■あらすじ『秋葉系ヲタク青年、22歳。彼女いない歴、もちろん22年。そんな彼が、電車の中で酔っ払いに絡まれていた美女を助け、お礼にエルメスのティー・カップをもらう。女性と話したことのない彼は、この出来事に舞い上がり、インターネットの掲示板の住人たちからアドバイスを受けることに。かくして「電車男」と呼ばれるようになった彼は、勇気を振り絞って「エルメスさん」を食事に誘う。髪を切り、服を買い、入念に準備をしてデートに挑む電車男。その姿は、ネットの住人たちの大きな希望になっていく。果たして彼の恋の運命やいかに!?インターネットの巨大掲示板から生まれた真実のラブ・ストーリー!』
出演:山田孝之/中谷美紀/国仲涼子/瑛太/佐々木蔵之介/木村多江/岡田義徳/坂本真/西田尚美/大杉蓮/伊東美咲/伊藤淳史/白石美帆/田中美里
遅ればせながら観てきましたよ『電車男』を。原作は未読ですが、製作が発表された時は驚きましたね。3月29日にクランクインして、4月28日にクランクアップ、6月4日から劇場公開って、「いくらなんでもそりゃ無茶だろ!?」というくらいの超強行スケジュールにびっくり仰天!「ホントに間に合うのかいな?」と思ったけど、無事公開されておまけに大ヒットしているものだから二度びっくり。大したもんだ。
内容は、今や日本映画界に無くてはならないキーワードになった「純愛」です(笑)。ただし、インターネットから発信された「真実のラブ・ストーリー」という所がポイントですね(どこまで本当か分かりませんが)。
はっきり言ってストーリーは大したこと無いんですけど、最大の特徴は主人公が“ネットを通じた大勢の人たち”のアドバイスによって少しずつキャラクターが変化していき、恋愛関係が発展していく事でしょう。
また、2ちゃんねるの住人たちも看護士や引きこもり少年など、それぞれ個性的なキャラクターと背景が与えられ、しっかり登場人物の一員となっている所が感情移入し易くて良し。そして彼らも主人公にアドバイスする事によって、自分たちの心境に変化が現れるところも、恋愛ドラマのセオリーを踏襲していて気持ちがいいです。
正直、観る前はそんなに期待していなかったのですが、モニターの向こう側にいる大勢の人たちの応援によって、電車男君が勇気を振り絞って彼女に告白する場面は、予想以上に感動的でした。見終わった後、誰もが幸せな気持ちになれる、良質のラブ・ストーリーと言えるでしょう。
見た目の特徴としては、2ちゃんねらーたちがパソコンでアドバイスを送る時の様々な表示方法が面白い。中でも、ブライアン・デ・パルマばりの“画面分割”には笑いました。逆に、時々出てくる「戦争シーン(?)」はいらないですね。サバゲーのヴィジュアル・イメージなんでしょうけど、混乱するだけであまり意味が無いと思います。
でも、最大の問題はやっぱり“山田孝之君がカッコ良過ぎる”という事じゃないでしょうか。美容院へ行ってイメチェンしたぐらいであそこまでカッコ良くなるなんて、「そりゃ元々カッコいいからだろ!」と突っ込みたくもなりますよ(笑)。ただ、リアルにヲタクな人が出てきたらさすがにお客さんも“引く”と思うので、やむを得ないとは思いますが(^_^;)
そういう意味では、エルメスさんもかなり“浮世離れしたヘンな人”ですね。オタクとも普通の人とも異なる、“独特のオーラ”を放っています。まあ、“ヘンな人同士がくっつく物語”という事で、確かに実際にありそうな話だと言えますな。
ちなみに、僕が個人的に衝撃を受けたシーンは電車男君がエルメスさんに、「『マトリックス』はウォシャウスキー監督が、押井守監督の『攻殻機動隊』に影響を受けて作られた云々…」って、得意そうに解説する場面です。
実は……僕も昔全く同じ事をやりました!(ノД`)・゜・ウワァァァァァン、申し訳ありません!逝ってきます…_| ̄|○|||ええ、もちろん彼女はドン引きでしたよ…
ちなみに、エンドクレジットの後にもう一つの「電車男とエルメスさんの物語」が入っていますが、これは今日から始まるテレビ版『電車男』の宣伝(?)みたいですね。TV版を終わりの方だけチラっと見ましたが、電車男君のヲタク度が若干上がっているような(笑)。
いや、そんなことよりもビックリしたのは、まさかこんなところでE.L.Oの「トワイライト」を聞けるなんて!ぎゃあああ!懐かしい!知る人ぞ知る某自主制作アニメのテーマ曲で、ほぼ確実に狙ってやっているとしか思ませんが、元ネタを分かる人がどれほどいるのかなあ?制作スタッフの中に、僕と同年代のヲタクがいるに違いない(笑)。
TV版の出演者:伊藤淳史、伊東美咲、白石美帆、劇団ひとり、岸部シロー、秋吉久美子、速水もこみち、佐藤江梨子、我修院達也