ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

次から次へとトラブルが!恐怖のチュニジア・ロケ

ジョージ・ルーカス

さて、どうにかこうにかスター・ウォーズの製作にこぎ付けたルーカスですが、そこには想像を絶する苦難が待ち受けていたのです。1976年3月26日、惑星タトゥイーンのロケ地チュニジアでルーカスたちは撮影を開始しました。最高気温が42度前後で、常に暑くて乾燥している過酷な環境のチュニジア
ところがなんと、そんな灼熱の砂漠地帯に突然雨が降り始めたのです!チュニジアでこの時期に雨が降ったのは実に50年ぶりの出来事だそうで、現地の人もびっくり仰天。これによってルーカスが強烈な“雨男”だという事が判明してしまいました(ちなみに16年後の『エピソード1』撮影時に再びチュニジアを訪れた時も、やっぱり雨が降ったそうです。ルーカス恐るべし!)。しかも、今まで誰も経験した事が無いような凄まじい大雨で、あっという間に周囲の砂漠が川に変わってしまったのですからハンパではありません。スタッフのトラックが身動き出来なくなるほどの激しい豪雨に一同呆然。しかし、この雨はこれから始まる悲劇の幕開けにすぎなかったのです!
R2-D2のロボットはリモコンが故障して、1メートル動かすだけで丸一日が消えました。イギリスから送られてきたセットは、ロケ地に運ぶだけで4日間も消費。全長27メートル、高さ8メートルの巨大なサンド・クローラーのセットは、ルーカスが撮影する前日に砂嵐でバラバラにされてしまいました。しかたなく、一日がかりで組み立て直してまた一日かけて撮影するという有様。
自動車を改造したランド・スピーダーも走行不能アンソニー・ダニエルズは全く身動き出来ないC-3POのコスチュームを着けて、滝のような汗をかきながら毎日8時間の撮影に耐え続けなければなりませんでした。R2-D2の中に押し込められたケニー・ベイカー持病の閉所恐怖症がますます悪化する始末。おまけに、クルーが泊まったホテルも最悪で、出された食事で全員ひどい下痢になってしまったのです!スチュアート・フリーボーンは流感にやられ、早々とロンドンへ帰国。バニー・オルサップも赤痢でぶっ倒れてしまい、とても撮影続行できるような状況ではありません。
挙句の果てに、隣国リビアの監視員がサンド・クローラーの大型セットを発見して、「正体不明の巨大な軍事用車両が国境付近に潜伏している!」チュニジア政府にクレームをつけてきたのです。ゲイリー・カーツ曰く、「もう少しで戦争になるところだったよ!」
チュニジアでの撮影は11日間でしたが、結局予定していたカットの半分も撮影する事ができず、ほとんどのシーンをアメリカへ戻ってから撮り直す事になってしまいました。敗戦兵のような暗澹たる気持ちで帰国の飛行機に乗り込むルーカス。しかし、この後もまだまだルーカスにはとんでもないトラブルが待ち受けていたのです!続きはまたそのうちに。