ひたすら映画を観まくるブログ

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島本和彦原作『逆境ナイン』『燃えよペン』『吼えろペン』

昨日観た映画が面白かったのでさっそく島本和彦原作の逆境ナインを購入。ついでに最新作の新吼えろペンも購入。すると偶然にも、映画『逆境ナイン』の撮影現場の様子が描かれているではないか!といってもこのマンガは一応「架空のマンガ家・炎尾燃を主人公としたフィクション」という事になっているので、大部分が作り話だと思われる。

しかし、マンガ家が自分の原作を映画化される時の“気持ち”に関する描写は、限り無く真実に近いのではないだろうか?例えば、“主人公が野球部メンバーを間一髪のタイミングでトラック事故から救う”というシーンの撮影を見学していた時、作者はいたたまれない気持ちになったそうだ。主役の俳優はそのシーンを忠実に再現する為に何度も危険なスタントに挑戦し、ついには指を骨折してしまったからである。

「連載当時は何も考えず、さして必要でもないのに“見開き大ゴマなら、ページ数を稼げるから”などと軽い気持ちでサラっと描いた場面だったのに、まさかこんなに大変な撮影になるなんて!これからはいいかげんな気持ちでシーンを描くのは止めよう!実写映像化された時、人命にも関わりかねん!」と激しく自己嫌悪に陥ったらしい。まさに“自業自得”だ(笑)。

ちなみに“スパークする熱血マンガ家・炎尾燃は、『吼えろペン』の前作『燃えよペン』から登場したキャラクターで、その破天荒極まりない作風は一部の読者から圧倒的な支持を得ており、現在もなお絶好調連載中である。「どこにでもいる、ごくありふれたマンガ家炎尾燃と、そのアシスタントたちの日常生活を克明に描いた衝撃の問題作」としてマンガ業界内でも評価が高いらしい。

しかし、そこに描かれている内容はどう考えても「ごくありふれ」ているとは思えないような、常軌を逸したシチュエーションの連続である。また、島本のマンガは名言・格言の宝庫と言われているが、『燃えよペン』も素晴らしいセリフのオンパレードだ。

中でも僕の好きなセリフは、連日の徹夜が限界に達した炎尾燃がちょっとでも寝ようとして、アシスタントに「今寝たら締め切りに間に合いませんよ!」と注意された時に言い放つこの言葉。
「時間が人を左右するのではない!人が時間を左右するのだッ!」
良く考えたら単に自分が寝たいだけの言い訳に過ぎないのだが、ここまできっぱり言い切られると何だかカッコ良く聞こえてくるから不思議だ。これが“言霊”というヤツか?この他にも、マンガ家にまつわる面白エピソードが満載なので、興味がある人は読んでみて下さい。