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ゾンビ映画『ハウス・オブ・ザ・デッド』感想

ハウス・オブ・ザ・デッド

■あらすじ『主人公のサイモンたちは、孤島のパーティへ出かけようとして船に乗り遅れてしまい、漁船の船長カークに船を出してくれるよう依頼する。しかし島の名前を聞いたとたん、その依頼を断わられてしまった。そこは、“死の島”と呼ばれ皆から恐れられている島だったのだ。だが、どうしてもパーティに参加したいサイモンは、カークに法外な金を支払い強引に船を出す。何とか島へ渡った一行だが、賑やかなはずの会場には誰もいない。しかも、周りには何やら怪しい影が忍び寄っている。やがて彼らは、世にも恐ろしい一夜を迎えることになるのだった!』



本作はバイオハザードと同じく、テレビゲームを原作とした映画化作品である。ゲームの映画化と言えば昔からロクなものがなかったが、『バイオハザード』が予想外の大ヒットを飛ばしたので、「ひとつ俺らも作ってみるか」とばかりに二番煎じで作られた感が濃厚だ。

しかも、『バイオハザード』はアドベンチャー・ゲームとしての要素が強かったので、まだ映画にする理由を理解できるが、『ハウス・オブ・ザ・デッド』はシューティング・ゲームである。映画にする事自体、無理を感じるぞ。

そんな不安はものの見事に的中し、映画は終始グダグダのまま話が進んでいく。冒頭からいきなり、全裸のお姉ちゃんが海で泳いでいると何者かに襲われるシーンが登場。カットが変わると、また別のお姉ちゃんが全裸で服を洗濯しているという具合に、この映画に出てくるお姉ちゃんたちは皆、自発的に服を脱ぎたがる人ばかり。

個人的にはありがたい事であるが、見事なまでに“お色気要員”の役割しか果たしていないのは「かなり問題アリ」と言えよう。とにかく「とてつもなく頭が悪そう」な映画に見えて仕方が無い。キャラクターの描き込みも不足しており、登場人物に全然感情移入できない点も、映画のダメさ加減に一層拍車を掛けている。誰が生きようが死のうが、もうどうでもいい感じだ

しかも困った事に、肝心のゾンビがちっとも怖くない。最近のゾンビ映画に習って、ゾンビの動きは結構速く、飛んだり走ったり水の中を泳いだりと、実にアクティブに活動している。しかし、大量に襲ってくるそれらのゾンビを、主人公たちが最新式の銃火器で片っ端から撃ち殺していく場面は、完全にゲーム感覚で描かれており恐怖感の欠片も無いのだ。

おまけに、途中で本物のゲームの画面を何度もインサートするという意味不明の演出を盛り込んでいる為に、ますますゲームを見ているような錯覚に陥る。いったい、監督はどんな効果を狙っていたのか?

挙句の果てに、ラストのオチに至るまで何が言いたいのかさっぱり分からないという酷い展開には呆れ果てるばかり。ここまで何もかもスベっている映画を観たのは久しぶりだ。“近年稀に見るダメ映画”と断言しても差し支えないだろう。まさに、非の打ち所の無いパーフェクトな駄作である(笑)。唯一面白かったのは以下の会話シーン。

男A:「大変だ、ロメロの映画が現実になってしまったんだ!」
男B:「ロメロ?」
男A:「“ナイト”、“ドーン”、“デイ”のリビングデッド三部作を撮った監督だよ!」
男B:「じゃあ、次は“トワイライト”か?」

残念、“ランド”でした(笑)。