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映画『ULTRAMAN(ウルトラマン)』ネタバレ感想

映画『ULTRAMAN』
映画『ULTRAMAN

■あらすじ『航空自衛隊のエース・パイロットの真木舜一(別所哲也)はフライト中、突如現れた赤い発光体に衝突!奇跡的に生還した真木だったが、なぜか防衛庁の特務機関に連行され厳重な監視下に置かれる。その3ヶ月前、海上自衛隊の有働二尉も青い光に遭遇していた。そして有働は突然謎の生命体、通称”ザ・ワン”に変身し、監視を破って逃走したというのだ。そんな真木の前に凶暴なザ・ワンが姿を現す!果たして真木の体にも変化が起こるのか!?』



映画『ULTRAMAN』は、日本が誇る人気特撮ヒーローウルトラマンの第1話を元に「もし現実世界でこのようなことが起きたら…」などを想定して作られたリメイク作品である。

なので、従来の『ウルトラマン』シリーズに比べると「大人を意識したリアルな作劇」になっており、公開当時はファンの間でも話題になった。

まず、オープニングがかっこいい。さすが航空自衛隊が全面協力しただけあって本物のF−15イーグルがズラリと並ぶ冒頭シーンは壮観だ。スタッフが忙しく動き回る中を主人公が登場すると、バックにはどこかで聞いたような音楽が流れる……ってトップガンじゃん!(まさかウルトラマンで『トップガン』を見せられるとは思わなかったw)

まぁ、それはともかく内容はなかなか面白い。今までみたいな”ナントカ防衛隊”ではなく、航空自衛隊陸上自衛隊が全面協力したことで劇中のリアリティが格段に上がっている(新宿の戦闘シーンでは本物の自衛官が出演しているらしい)。

物語も、単なるアクション・ヒーローモノではなく、”父と子の絆”といった「家族愛」をテーマにしっかりと人間ドラマを描いているのもポイント高し。病気の息子のためにパイロットを辞めるお父さんとか、ラストの展開など泣かせるシチュエーションも数多く、確かに「今までのウルトラマンとは一線を画す映画」と言えるだろう。

だが、残念ながらリアリティの追求の仕方がまだ甘いと思う。怪獣の出現に対する自衛隊の対応とか、周囲の人々の描写がかなりいいかげんなのだ(「もし現実世界に怪獣が現れたら世の中はどうなるのか?」というシミュレーションが正確にできていない)。

まぁ正直、「ウルトラマンにそこまで過度なリアリティを求める必要があるの?」って気もするが、すでに平成ガメラというリアルで面白い怪獣映画が出現した後では、やはり”そこまで”のものが求められても仕方が無いのではないだろうか。このレベルでは「ちょっと質の高い子供向け映画」の域を出ておらず、大人の鑑賞に堪えられるとは言い難い。

とは言え、ウルトラマンは”ヒーロー”であり、「ヒーローのカッコよさをより真実味を持って伝えるために、サイエンス・フィクション的な側面を強化した」と考えれば、これはこれで成功していると言えるのかもしれない。

一方、特撮部分に関してはとても見事な出来栄えで、特に話題になっていた空中戦は非常に見応えがあって迫力満点!

イーグルがミサイルを一斉発射するシーンは超時空要塞マクロスを彷彿とさせるが、それもそのはず、実際に『マクロス』でミサイルを描いていたアニメーターの板野一郎が監修しているのだ。ウルトラマンの飛行シーンも全て板野氏が絵コンテを切っており、実にダイナミックな空中戦が堪能できる。まさに実写版板野サーカスと言ってもいいだろう。

ただ、最初に板野氏が描いた絵コンテでは計32発のミサイルを一気に発射していたのに、コンテを見た航空自衛隊の担当者からF-15にこんな装備はありません」と言われて変更したらしい。確かに、現実には有り得ないシーンなんだけど、数が少なかったら「板野サーカス」の魅力が半減するんだよなぁ(そこは大目に見て欲しかった)。

なおアクションに関しては一つだけ不満があって、それは最後にウルトラマンが手から光線を発射して怪獣を倒すという、昔ながらの”お約束シーン”だ。ここで「ドカーン!」とハデにぶっ飛んで「やったー!」となるハズが……あれ、爆発しないの?なんと、攻撃を受けた怪獣は細かいチリになって静かに消滅してしまうのである。

えええ?なんで?最後の大爆発が無いと、カタルシスが得られないじゃん!それとも、最近のウルトラマンってみんなこんな感じなのかな?見てないから分からないけれど、やっぱり最後は大爆発シーンでスカっと終わって欲しかったなぁ。ある意味、それが“怪獣映画の醍醐味”ってもんでしょう(毎回、特に意味も無く何でも爆発させてるマイケル・ベイを少しは見習って欲しいw)。


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