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トム・ジェーン主演『パニッシャー』映画感想

パニッシャー

■あらすじ『密輸組織摘発のため、潜入捜査の任に就くFBI捜査官フランク・キャッスル(トム・ジェーン)。ある晩、取引現場で銃撃戦が勃発し、犯人の一人が死亡する。死んだのは裏社会を取り仕切る巨人ハワード・セイント(ジョン・トラボルタ)の息子だった。セイントは息子の死を招いたフランクへの復讐として、フランクと家族全員の抹殺を指示。任務を終えて休暇を楽しむフランクの目前で、愛する妻と息子、そして父までが虐殺されてしまう。法の下ではセイントを裁けないと知ったフランクは、本名や過去のいっさいを捨て、自らの手でセイントに制裁を下すことを決意した。その名も、闇の私刑執行人“パニッシャー”!最愛の家族を殺された孤独な男が今、悲しみを武器に変えて巨大な悪に立ち向かう!』



てっきりアクション満載のかっこいいヒーロー映画かと思いきや、ハードなドラマ展開とマフィアのマヌケぶりとのギャップが激し過ぎて、笑いが止まらない珍作だった。前半のシリアスな雰囲気は、まさに目が離せないほど面白い。

主人公の妻や子供や家族が皆殺しにされる場面などはマッド・マックスを彷彿とさせるド迫力に満ちている。しかし、あそこまで主人公を追い詰めながらトドメを刺さないマフィアのツメの甘さが露呈するあたりから、徐々にドラマのトーンが変わってくるのだ。

主人公はとあるアパートに身を潜めるのだが、アパートの住人のキャラクターがかなり可笑しい。デブと挙動不審な兄ちゃんとキレイなお姉さんというヘンな三人組。そのお姉さんから「貴方の事、テレビで見たわ」と言われるほど有名人なのに、マフィアは「ヤツの居所が全然わからん!」と必死になってキャッスルを捜しているのだ。

また、彼が喫茶店で食事をしていると、ギターケースを抱えたデスペラードみたいなヤツが店に入ってくる。そして突然ギターを弾きながら歌を歌い始めるのである。いったい何の意味が?

さらに、キャッスルのアパートのドアをぶち破って、いきなりターミネーターみたいな大男が侵入!キャッスルは必死に応戦するが、大男はナイフで刺しても鉄パイプで殴ってもビクともしない。狭いアパートの中で展開される壮絶なるバトル!

だが、その時隣の部屋では例のおとぼけ三人組が、音楽に合わせてのん気に踊りを踊っているという緊張感の無さ。完全にコメディだ。いったい何なんだこの映画は?もうワケがわからん!と思ったら、どうやら原作のコミックがそもそもこんな感じのマンガらしい。

ハードなアクション映画を想像していたら面食らう事間違いなしの怪作であり、ゲラゲラ爆笑しながら観るのが正しい鑑賞法なのかもしれない。いや〜、凄い映画だ!


パニッシャーMAX:ビギニング (MARVEL)
ガース エニス ルイス ラローサ
ヴィレッジブックス (2016-04-30)