れ出される。美術館長のソニエールが殺され、彼に捜査に協力して欲しいとの要請を受けるが、実は、ラングドンも容疑者にされていたのだった。そこにソニエールの孫娘で、暗号解読者のソフィーが現れる。ソフィーは、現場の写真を見て、祖父が自分だけに分かる暗号を残したことに気付き、ラングドンに協力を求めるが・・・!』


カンヌのプレスから失笑が漏れたとか、カトリック教徒から猛烈な反発があったとか、ローマ法王庁(ヴァチカン)が映画ボイコットを呼び掛けたとか、挙句の果てにはソニー製品の不買運動まで勃発したとか、何やらネガティブなニュースばかりが先行していた本作であるが、鑑賞後の感想は“いたって普通”。失笑が漏れるほど出来が悪いとも思えず、かといって絶賛するほど面白くもない。宗教的にはフラットな(無宗教な)ごく一般的な日本人の感覚からすると、「そんなに大騒ぎするほどの内容か?」という印象だ。

タイトルからして、ダ・ヴィンチの絵画に隠された秘密から人類の大きな謎が解明される壮大な歴史ミステリー、もしくは本格社会派サスペンスかと思っていたのだが、単なる『インディ・ジョーンズ:最後の聖戦』、あるいはニコラス・ケイジが出ない『ナショナル・トレジャー』という感じだった、トホホ。だが、アドベンチャー映画として観れば決して酷い作品ではなく、2時間半という長尺にも拘らず飽きる事無く最後まで鑑賞出来た。さすが職人監督ロン・ハワード、ソツ無く仕事をこなしてるなあ(笑)。

しかし、多くの観客から「展開が早過ぎる!」とか「内容が理解出来ない!」などの批判が続出している事もまた事実であり、その批判は残念ながら当たっていると言わざるを得ない。このテの映画は“謎解きの面白さ”こそが醍醐味であるハズなのに、主人公たちは驚くほど短時間でサクサク謎を解いてしまうのだ。ミステリーを楽しむ余裕など皆無で「少しは悩め!」と言いたい。

また、“マグダラのマリア”や“シオン修道会”などの特殊な用語がバンバン出てくるが、映画の中の説明だけでは(その因果関係も含めて)十分に伝わるとは思えず、ある程度の予備知識は間違いなく必要だろう。僕自身は原作未読で観に行ったのだが、元々レオナルド・ダ・ヴィンチや“最後の晩餐”に関する様々な諸説に関心があったため、幸い「内容が分からない」という事はなかった。

が、はっきり言って人にオススメするほどの映画ではない。「見所はどこか?」と聞かれても、返答に困るような内容なのだから当然と言えよう。キャラクターに魅力が有るワケでもなく、凄いアクションが有るワケでもなく、感動的なドラマ展開が有るワケでもない。

原作の話題性とキャストの豪華さだけで成立しているような作品であり、映画が本来持つべき“カタルシス”が圧倒的に不足しているのだ。題材は確かに面白いが、内容そのものは荒唐無稽な『ナショナル・トレジャー』と大差無い(むしろ娯楽大作に徹した『ナショ・トレ』の方が面白いかも)。みんな大騒ぎし過ぎだよ(苦笑)。


●人気記事一覧
これはひどい!苦情が殺到した日本語吹替え版映画ワースト10
まさに修羅場!『かぐや姫の物語』の壮絶な舞台裏をスタッフが激白!
日本映画のレベルが低くなったのはテレビ局のせい?
町山智浩が語る「宮崎アニメの衝撃の真実」
「映像化不可能」と言われている小説は本当に不可能なのか?


このブログについて(初めての方はこちらをどうぞ)
トップページへ